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87.時を刻む遺品 87-3

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。

通りの角の鐘の音がまだ一打ずつ響いていた。


俺とエリザヴェータは石畳の通りを下りながら、どちらも口を開かなかった。妾は小さなパラソルを差し、足取りは急がず、傘の縁を低く下げて、自分の表情を外から見えにくくする小さな影を作っていた。通りはあいかわらず賑やかで、土産物の屋台、紙コップを持って行き交う観光客、路地の奥から聞こえてくる弦の音、何も変わっていない。だが俺は前へ進むほど、それらの音が一枚薄皮を隔てたところから聞こえてくるような気がしてならなかった。


今日のプラハはまだプラハだ。


ただ、さっきからもう、ただの街ではなくなっていた。


俺は手をポケットに当てた。


懐中時計は掌に寄り添って、静かで、何の気配もなかった。新しいガラスの面は滑らかで、ヒビの跡すら見えない。老人が分解するのを見ていなければ、山口が作業台のそばに立つのを見ていなければ、あの一言を聞いていなければ、俺はさっきのことが何かの錯覚だったと思い込めたかもしれない。


だが今、これがあまりにも完全に見えるせいで、かえって落ち着かなかった。


傷口を最も清潔な手で縫い直されたようなものだ。血は止まり、皮膚も合わさった。それでも、中が全然治っていないことは、自分にはわかっている。


エリザヴェータがふいに口を開いた。


「さっきから歩き方がいつもより半拍重い」


俺は妾を見た。


「そこまで聞き取れるのか?」


「今日初めて拾ったわけじゃないからな」妾は平板に言った。「そなたは緊張すると、右肩が先に落ちる。店を出るときは右肩だった。今は背中まで一緒に固まっている」


俺は二秒黙って、素直に認めた。


「ならなんで聞くんだ」


「聞くかどうかと、そなた自身に口にさせるかどうかは別の話じゃ」


妾は頭も向けずにそう言った。語調は他人の癖を指摘するような軽さだった。俺は言葉が出なくて、視線を妾の横顔から外し、風に揺れている通りの看板へ向けた。


俺たちは木彫り人形の店の前を通り過ぎた。ショーウィンドウに一列の人形が吊るされていて、それぞれ大げさな表情をして、奇妙な衣装を着て、透明なガラスの向こうで静かに垂れ下がっていた。本来なら少し滑稽に見えるはずなのに、俺は視線を走らせながら、なぜかもっと細く、もっと粘りつくような不快感を覚えた。


この街で動くものは何でも、今日から少しずれているような気がした。


「店の中で、最初からああなると予想していたのか?」俺は問うた。


「どの部分が?」


「山口が現れたところ」


「いや」妾は迷わず答えた。「あの時計がそう簡単には済まないとは思っていた。それだけじゃ」


俺は眉を寄せた。


「それ、ほとんど同じじゃないか」


「全然違う」妾はようやく顔を向け、俺を一瞥した。「厄介だと予想していた。山口閣下が直々に止めに来るほど厄介だとは、予想していなかった。これは規格が二つ違う」


あまりにも平らな言い方だった。器の寸法でも分類するような口ぶりだ。だがその平らさのせいで、その中に押し込められたほんのわずかな重みが、かえってはっきり聞こえた。


俺は低く問うた。「以前にも見たことがあるか?」


「何を?」


「たった一言のために、わざわざ姿を現すのを」


エリザヴェータはしばらく黙った。


風が角を吹き抜けて、パラソルの下の銀白色の髪を数本揺らした。妾はすぐには答えなかった。本当のことを言うかどうか迷っているようでもあり、聞こえのいい言い方を探しているようでもあった。


やがて、静かに言った。


「ほとんどない」


俺の胸の不快感がもう一層実になった。


妾がそう言うなら、本当にそうなのだ。


俺たちはそのまま歩き続けた。石畳が足元に軽く反響する。角を二つ曲がると人が少し減り、喧騒も引いて、遠くに路面電車が軌道を擦る音だけが残った。


エリザヴェータがふいに足を止めた。


俺は危うくぶつかりそうになった。


「また何だ?」


妾は返事をせず、パラソルの先をわずかに上げ、前方へ向けた。


俺がその方向を見ると、シキと林雨瞳(リン・ユートン)葉綺安(ヨウ・キアン)が別の路地の角から出てきたところだった。三人とも手に何かしら持っていた。シキは紙袋、林雨瞳は薄い冊子を何冊か挟んでいる。葉綺安が一番派手で、粗紙で包まれた塊を抱えていた。形からして、また何か変な古物に違いない。


三人は話しながら歩いていたが、俺たちを見た瞬間に足を止めた。


林雨瞳(リン・ユートン)が最初に気づいた。


「どうしたの?」


「どこへ行っていたか」でも「店はどうだったか」でもなく、直接「どうしたの?」だった。今の俺たちの顔色が、自分で思っているよりずっと悪いということだろう。


エリザヴェータは表情を変えず、淡々と言った。「何でもない」


シキがすぐに目を回した。


「その『何でもない』は、たいていろくでもないことがあった後の言葉よね」


「それだけ妾のことをわかっているということじゃ」


「わかりたくなかったわ」


葉綺安が俺を見て、次にエリザヴェータを見て、眉を寄せた。「時計は?」


俺は手をポケットから出し、懐中時計を取り出して三人に見せた。


「ガラスを替えた」


シキが目を細める。「ガラスだけ?」


「ガラスだけだ」


三人が一瞬、揃って黙った。


頭のいい連中だ。わざわざ時計屋へ入って、「ガラスを替えただけ」で出てきたなら、本当に触るべき場所は触れていないということだ。そこから推せば、触れられなかったのではなく、誰かが触れさせなかったのだとも読める。


林雨瞳が先に言葉にした。


「中は触れなかった?」


俺は頷いた。


彼女はさらに問うた。「技術的に触れなかったのか、それとも別の意味で?」


俺がまだ口を開く前に、エリザヴェータが先に答えた。


「後者じゃ」


その二文字が出た瞬間、三人の表情が少し引き締まった。


シキの口元にあったいつものぶらついた弧が、ゆっくりと消えた。懐中時計を見つめ、低く問うた。


「彼が出てきたの?」


俺は彼女を見た。


この問いが出たということは、彼女が想像した「後者」と、俺が理解している「後者」が同じだということだ。


俺は頷いた。


葉綺安が静かに息を吸った。


林雨瞳は何も言わなかった。ただあの時計を見つめ、数秒後にようやく視線を外した。


通りを誰かが通り過ぎ、かすかな香水とパンの匂いを連れてきた。俺たちが立っているこの空気とは、全く噛み合わなかった。俺は思わず、少し可笑しくなった——プラハの人々は、自分たちのすぐそばを通り過ぎたこの数人の東洋人旅行者が、目立たない時計屋の中で何を見たのか、まず想像もしないだろう。


エリザヴェータはこれ以上沈黙を引き延ばす気はないらしく、静かに締めた。


「戻るぞ」


シキが顔を上げた。「ホテル?」


「ほかにどこがある?通りに立って風でも食うか?」


その言葉はいつも通り容赦がなかったが、それがちょうど、沈んでいく静寂から全員を引き上げた。葉綺安は抱えているものをしっかり持ち直し、林雨瞳はもう追い打ちをかけず、シキは「今日は順調じゃないと思ってたわ」と小さく呟いた。


俺たちは再び動き出した。


午後の光の中でプラハの石畳は長く伸び、角が続いて、いつまでも旧市街の中を回っているようだった。エリザヴェータが先頭を歩き、他の三人と俺が半歩後ろに続いた。誰も話したがらなかった。だが話さないからこそ、さっきの場面が細い棘のように頭に刺さったまま、どうしても抜けなかった。


歩いているうちに、シキがとうとう我慢できなくなって、声を潜めて俺に寄ってきた。


「何か言ってた?」


「ああ」


「何を?」


俺は少し間を置いてから言った。「分解するな、と」


シキの足が半拍止まった。


「それだけ?」


「それだけだ」


彼女は俺の顔を見た。「実はその後に長い話があった」という痕跡を探しているようだった。だがない。俺が今思い返しても、あの二文字しか頭に残っていない。他には何も。


葉綺安が傍らで低く言った。「それだけ残す言葉ほど、たちが悪い」


「わかってる」


「わかってない」シキが冷たく割り込んだ。「今は不快なだけでしょ。夜になったら、その『それだけ』がどれだけ厄介か、もっとよくわかるから」


俺は反論しなかった。


彼女の言う通りだとわかっていたからだ。


真実が怖いときもある。だがもっと多くの場合、本当に人を消耗させるのは真実を知ることではなく、真実があるとわかっていて、それを知っている人間が糸の端一本だけを渡して、残りは暗闇の中で自分で手繰れと言うときだ。


ホテルは目立たない坂の突き当たりにあった。エリザヴェータが急遽選んだ宿だ。入口は小さく、外には少しくたびれた常緑植物の鉢が二つ、看板は半新半古で、快適すぎることも失望させることもなく、ちょうど「まあ耐えられる」の範囲に収まっていた。


エリザヴェータがドアを押して入ると、カウンターの奥の主人が顔を上げた。愛想笑いを作る間もなく、妾はもうルームカードと記入用紙を一緒に差し出していた。こういう手続きを時間の無駄だと思う習慣が、とっくに体に染みついているのだろう。


俺は後ろに立ちながら、妾が聞き取れない言葉でカウンターの人間と短く話しているのを眺め、ふと、さっき時計屋の前でヴィクトリアが最後に俺を見た目を思い出した。


いや、違う。俺を見ていたのではない。


俺のポケットの中の時計を見ていた。


あれは単純な好奇心でも、驚かされた後の余韻でもなかった。職人が、今日見たものには触れてはいけない、少なくとも今は触れてはいけないとわかっていて、それでも触れられないからこそ、心の中に自分で鉤を育ててしまっているときの目だった。


そこまで考えて、俺の中で何かがかすかに動いた。


彼女はまた来る。


俺たちが誘うかどうかは関係ない。


今日、見てはいけない最初の一目を見てしまったからだ。ああいう人間は、一度でも見てしまえば、見なかったことにするのが難しい。


「また何をぼうっとしてるの?」


エリザヴェータがいつの間にか全部済ませて、振り返っていた。


俺は我に返り、投げてきたルームカードを受け取った。


「何でもない」


妾は俺を二秒ほど見つめた。明らかに信じてはいないが、追及もしなかった。ただ静かに言う。


「今夜は各自、むやみに出歩くな」


シキがすぐに食いついた。


「『むやみに』って何よ?夜中になったら出歩く可能性があるってこと?」


エリザヴェータは階段へ向かって歩き出し、語調は冷淡で、まるで当然のことを言うように。


「ないとは言っておらぬ」


「……やっぱりね」シキは低く悪態をついた。


葉綺安(ヨウ・キアン)は正体不明の古物の包みを抱えて後に続いた。林雨瞳(リン・ユートン)は俺の横を通り過ぎるとき、一瞬足を止めて声を潜めた。


「今夜、あれが何か動いたら、すぐに声をかけて」


俺は彼女を見た。


その目は落ち着いていて、冗談の色など微塵もなかった。


俺は頷いた。


部屋に入り、ドアを閉めると、ようやく背中をドアに預けて、静かに息を一つ吐き出した。部屋は広くない。窓は路地に面していて、外からかすかに人の声と遠くの鐘の音が混じって聞こえてくる。シーツは白く、テーブルは小さく、空気の中に木材と洗剤のどこか薄い匂いがした。


全てが過剰なほど普通だった。


俺はしばらく立ったまま、結局ポケットから懐中時計を取り出した。


新しいガラスは滑らかで清潔で、窓から斜めに差し込むわずかな光を淡く映していた。俺は親指を蓋の縁に当てて少し止まり、ゆっくりと弾いた。


中の針は、まだ止まっていた。


死んでいるみたいに。


だが俺はそれを見ながら、頭の中で同じ言葉だけが繰り返されていた。


分解するな。


直すな、ではない。


触れるな、でもない。


分解するな、だ。


俺はベッドの端に腰を下ろし、その時計を見つめた。部屋が、入ってきたときよりもさらに静かになったような気がした。静かすぎて、自分の呼吸まで余分に感じた。窓の外から鐘の音が遠く届いてくる。一打、また一打。掌の中の動かない懐中時計と、妙に苛立たしい対比を作っていた。


そのとき、ドアの外で軽いノックが二回した。


俺はすぐに蓋を閉じた。


「誰だ?」


外が半秒止まって、エリザヴェータの声が届いた。


「妾じゃ」


俺は立ち上がってドアを開けた。


妾はドアの前に立っていた。パラソルはすでにしまっていて、表情は変わらず静かだったが、世間話をしに来た顔ではない。手に一枚折り畳んだ紙を持っていたが、すぐには渡さず、まず部屋の中を一瞥した。


「やはりまだあの時計を見ていたな」


「ノックする前からわかっていたんだろ」


「難しい推測でもない」


妾は入ってきて、後ろ手にドアを閉め、それから紙を俺に渡した。


俺は受け取って広げた。住所が一つだけ書かれていた。走り書きで、誰かが急いで書いたような字だった。


「これは何だ?」


エリザヴェータは静かに言った。「さっき届けられた」


俺は顔を上げた。


「誰から?」


妾は俺を見た。その目は静かで、ほとんど無関心に近かった。


「そなたはどう思う?」


俺は再びその住所を見た。さっきまで少し落ち着いていた胸の奥の不安が、また何かに軽く引っ張り上げられた。


住所そのもののせいじゃない。


それを届けてきた人間のせいだ。


俺たちが時計屋を出てからここへ戻るまで、そんなに時間はなかった。


動くのが早すぎる。


俺たちが店を出た瞬間から、今日起きたことを何もなかったことにはできないと、もう決めていたかのようだ。


俺はその紙を握り、低く問うた。「行くつもりか?」


エリザヴェータはすぐには答えず、窓の外を一瞥した。


路地の光はもう夜の色へ滑り始めていた。鐘の音は遠くでまだ響いていて、この街全体がずっと止まったことがないようだった。


妾は視線を戻し、静かに言った。


「今ではない」


俺を見て、声をさっきより少し落とした。


「じゃが今夜は、本当に深く眠れそうにないな」

「とても面白い」★四つか五つを押してね!


「普通かなぁ?」★三つを押してね!


「あまりかな?」★一つか二つを押してね!

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