97.正々堂々 97-4
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
リン・ユートンがふいに口を開いた。
「明晩動くなら、今夜はまた街が一段、締まる」
「そうだ」ヨゼフは言う。
「どんな締まり方?」
「名簿の第一版が出る」ヨゼフは言った。「完全な逮捕リストじゃない。『とりあえず目を付けておく』タイプのリストだ。時計職人、機巧職人、ボイラー修理、釣り合い錘の部品供給業者、古い工房の出身者、特殊な金属部品を持って長期滞在している外国人、それから旧い扉を開けてやる人間として知られている接触窓口の何人か。お前たちが今いるこういう場所は、今夜からフロントに残る記録が、鉛筆の一点だけじゃなくなる」
葉綺安が、低く小さく毒づいた。
シキが問う。「警察は?」
ヨゼフがかすかに笑った。温度のない、乾いた笑いだ。
「警察? 今夜を過ぎれば、本当に分かってる人間は入るのを選ばなくなる。分かっていない人間は、渡された言葉通りに入って、すぐまた出てくる。もう見ただろう?」
見た。
だが彼の口から言葉にされると、まるで正式に判を押されたみたいだ。この感覚は最悪だ。俺たちの推測でしかないと思っていたことが、もっと古く、もっと深い線の上で、とっくに確認されていたと知ることになるから。
エリザヴェータがようやく椅子を引いて腰を下ろし、両手を傘の柄の上で重ねて、ヨゼフを見た。
「今夜はここに残るつもりか?」
「残らない」ヨゼフは言う。
「今出て行ったら、戻れないかもしれない」俺は言う。
「俺が今出なければ、明晩お前たちは入れない」ヨゼフは静かに言った。
この一言が、かけようとしていた言葉を全部、塞いだ。
これが彼の来た理由だ。隠れるためじゃない。この新しいホテルの、まだ辛うじてきれいな空気の中で一息つくためでもない。渡すべきものを渡して、言うべきことを言って、それからまたあの街の中に戻る。まだ引き抜かれていない最後の何本かの骨の傍へ。明晩のその一瞬のために、最後の準備をしに。
ヴィクトリアが紙を置いて、ようやく顔を上げた。
声は静かだった。さっきのどの問い詰めより、ずっと危ない静かさだった。
「あなた、今回は戻るつもりがないんじゃないの」
部屋の全員が、止まった。
ヨゼフはすぐには答えない。
ホテルの廊下は静かで、遠くのどこかの部屋から、ルームサービスのワゴンが押されている音がかすかに届く。厚いカーペットの上を転がる車輪が立てる、ごく小さな摩擦音。新市街の昼間のあの過剰な体裁は、今はずっと遠い別の皮の向こうに隔てられていて、この部屋には数人と、テーブルの上の古い道具だけが残っている。明晩の残り少ない逃げ道を、全部書き換えてしまう道具が。
長い間があって、ヨゼフはようやく言った。
「切るべきものを先に切るつもりだ」
正面からの返事じゃない。否定でもない。
こういう答え方の方が、「戻る」と言い切るより、ずっと苦しい。安心させるための嘘さえ、もうつくつもりがないということだから。
ヴィクトリアの指が、紙の端を押さえて白くなっていた。
見ていれば分かる。今の彼女は、泣きたいわけでも、ただ怒っているわけでもない。幼い頃から彼女に積み重なってきたものが、一度に全部めくれ上がっている。守られてきたこと。隠されてきたこと。後の手として扱われてきたこと。技術を教わったこと。「誰も全部は信じるな」と叩き込まれたこと。そして最後に、一番隠してはいけなかったものが、ずっと一番近い人間の手の中にあったと知ること。こういう感情は、二言三言でなだめられるものじゃない。すぐには爆発さえしない。先に、怖いくらい静かになる。
エリザヴェータが立ち上がった。
「二人で話して」彼女は言った。「他の者は、五分だけ外に出よ」
葉綺安が顔を上げて一度だけエリザヴェータを見て、何も言わずにリン・ユートンとシキをさっと引いて廊下に出た。俺はまだ立ったままでいたが、エリザヴェータが俺を見た。重くはない。ただ、交渉の余地がない目だった。
「そなたも」
俺はヴィクトリアを見て、それからヨゼフを見て、最終的にうなずいた。
こういう言葉は、他人が傍にいる前で出てくるものじゃない。
ドアが閉まると、廊下は静かすぎるくらい静かだった。
葉綺安が壁に背を預けて腕を組む。その顔に、いつものひっかかるような笑みが一切ない。リン・ユートンはドアの近くに立ったまま、さっきの線をまだ頭の中で並べ直しているみたいだ。シキは小さく息を吐いた。ずっと張り詰めていたと、これでやっと認めたみたいに。
エリザヴェータは一番外側に立ち、傘の先をカーペットに当てたまま、音を立てない。
「そいつ、妾らを連れて井戸まで降りる気はあると思うか?」葉綺安が最初に沈黙を破った。
「ある」俺は言う。
「で、死ぬ」彼女はまた言う。
すぐには返せなかった。
呪いじゃないから。判断だから。しかも彼女の言い方が軽すぎた。その答えを、重く言いたくなかったみたいに。
エリザヴェータが静かに言った。「奴が入ってきた瞬間から、生き延びるために来たわけではないと分かっておった」
「どうして分かったの」シキが問う。
「退き道を見ておらぬからじゃ」エリザヴェータが言った。「本当に生き延びようとする者は、新しい場所に入った瞬間、まず出口、窓、廊下、裏動線を確認する。奴はそうしなかった。入ってきて真っ先に図を見て、食い違っている線を見て、まだ間に合う断ち切りどころを見た。ああいう者は、隠れに来たのではない。バトンを渡しに来たのじゃ」
俺は閉まったドアを見つめながら、朝からずっと胸の奥で形にならずに居座っていたものが、ようやくゆっくりと輪郭を持ち始めるのを感じた。
そうだ。この章は最初から、前夜の章であるべきだった。
前夜というのは、死者が一番多く出る夜でも、火の手が一番高く上がる夜でも、街に一番おかしなものが溢れ出す夜でもない。前夜とは、事情を分かっている人間が全員、それぞれのやり方で後始末を始める夜のことだ。ある者は箱を整理し、ある者は部品の販売を止め、ある者はホテルの手順を変え、ある者は外からの客を遠回しに追い払い、ある者は古い工房から一番残してはいけないものを前倒しで運び出す。そして、ある者は——半生隠してきた閉鎖手順をついに取り出して、これ以上遅らせたら間に合わないと認める。
これこそが前夜だ。
五分後、ドアが開いた。
ヴィクトリアが先に出てきた。さっきより顔色はさらに白いが、奇妙なほど平らになっていた。平静というんじゃない。怒鳴ることに力を使うのをもうやめたと決めた冷たさだ。ヨゼフが後に続き、誰の顔も見ず、ただあの半月型の真鍮のキー片を俺の手に置いた。
金属は異様に冷たかった。まるで井戸の底から引き上げたばかりみたいに。
「明晩、これを持っていろ」彼は言った。「最後の瞬間まで、身から離すな。もし俺が最後の一区間を言い終える前に何かあったら、あの子の耳に従え」
「あの子」が誰かは、聞くまでもない。ヴィクトリアのことだ。
俺はキー片をしまい、うなずいた。
ヨゼフがエリザヴェータを見た。
「そなたは退き道を押さえよ」
「最初からそのつもりじゃ」彼女は言う。
「明晩、三打目を聞いてもまだ合わなければ、俺を待つな」
エリザヴェータはただうなずいた。理由は聞かない。こういう言葉の意味が分かる人間だからだ。ある種の間合いが、こういう形で口にされた瞬間、それはもう忠告じゃない。遺言だ。
葉綺安がずっと堪えていたのが限界に来たらしく、とうとう口を開いた。
「で、今夜の私たちはどうするの? ここに座って暗くなるのを待てってこと?」
ヨゼフは修理箱のバックルを留め、持ち上げた。箱の中で金属がかすかに当たる音がした。重さより大事なものが、最後にもう一度確かめられたみたいな音だった。
「今夜やることは一つだ」彼は言った。「ここをきれいにしろ」
「何を片付けるの?」シキが問う。
「明日、普通のやり方でチェックアウトするつもりがないと分かるような痕跡を全部消せ」ヨゼフは彼女を一瞥した。「ホテルというのは、ドアより習慣が人間を売る。誰が連泊を延ばして、誰がクリーニングを出して、誰がディナーを頼んで、どの部屋が夜中ずっと電気を点けていて、どの部屋が急にお湯を使いすぎて、どの部屋がチェックアウト前にゴミを妙に丁寧に分けていたか——全部、喋る。明晩、普通の客みたいな去り方をするつもりがないなら、今日を普通の客に見せすぎるな」
葉綺安がぼそりと言った。「……このじいさん、相変わらず聞いてて気持ちよくない話し方するわね」
ヨゼフは聞こえていないみたいに、ドアの方へ向き直った。
ヴィクトリアが、そこで呼び止めた。
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