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61.問題があればまず弁護士へ 61-1

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。

俺たちは政府ビルの通用口から撤退した。


スマートな退場じゃない。


頭を下げて、早足で歩き、背後のビル全体が突っつかれた蜂の巣みたいに爆発する音を背中で聞きながらの撤退だ。


廊下には足音、怒声、着信音が響き渡り、カメラに向かって走りながら喋り続ける連中もいた。スロバキアで今日起きたのはただの記者会見の事故ではなく、突然中世へと通じる扉が開いたのだとでも言わんばかりの勢いで。


俺が先頭を歩き、葉綺安(イェ・キアン)殿しんがりを務める。(シキ)は歩きながらタブレットで監視カメラの死角をチェックし、林雨瞳(リン・ユートン)は極めてシンプルに、近づきすぎる奴をただ睨み返した。あの視線は普段俺を黙らせるのに十分な威力があるが、記者相手にも存分に効果を発揮した。


少なくとも、真っ先に突っ込んでこようとした何人かの足を、半歩ほど遅らせるくらいには。


「左」(シキ)が小声で言った。


俺は考えるより先に、狭い脇廊下へと曲がった。


ところが曲がった直後、集音マイクを持った男性記者と鉢合わせした。向こうも混乱の中で手当たり次第に走り回り、まぐれでこの通路に行き着いたらしい。俺たちを見るなり、その目が頭等賞の宝くじでも拾ったかのように輝いた。


"Are you with—"(あんたたち——)


「違う」俺は即答した。


"But you were just—"(でもさっき——)


「人違いです」


"Sir, the woman who disappeared—"(消えたあの女は——)


「これ以上近づいたら、俺もお前を消してやろうか」


脅しじゃない。


今の俺は、本当に機嫌が悪いんだ。


記者は一瞬怯み、見事に足を止めた。葉綺安(イェ・キアン)が俺の横を通り抜け、彼を一瞥することすらなく、ただ肩で強引に弾き飛ばした。その隙に(シキ)が横の非常扉を押し開け、俺たちは一列になって外へ抜け、ビルの脇にある搬入用の路地に出た。


ドアが閉まると、外の喧騒が一瞬で半分以上遮断された。


遠くの方から、記者会見のあった方向の絶え間ない混乱のざわめきだけが聞こえてくる。社会全体の神経系をミキサーに放り込んで二分間回し続け、まだスイッチを切っていないような音だ。


路地は狭く、両側には灰色の壁とゴミ箱。地面には朝の雨の乾ききらない水たまりがある。路地の入り口から吹き込む風には、車の排気ガスと湿った石の匂いが混ざっていた。政府の記者会見場に比べれば、泣きたくなるほどまともな場所だった。


俺は膝に手をつき、まずは大きく息を吐いた。


「よし」俺は顔を拭った。「おめでとう、各位。俺たちは歴史的財産権紛争から、超自然的公共危機への産業アップグレードを正式に完了したぞ」


(シキ)はタブレットを見たまま、顔も上げない。


「今そんなこと言ってる余裕ある?」


「言わないと壁に頭をぶつけたくなるんだよ」


「じゃあちょっと我慢して。外では少なくとも三グループが通用口の方へ回り込んでる」


「クソったれ」


林雨瞳(リン・ユートン)が路地の入り口から外を一瞥し、極めて冷静な声で言った。


「映像、全部出回った」


「分かってる」俺は言った。「さっきのあの惨状だ、出回らない方がおかしい」


「全部、と言っている」彼女は振り返って俺を見た。「ローカル局だけじゃない。海外メディア、SNS、ショート動画、全部拡散中」


「……そりゃ素晴らしい」


俺がその言葉を口にした時の誠意は、葬式の祭壇に飾られた造花と同レベルだった。


葉綺安(イェ・キアン)は壁にもたれ、腕を組んだまま、表情は平らだった。


「今は二つのことを処理する」


「二つ?」


「一つ、エリザヴェータはどこへ行ったか。二つ、私たちは次にどこへ身を隠すか」


そうだ。


一番核心の問いを忘れかけていた。


政府の記者会見をホラーの教材に作り変えた当事者本人が、今ここにいない。


俺は路地の上方を見上げた。


コウモリはいない。


黒い影もない。


吸血鬼のロマンチックな伝説に符合するものは何一つない。


あるのは、二つのビルの壁に切り取られた、細長い灰白色の空だけだ。


「まさか、本気で俺たちをここに置き去りにしたわけじゃないよな?」俺は聞いた。


「それはない」林雨瞳(リン・ユートン)が言う。


「なんで分かる?」


「まだ指示を出していない」


……ちくしょう。


それも事実だ。


エリザヴェータという女は、自分だけ先に消えることも、公衆の面前で政府にビンタを食らわせることもするが、次の指示を出さずにチームを本当に放り出すようなことはしない。もしそんなことをしたら、かえって彼女らしくない。


問題は——彼女がどこから戻ってくるか、だ。


そう思った直後、路地の空気が突然変わった。


風が吹いたような変化じゃない。


急激に気温が下がるような、分かりやすいホラー映画の演出でもない。


もっと細やかな何かが変わった。


ただ湿って冷たいだけだった空気に、突然、少しだけ鉄の錆びた匂いが滲み出してきた。ごく薄いが、よく知っている匂い。配管の水漏れでもなければ、誰かが怪我をしたわけでもないと、振り返らなくても分かる。


血だ。


次の瞬間、路地の奥、灰色の壁のそばで、誰かが指で軽く空気をかき混ぜたように空間が歪んだ。


一筋の暗紅色の霧がふわりと浮かび上がる。


続いて二筋目、三筋目。


その血の霧には音もなく、火事場の煙のように大げさなものでもない。ただひどく静かに集まってきた。壁の隅、影の中、排水管の縁など、この路地の光の当たらないあらゆる場所に最初から潜んでいて、今になってようやく呼び戻されたかのように。


(シキ)が先に息を呑んだ。


「来た」


「見えてる」俺は言った。


正直に言えば、この光景を見るのは初めてじゃない。


問題は、何度見ても理不尽すぎるということだ。


血の霧は壁際でゆっくりと寄り集まり、まず輪郭を成し、次に形を成した。スカートの裾、手袋、肩のライン、髪、そして最後に、生きている人間とは思えないほど蒼白で、それでいて度を越して美しいあの顔が現れた。


エリザヴェータが血の霧から再び実体を取り戻した時、その表情は平らだった。


ついさっき、全国中継のカメラの前で政府の最後の建前を吹き飛ばしてきたばかりではなく、ただちょっと外の空気を吸いに出ていただけのような平らさ。


ただ、あの紅い双眸だけが、普段よりも少し冷たかった。


俺は彼女を見て、二秒ほど沈黙した後、それでも誠意を込めて口を開いた。


「先に言っておくが、俺は責めているわけじゃない」


彼女は俺を見た。


「だが?」


「だが、今回はさすがにやりすぎだ」


エリザヴェータは眉一つ動かさなかった。


「事を矮小化したのは、奴らが先じゃ」


「…………」


その一言には、俺も反論できなかった。


林雨瞳(リン・ユートン)が一歩前に出て、彼女を一瞥した。


「大丈夫?」


「問題ない」


「あなたがそういう時、大抵は周りの人間が問題だらけになる」


エリザヴェータの口角が、ほんのわずかに上がった。


「それは妾の知ったことではないのう」


葉綺安(イェ・キアン)が直接核心を突く。


「次は?」


俺もすぐに無駄話を切り上げた。


そうだ、こっちが本題だ。


今は彼女がさっきどれだけ凶暴だったかをツッコんでいる場合じゃない。ニュースは爆発し、政府も爆発し、メディアも爆発した。このまま俺たちがここで立ち尽くしてぼんやりしていれば、次は俺たち自身が爆発する番だ。


エリザヴェータは手袋をゆっくりと整え直し、動作は緩慢だったが、口調はひどく明快で早かった。


「一つ、宿には戻れぬ」


「同意する」俺は言った。「今戻るのは、自分たちをリボンで包んで記者の玄関先に置くようなもんだ」


「二つ、ヴァヴラには今すぐ連絡を入れよ」彼女は俺を見た。「今日中に、仮処分と文書保全の申し立てを追記させよ」


俺は眉をひそめた。


「政府が自分たちの引き起こした事態にビビってる隙に、手続きを完全に釘付けにしてしまおうってことか?」


「左様」


「おー、えげつねえ」


「正常な速度じゃ」彼女は言った。


彼女にとってはそうかもしれない。


だが普通の人間からすれば、それは倒れた相手の頭を踏みつけてトドメを刺す行為だ。


彼女は俺を無視して、そのまま続けた。


「三つ、ホルヴァート教授の件は、(シキ)が処理せよ。今夜中に最短版の意見書を提出させよ。書くべきは三点のみ。第一の文書の授封効力、第二の文書におけるボイニツェ本体と付属権利の連結、第三は伝説ではなく、戦時授権の強化条項であるということ」


(シキ)は頷き、すでにタブレット上で指を動かし始めていた。


「了解。急かしてくる」


「礼を失するな」


「礼儀正しく急かす」


この言葉が(シキ)の口から出ると、信憑性が非常に高い。


エリザヴェータは次に林雨瞳(リン・ユートン)を見た。


「メディアには、弁明など不要じゃ」


林雨瞳(リン・ユートン)が眉を上げる。


「放置?」


「左様」彼女は言った。「まずは勝手に騒がせておけ。誰が妾を怪物と呼び、誰が伝説と崇め、誰が歴史的ジョークと嘲笑うか、すべて記録せよ。弁護団が結成された後、最も適した時期を見計らい、改めて物語を定義し直す」


林雨瞳(リン・ユートン)は頷いた。


「つまり、今は火消しをせず、誰が自滅するかを見物する」


「左様」


俺はそこまで聞いて、たまらず口を挟んだ。


「待てよ、じゃあ今から世界中が『スロバキアの裁判所に吸血鬼の女大公が出現』って騒ぎ立てるのを、俺たちは野放しにするのか?」


エリザヴェータは振り返って俺を見た。その口調は、ひどく苛立たしいほどに平穏だった。


「ほかに妙案があるか?」


「……ない」


「なら黙って動け」


よし。


お馴染みの配合、お馴染みの屈辱だ。


最後に、彼女は葉綺安(イェ・キアン)に視線を向けた。


「新しい拠点を探せ。ホテルは駄目だ。民泊も駄目だ。フロントに売られる可能性のある場所は全部除外じゃ」


葉綺安(イェ・キアン)は頷く。


「候補が二つある」


「静かな方を選べ」


「了解」


それからエリザヴェータは、ようやく視線を俺に落とした。


正直に言えば、これが一番怖い。


こうして彼女に見られる時は、大抵、厄介ごとが俺の頭の上に降ってくる前触れだから。


案の定だった。


周士達(ジョウ・シーダー)


「ここにいる」


「汝は妾と来い」


俺は少し間を置いた。


「どこへ?」


「まずここを離れてから、ヴァヴラに電話を入れる」彼女は言った。「賢い男なら、今頃もう自分が引き受けたのが普通の案件じゃないと分かっているはずじゃ」


「賢くなかったら?」


エリザヴェータは薄く笑った。


「替えればよい」


クソったれが。


この一言が彼女の口から出ると、本当に「今日は弁護士、明日は地券、明後日は国家機構」まで全部替えられそうな気がしてくる。


俺はこめかみを揉んで、最終的に頷いた。


「分かった」


彼女は俺たち全員を見渡し、最後にこう付け加えた。


「今後は、受け身でやり過ごすことを考えるな」


一拍置いた。


「こちらから奴らを動かすんだ」


路地は静かだった。


外の車の音、遠くのビルの方からまだ収まらない喧騒が、壁を一枚隔てて伝わってくる。それでもここに立っていると、俺にはひどく明確に感じられた。


何かが変わった。


ここ数章、俺たちはずっとこの案件のペースに引きずられていた。


法廷、文書館、記者、政府、メディア、向こうが何を投げてきても、俺たちはただ受け取り続けていた。


でも今は違う。


今は、エリザヴェータがこの汚い政府ビルの裏路地で血の霧から立ち戻り、全員に向かって静かに告げている。


いい、次は私たちの番だ、と。


俺は彼女を見ながら、ふとこの女は本当にどこかおかしいと思った。


でも、それは非常にチームメイトに向いたおかしさだった。


「よし」俺は息を吐いて、背筋を伸ばした。「始めましょうか、大公殿下」


エリザヴェータは俺を一瞥し、小さく鼻を鳴らした。


「足を引っ張るな」


そして彼女は踵を返し、路地の反対側へと歩き始めた。


俺たちも即座についていった。

「とても面白い」★四つか五つを押してね!


「普通かなぁ?」★三つを押してね!


「あまりかな?」★一つか二つを押してね!

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