ある姉弟と黒い男の物語
ここは、とある森の中…
その森の中で、ある人間の姉弟が道に迷っていた
弟
「なあ姉貴ー
本当にこっちでいいの?」
姉
「いいに決まってるでしょうが」
姉の名はアリア、弟の名はグリ
この2人は様々な事があり、現在家なしで冒険者をしている
どんな物語かって?なんか中の人が書くって言ってた気がするからあえて説明しないぞ!
そんな2人が何故森で迷子になっているのか、これは話すと長くなるのだが…
…知らない森で食料調達してたら迷った!以上!
そんな中、姉に手を引かれ森の更に深くへと進んでしまう2人…
グリ
「姉貴ー
こういう時は無闇に動くものじゃないと思うぞ?
例えば、先に周囲を確認したりとか」
アリア
「確認?
…地面に人の足跡みたいなのがあるわね、それもかなり新しいのが」
グリ
「絶対それだ
追いかけようぜ」
アリア
「待ちなって…
あんた探索できないでしょ」
方向だけ確認して突っ走るグリと、それを追いかけながら足跡を追跡するアリア
まあ、グリの足の速さは相当なものなので、追いつくのは一苦労だ
暫く走っていると、大きな衝撃音と動物が騒ぐ声が聞こえてくる
驚きながらも辺りの安全を確認する2人
グリ
「なんだ今の!?」
アリア
「…どうやら、足跡が向かった方向だな」
グリ
「…安全を確認しながら、ゆっくり進もう」
アリア
「弟がしっかりして、姉ちゃんは嬉しいような寂しいような…」
グリ
「なに言ってんだよ…」
辺りを警戒しながら進むと、ある場所に行き着く
そこは、壮絶な戦いを繰り広げた跡があり、大柄の熊の死骸とそれを漁る人影が見える
アリア
「…人影?」
グリ
「人族か?蛮族か?」
アリア
「遠すぎてよく分からないな」
グリ
「近付いてみるか」
アリア
「ちょっと待ちなって…
あんたが行ったら、私が守れないでしょ」
正体不明の人影に見つからないように、こっそり近寄る2人
いくらか近付いた辺りで、その人影の正体を知る事になる
それは、身体の特徴からして恐らく人間だが、人間にしては明らかに大きい
…まあ、アリアといい勝負なのは言わなくていいかな…
背中には全長2mを優に超える黒い剣を背負っており、鎧は真っ黒に塗られている
ある程度観察していると、流石に気付かれたようで、目が合う
アリア
「あ、そこのあんた、丁度よかった
私たち道に迷ってるんだけど、出口知らない?」
グリ
「やっぱり迷ってんじゃん…」
黒い男
「あ?
知ってるが…お前ら誰だ?」
アリア
「私はアリア」
グリ
「俺はグリ
まあ、兄弟でその辺回ってる冒険者だ
あんたも見たところそんな感じ?」
黒い男
「…俺はブラック、ただ単に戦いが好きな冒険者だ」
アリア
「それは依頼か?」
ブラック
「…まあ、そんな所だ」
アリア
「まだ帰らないつもりなら手伝うけど?」
グリ
「まあ、俺らはこの森で迷ってるわけだし」
ブラック
「…好きにしろ」
アリア
「どんな依頼?」
ブラック
「…怪鳥討伐だ」
グリ
「姉貴、探してみたらどうだ?」
アリア
「怪鳥だったら…耳をすませるとか?」
アリアが耳をすませると、何かが羽ばたく音が聞こえてくる
しかし、どこから聞こえてくるかは分からない
ただ一つ言える事は、その音が近付いてくるという事か
ブラック
「…来たか」
怪鳥
「ギャーーーーッ!」
ふと空を見上げると、10mを超える羽毛のない怪鳥が襲いかかってきている事に嫌でも気付くだろう
怪鳥はまずグリを狙って嘴を突き出す!
グリ
「…意外と余裕で避けれるか」
…しかし、グリは回避特化フェンサーだ
この程度の攻撃、当たる訳がない
次に怪鳥はグリ目掛けて尻尾を叩きつける
…が
グリ
「…なんだ、やっぱりどうという事ないじゃん」
…グリに当てることが出来ない
次に怪鳥はその巨大な翼でアリアとブラックを狙うが…
アリア
「危ない!」
ブラック
「…見えた」
寸前の所で躱されてしまう
次に行動したのはグリ、フェンサー特有の素早い動きで、怪鳥の胴体を斬る
グリ
「喰らえ!」
怪鳥
「ギャーーッ!」
グリの攻撃は狙い通り怪鳥の胴体を斬り裂き、多少のダメージを与える
次に動くのはアリア
アリア
「私は攻撃は苦手だからな…」
渋々怪鳥の胴体を狙って武器を振りながら、ブラックを庇う姿勢に入る
ちなみに、アリアの攻撃は当たらなかった
次はブラック、己の全力を込めた巨大な剣を、怪鳥目掛けて振るう
ブラック
「…破っ!」
怪鳥
「ギャーーーーーーーッ!」
攻撃は怪鳥の胴体を無残に抉り、まともに動けない身体にする
怪鳥の反撃はブラックに向かう
アリア
「私が庇う!」
…ブラックに向けられた攻撃を全て庇うアリア
しかし、アリアには全くと言っていいほどダメージが通っていない
…火力のブラック、守りのアリア、避けのグリと言ったところか
一方、片翼から狙われたグリは、その攻撃を難なく避けた
グリ
「次は頭だ!」
アリア
「ついでに私も!」
怪鳥
「ギャーーーーッ!」
グリとアリアの攻撃はどちらも怪鳥の頭を斬り、これまた多少のダメージを与える
ちなみに、その後アリアは速やかにブラックを庇う姿勢に入る
ブラック
「……………
…【マッスルベアー】、【ジャイアントアーム】」
ブラックがこの言葉を発した後、特殊な呼吸を始める
これは…波紋呼吸法ッ!
……………
…嘘ですすみません練体士です
エンハンサーとは
マナによって肉体を変容させ、戦いを有利に運ぶための技能だ
その中で【マッスルベアー】は筋肉を活性化させて熊のような怪力を得る技、【ジャイアントアーム】は同じように巨人のような屈強な腕を得る技
どちらも筋力増強技だ
その丸太のように膨張した豪腕で、大剣が全力で振るわれる
ブラック
「…斬ッ!」
怪鳥
「ギャーーーーーーー…」
その馬鹿みたいな火力により、怪鳥は息絶えた
怪鳥の戦利品を漁る3人
黒い皮膜(500G)を集めた後、おもむろにブラックが怪鳥をロープで結び出す
グリ
「あの、ブラック…さん?
何をやっているんでしょうか?」
ブラック
「何って…持って帰るんだが?」
グリ
「…怪鳥の死体を持って帰る依頼なのか?」
ブラック
「いや…食料にする」
グリ
「あの…これ食えるんですか?」
ブラック
「…竜肉っぽいが問題ないだろう
最悪弟に毒味させる」
アリア
「やっぱり冒険者なのだからこれくらいは食えるだろうな」
グリ
「転職してぇ…」
ブラック
「…まあ店に出す予定だがな」
グリ&アリア
「…え?」
ブラック
「…俺の家は宿屋だ」
グリ
「いや…そうじゃないだろ」
アリア
「まあ、客も冒険者なのだろう」
ブラック
「…客はいない」
アリア
「…それは、私たちが泊まってもいいのか?」
グリ
「ワクワクしねぇのは何故だろう…」
ブラック
「…まあこれも何かの縁だ、特別に一部屋タダで使わせてやるか」
アリア
「おお、なんと太っ腹な…良いのか?」
ブラック
「…その代わり、アルバイトとして働いてもらうぞ?」
アリア
「もちろんだ
よかったなグリこれでずっと屋根の下で眠れるぞ」
グリ
「…ああもう!わかったよ!
腹を決めるよ…」
ブラック
「…俺もそろそろ帰らないとな…」
…もう察した読者は多いだろうが、ブラックはあいつの兄だ
こうして、〈黒猫亭〉に向かう冒険者の一団がひとつ、生まれることになった
隻眼の青年
「…前回、写っちゃいけないものが後書きに紛れ込んだ訳だが…」
老人
「…ああ」
王冠帽の青年
「…何だったんだ?」
子供
「こんかいはなにをせつめいするの?」
隻眼の青年
「ん〜と…
…新キャラは合流してからで良いか?」
老人
「良いんじゃないか?」
王冠帽の青年
「なら、前回途中で途切れた、残虐非道の破壊軍の名前の由来を聞きたいんだが…」
隻眼の青年
「んじゃまた説明するか〜
なんかグループ内でパーティ名決める事になって、色々と案が出てる中、作者が風呂の中で思いついた名前だ」
老人
「確かその後で出た案を4つに絞って再投票したら、圧倒的人気で勝ち取ったんだっけ?」
王冠帽の青年
「……………
…そんなメタい由来を知りたい訳じゃなかった…」




