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62.例の「プロセス」とやらは、どこまで行った? 62-2

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。

 法廷窓口に連絡済み。

受付番号と担当振り分けの確認を先行要求。

メディア向けの簡易声明を別途作成中、手続きのみ、身分には触れない方針。

公式が回答拒否の場合、三十分以内に第一波の反制措置が可能。



俺が読み上げると、葉綺安(イェ・キアン)が頷いた。「速い」


(シキ)はすでに画面を切り替えて、一般向けの整理を始めていた。


「二バージョン作る。一つは普通の人間向け、一つはフォーラムの戦士向け。前者は『政府が依法と称するなら、手続き情報を公開せよ』。後者は——」


少し止まって、口の端がいたずらっぽく上がった。


「——『処理してるって言うけど、どこまで処理したの?』」


俺は声に出して笑った。


「後者は絶対に燃える」


「燃やすために作ったんだから」(シキ)は言った。


林雨瞳(リン・ユートン)が画面を見ながら、ふと付け加えた。


「もう一本追加する」


「何?」


「『原告が昨日書類を提出して、今日、政府のメディアへのコメントが法廷内部の対応より先に出た。依法なのか、それとも演技なのか』」


車内が一秒静かになった。


俺はゆっくり振り向いた。


「おい」


(シキ)が親指を立てた。


「これが一番毒がある」


エリザヴェータは笑わなかった。ただ、ごく軽く頷いた。


「それを使え」


「了解」


俺は三人を見渡しながら、妙な感覚を覚えた。


安心じゃない。もっと質の悪いものだ。


エリザヴェータがもう威圧だけに頼らなくなった時。林雨瞳(リン・ユートン)が自分から言語を武器として振り始めた時。(シキ)がネットを戦場として使い始めた時。葉綺安(イェ・キアン)が全員を生かしたまま動かし続ける時。


それが意味することは一つだ。


もう応急処置じゃない。


正式に、戦争が始まった。


俺はスマホを見下ろした。最初のメディアからの着信がすでに入っていた。


発信元は国際ニュース局だった。


「来た」俺は言った。


エリザヴェータは椅子の背もたれにもたれ、傘の柄を指で軽く叩いていた。誰かの棺桶の蓋を叩くみたいに。


「出ろ」


「一つ聞いていいか」俺は通話ボタンを押す直前に言った。「俺って実は広報担当に向いてないんじゃないかって思うんだが」


「思っておる」彼女は言った。


「だったらなんで——」


「だが、汝の話を聞いた後で、政府が自分たちを白痴に見せているんじゃないかと疑い始めさせるのには、汝が一番向いておる」


俺は彼女を見て、半秒黙って、それから頷いた。


「……分かった、この仕事、受ける」


通話ボタンを押した。


「もしもし」俺は言った。「血の霧のことを聞きたいなら、興味ない。もし少しまともで、もっとずっと怖い質問をしたいなら——」


窓の外に、どんどん遠ざかっていく政府ビルを見ながら、俺はゆっくりとその言葉を吐き出した。


「——今から書き留めてくれ。依法研議というなら、どの段階まで進んでいるのか」


車は次の通りへと入っていった。


後ろにはまだカメラが追いかけていた。


前方には法廷、広報、学者、官僚、記者、野次馬、全員がもう目を覚ましていた。


そして俺にはひどく明確に分かっていた。この瞬間から、この戦いで一番厄介なのは、誰が噛みつくかじゃない。


誰が文章を書けるか、誰が言葉を使えるか、カメラの前で一番まともな人間に見えるのは誰か、ということだ。


---


最初の本格的な爆発は、ニュース局では起きなかった。


フォーラムのスクリーンショットが各大型SNSに転載された後だった。


(シキ)が平板を俺の方に向けた。画面は赤い通知点と転載とライブ配信のサムネイルで埋め尽くされていて、見ているだけで電源を切って人生から逃げ出したくなる密度だった。


「来た」彼女は言った。


「どれが?」


「全部」


俺は下を向いた。最初に拡散されていた画像は、政府の広報担当が壇上で「依法研議」と言った瞬間のスクリーンショットで、横にでかい文字が添えられていた。


『で、どこまで進んだの?』


二枚目はもっと辛辣だった。


左側はエリザヴェータが書類を手渡している写真、右側は彼女が血の霧になった瞬間、中央に文字がある。


『先に手続きを踏んだのは私だ。特撮に走らせたのはあなたたちだ』


俺は二秒黙った。


「今のネット民、コピーライターとしての能力が高すぎないか?」


「失業者が多い」林雨瞳(リン・ユートン)は言った。「天才も多い」


「この世界は変なところだけ効率がいいな」


車は外環道へと入り、葉綺安(イェ・キアン)は何も言わず、ただ安定した速度で前へ進んでいた。後ろにメディアの車がまだついてきていたが、追いつけていない。せいぜい都市伝説の後日談みたいな存在だ。


(シキ)はすでに複数のライブ配信画面を同時に引き出していた。


国際時事系が一つ、地元政治系が一つ、大げさに騒いで食っている系が一つ。三つのライブ配信、三種類のトーン、でもコメント欄に流れているのはほぼ同じ一言だった。


「で、どこまで進んだの?」


俺はその文字列が上から下へ滝のように流れ続けるのを見た。キーボードを武器にしたゾンビの大群みたいだ。


「おお、これは効いてる」俺は言った。


「当然だよ」(シキ)は口の端を上げた。「単純で、バカっぽくて、スローガンみたいなものほど、突き刺さる。政府が一番怖いのは専門家じゃない。普通の人間でも覚えられる質問なんだよ」


エリザヴェータは隣に座ったまま、傘の柄を一度だけ軽く叩いた。


「覚えさせろ」


「誰に?」


「全員に」彼女は静かに言った。「記者、司会者、ネット民、野党、与党、理性的なふりをしたいすべての人間に。誰かが分析を始めようとするなら、まずその一言に答えさせろ」


俺は彼女を横目で見た。


「合法的な疫病を設計してるって自覚、ある?」


「疫病ではない」林雨瞳(リン・ユートン)が言った。「そのものだ」


(シキ)が突然笑い声を漏らして、指を下に滑らせた。


「政府の広報が崩れ始めた」


「どこで分かる?」


彼女は二枚の画像を並べた。


左側は、ある部門が少し前にメディアに流したコメントだ。


『本案件は関連法規に基づき、慎重な検討プロセスに入っております』


右側は、別の窓口が先ほど截取された返信メールだ。


『現在、担当権限と引き継ぎ順序の内部確認を待っている状況です』


俺は見た瞬間に笑った。


「見事だ。これはもう右と左で殴り合ってるレベルじゃない。左手が『会議中』って言ってるのに、右手がまだ『会議室どこですか』って探してる状態だ」


「まだある」(シキ)は三枚目を出した。「法廷の受付窓口に記者が電話したら、『個別案件の進捗については申し上げられない』って答えたらしい。ただ、注意点がある。彼が言ったのは『進捗』であって、『受理したかどうか』じゃない」


林雨瞳(リン・ユートン)がすぐに続けた。


「つまり、受理はほぼ確実にしてる。ただどこに流れたかを認めたくないだけ」


「正解」(シキ)は頷いた。「外では今もうタイムラインを作ってる人がいる」


彼女はもう一つの画面を出した。


タイトルはダサいが、殺傷力は高かった。


『一分で分かる:政府は結局受理したのか?』


下には超低難度のフローチャートが描かれていた。


昨日:原告が書類を提出。

今日の午前:政府が「依法研議」と発言。

今日の午後:法廷が受付番号を開示しない。

現在:全員が知りたいのは、誰が演じているのか。


俺は椅子の背もたれに倒れ込んで、心から感嘆した。


「文明社会で人を吊るし上げるのに一番向いてる道具は、刃物じゃなくて、まとめ画像だな」


「だから汝も話す時はまとめ画像みたいに話せ」エリザヴェータが言った。


「分かってる、分かってるよ。短く、繰り返して、スパナで頭を叩くみたいに」


「よろしい」彼女は言った。「少なくとも学習能力はあるようじゃ」


言い返そうとした瞬間、またスマホが震えた。


今度はメディアじゃない。ヴァヴラだ。


「もしもし?」


「第一波が来ました」ヴァヴラの声は速く、すでに完全に仕事モードに入っていた。「法廷側は担当情報の公開を拒んでいますが、受理を否定もしていない。つまり、外に流せます」


「どう流す?」


「一番シンプルに」彼は言った。「原告はすでに法的手続きを提起し、関係機関はすでに処理プロセスに入っている。しかし政府は基本的な手続き情報の公開を拒否している。これが正常な行政作業かどうか、各方面で判断してください」


俺は笑った。


「あなたの話し方、どんどん魅力的になってきますね」


「ありがとうございます。ただ今は口説きの時間じゃないので」


「安心してください、弁護士に興味はない。ただプロが人を刺す時の手際の良さを鑑賞してただけです」


(シキ)が指をパチンと鳴らした。


「ちょっと待って、最初の大型配信者が乗ってきた」


彼女がスピーカーをオンにした。


画面の中の司会者は「普段は便乗してるだけだが今日は本当に乗れるものがある」という興奮を顔全面に貼り付け、印刷したスクリーンショットをカメラに向かって振り回していた。


「視聴者の皆さん!今日のこの事件、一番ヤバいのは血の霧でも、吸血鬼でも、古城でもありません!一番ヤバいのは——政府は一体処理してるのかどうか、ってことです!もししてるなら、手続きはどこまで進んだ?もししてないなら、さっきの『依法研議』ってのは全部ハッタリか?!」


コメント欄がその場で爆発した。


「そうそう、吸血鬼は置いといて、まず公務員どうにかしろ」

「クソワロタ、血の霧の方が官僚の言葉より誠実じゃん」

「早く受付番号出せよ」

「またこれか。政府の標準装備:やってるフリ」

「うちのオカンも受理したのかどうか気にしてるぞ」

「こんな簡単な問題も答えられないの?」


俺はコメントが猛烈な勢いで上に流れていくのを見ながら、ふと、どこかの官僚のためにロウソクでも立ててやりたくなった。


「よし、これで本当に厄介なことになったな」俺は言った。


「私たちにとって?」林雨瞳(リン・ユートン)が聞く。


「いや、あいつらにとってだ」俺は口の端を引いた。「城にも興味ない、吸血鬼にも興味ない、ヨーロッパの封建史にも興味ない人間が、『受理したの?』って聞き始めたら、もう『高度なトラブル』から『低レベルな赤っ恥』に格下げされるから」


エリザヴェータが静かに「ふむ」と言った。


その声は低くて、薄かった。でも俺には分かった。彼女も同じことを理解した、と。


彼女が今日の記者会見でやったのは、超自然の衝撃教育だけじゃない。「複雑な国際歴史財産権争議」という話を、「基本的な手続きすら説明できないのか」という泥沼に強引に引きずり込んだんだ。


そして現代社会で一番致命的なことは、誰でも理解できる泥沼に引きずり込まれることだ。たとえ最後にそこから這い上がれたとしても、しばらくは泥の臭いが染み付いて取れなくなる。


(シキ)がまた別のウィンドウを開いた。


「ニュースの見出しが変わり始めた」


俺は覗き込んだ。


最初はまだ骨のない書き方だった。


『ボイニツェ城争議が拡大、政府は依法研議と回答』


十分後に変わった。


『血の霧をめぐる原告争議が激化、政府は案件の手続き進捗を説明せず』


さらに五分後、もっと攻めた局が直接こう出した。


『全国が問う:依法、どこまで進んだ?』


俺は笑って、思わず拍手しそうになった。


「このニュース局、今日死ぬ気か?」


「生き残るつもりだよ」林雨瞳(リン・ユートン)が言った。「最初に人間の言葉で喋った方が、かえって安全だから」


「クソ、これもまた真理だな」


車内がしばらく静かになった。通知音だけがまだ鳴り続けていた。


ピン。


ピン。


ピン。


ピン。


世界中のスマホが、一斉に躁鬱病にでもかかったみたいだ。


葉綺安(イェ・キアン)が口を開いた。「ポイントに着いた」


「何のポイントだ?」


「乗り換えのポイント」彼女は言った。「前方で一分停まる。(シキ)、データをクラウドに分散。周士達(ジョウ・シーダー)、電話を切るな。林雨瞳(リン・ユートン)、簡易版の声明を先に流せ。エリザヴェータ——」


「分かっておる」エリザヴェータが言った。


車が停まると同時に、俺たちは動いた。


俺が車を降りた瞬間、スマホがまた震えた。今度は国際局のオンラインエディターだ。ガラスでも扱うような丁寧な口調だった。


「ネット上で流れている、『政府は正式に受理していないにもかかわらず依法研議と対外発表した』という見方について、ご見解をお伺いできますでしょうか?」


俺は車のドアの脇に立ち、もう一台の車が横付けされるのを見ていた。葉綺安(イェ・キアン)が視線を遮るように立ち、(シキ)は平板を抱えて後部座席に滑り込み、林雨瞳(リン・ユートン)は歩きながらメッセージを送り続け、エリザヴェータは最初から最後まで、歩調一つ乱さなかった。


俺はスマホを耳に挟み、できる限り平坦な声で言った。


「簡単な話です」俺は言った。「政府が本当に依法研議をしているなら、手続き情報を公開してください。処理中だと言うなら、答えてください——依法研議というなら、どの段階まで進んでいるのか」


向こうが半秒黙った。


「では、あなた方の争点は——」


「血の霧でも、伝説でも、ドラマ的な演出でもない」俺は即座に遮った。「争点は、手続きを遵守すると称する政府が、手続きについて本当のことを言っているかどうかです」


言い終えて、俺は自分でも少し違和感を覚えた。


真面目すぎる。俺らしくない。


でも顔を上げると、エリザヴェータが車の脇に立って俺を見ていた。何も言わない。ただその視線がごく薄く圧をかけてくる。そう、それでいい、と言っているような目だった。


クソったれ。


この女は人を使うのが本当に上手い。


俺は二台目の車に乗り込んだ。ドアが閉まると、外の騒音が一瞬で半分に切れた。


(シキ)は顔も上げずに言った。「爆発した」


「どこが?」


「どこもかしこも」彼女は平板を中央に叩きつけた。「フォーラムの注目スレッドに十七本入り、ライブ配信が二つ同時に視聴者数上限超えて、ニュース局が見出しを差し替えて、SNSで二次創作画像が出回り始めて、『依法どこまで?』がスタンプパックになってる」


「この速度、気持ち悪いな」


「現代へようこそ」彼女は言った。


林雨瞳(リン・ユートン)がスマホを下ろして、冷たく一刺しした。


「政府が第二弾の声明を出そうとしたら、本文が統一される前に、内部から草稿が漏れた」


「何が書いてあった?」


彼女が画面を俺に向けた。


その草稿は、死体みたいに醜い出来栄えだった。


『近日、特定案件に関して社会的な関心が高まっていることを受け、本機関は現行の法規及び省庁横断の調整メカニズムに基づき、必要な審査及び検討プロセスを開始しており……』


最初の三行で俺は読むのをやめた。


「これ誰が書いたんだ?広報部門、全員酔ってるのか?」


「そこじゃない」林雨瞳(リン・ユートン)は言った。「下にコメントが入ってる」


彼女が下にスクロールした。


赤字でこう書いてあった。


『「慎重に」という表現は使用しないこと。民衆の反感が強まっている』

『「受理したかどうか」への直接的な回答は避けること』

『血の霧の映像は統一して「異常映像事象」と称すること』


車内が二秒静まった。


それから俺は笑った。


我慢できなかったんじゃない。普通に声に出して笑った。


「異常映像事象?」


(シキ)も笑いで肩が震えていた。


「センスある。次に幽霊に追いかけられたら、私も『異常移動現象に遭遇した』って言うことにする」


葉綺安(イェ・キアン)の口の端まで、かすかに動いた。


林雨瞳(リン・ユートン)は目を閉じて、静かに息を吐いた。


エリザヴェータは笑いもせず、ただ淡々と一言言った。


「よい」


俺はまだ笑いながら聞いた。「どこがよいんだ?」


「奴らが言葉を恐れ始めたからじゃ」彼女は言った。


その一言が、氷水を頭から浴びたみたいに、俺の笑いを止めた。


俺はゆっくりと笑いを引っ込めて、あの声明草稿を改めて見た。そこで初めて、本当に分かった。


まだ強がれる政府は、まだ言葉を選ばない。


だが、どの言葉を使うかまで怖くなった政府——「慎重に」を削り、「受理」から目を逸らし、血の霧を「異常映像事象」と言い換え始めた政府は——


もう事態を処理しているんじゃない。


恐怖を処理している。


(シキ)の指が動き続けた。


「外では今、第二波が始まってる。第一波は野次馬、第二波は作業に入ってる。画像作り、まとめ作り、タイムライン作り、切り抜き作り。今夜が明けたら、この一言は汚い言葉みたいに奴らの顔に張り付いて取れなくなる」


「どの一言?」


彼女は顔を上げて、俺を見て、いたずらっぽく笑った。


「依法、どこまで進んだの?」


俺は椅子の背もたれに倒れ込んで、窓の外を飛ぶように流れていく街並みを眺めた。今夜この街では、眠れない人間が大勢出るだろうと思った。


吸血鬼がいるからじゃない。


自分たちの国の顔が、ネット上でミーム画像に加工されて、繰り返し公開処刑されることに、今日初めて気づいたからだ。


そして今、俺たちがやるべきことは、もう逃げることじゃない。


火が熱いうちに、もっと大きく吹き上げることだ。


エリザヴェータが傘の柄を軽く叩いた。


「よい」彼女は言った。「今からヴァヴラに会いに行く」


俺は彼女を見た。


「正式に開戦?」


彼女は顔を横に向けた。夜の窓に張った氷みたいに冷えた眼差しだった。


「否」


彼女は言った。


「奴らに、自分たちが一体何に手を出したのか、理解させ始めるのじゃ」


「とても面白い」★四つか五つを押してね!


「普通かなぁ?」★三つを押してね!


「あまりかな?」★一つか二つを押してね!

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