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人族vs蛮族

 〈守りの剣〉に守られているはずの場所に、蛮族の支配階級であるドレイクが侵入してきた

 慌てふためく冒険者99人を他所に、侵略者11体は攻撃範囲内まで近付いてくる…


マーク

「ふむ…

 …近くで見てみると、やはり人間とエルフとドワーフが多いですね

 ロシレッタ…三種族が手を取り合う商業国と言われているのも伊達ではないようですね」


ジン

「何様のつもりだよ」


マーク

「おや?

 生意気なゴミがしゃしゃり出ているようですね」


ジン

「ゴミはお前らだろ?

 こっちはお前らの9倍はいるんだぞ?」


ダンテ

「…あまり挑発しない方がよくないか?」


マーク

「なるほど…確かに(わたくし)たちの軍勢は、貴方たちよりも少ないですね

 ところで、『少数精鋭』という言葉を知っていますか?」


サクラ

「ブラフですね

 本当の精鋭なら、子爵や伯爵などが来るはずです

 しかし、ここにいるのは爵位最低クラスと爵位無しの集まりですので、精鋭と呼べるほどの強さではないかと」


マーク

「…(わたくし)たちを舐めているのですか?」


ルシア

「最初に舐めてきたのはどっちよ

 そんな事も分からないの?」


マーク

「…分かりました…

 …殺れ」


 マークの一言により、ドレイクたちが冒険者に襲いかかってきた

 しかしこちらは9倍、数の暴力で互角にやりあう

 え?数の暴力は悪役っぽいって?

 …そんなこと言ったって、しょうがないじゃないか

 ダイスが荒ぶって冒険者の方が多くなっちゃったんだから、仕方ないでしょ?


マーク

「ふむ…

 意外とやるようですね」


ニャック

「冒険者を舐めてもらっちゃ困るね」


サクラ

「冒険者になったのは最近ですけどね」


ダンテ

「俺たちも参戦した方がよくないか?」


ジン

「まあこの慢心男爵がまだ戦ってないし、俺たちも9人が休まないとフェアじゃないだろ?」


ユリーシャ

「そもそも、9倍の戦力差の時点でフェアでは無いと思いますが…」


マーク

「ではモブの戦いが終わるまでの間、雑談でもしますか?」


ロクダット

「御意…?」


 …冒険者とドレイクが軽く戦争を起こしてる中、世界一意味不明な雑談が始まったのであった…

 ちなみにこの雑談は、モブたちの戦いを描写している間メインキャラを動かさない為の後付け理由なので悪しからず…



 モブ冒険者たちの役割分担がしっかり成された即興のチームプレイに、モブドレイクは操霊魔法で応戦する


モブドレイク

「…ザス()第四階位の攻(フォルス・ル・バン)

 毒雲(クラーズン)()変化(フォーシェイフ)猛毒(ルドラウト)

 【ポイズン・クラウド】!」


モブ冒険者A

「マズい、毒d…ゲホッゲホッ!」


モブ冒険者B

「あいつ毒にやられたぞ!」


モブ冒険者C

「すぐに解毒する…【キュア・ポイズン】!」


モブ冒険者A

「ゲホッ…

 …助かった、ありがとう」


モブ冒険者C

「困った時はお互い様だろ?」


モブ冒険者D

「ヒャッハー!

 殴るぜ!超殴るぜ!」


モブドレイク

「…ヴァシェル!」


 モブ冒険者Dの攻撃は、容易に避けられてしまう


モブ冒険者D

「避けられただと!?」


モブ冒険者E

「貴方は突っ込みがちなのが問題みたいですね

 例えば相手の間合いを読みながら…こう!」


モブドレイク

「…ガハッ」


モブ冒険者C

「なるほど、《牽制攻撃》か」


モブ冒険者A

「追撃は俺が」


モブ冒険者B

「ちょっと待て

 …ザス()第三階位の付(ザルド・フ・ルド)

 火炎(フォレム)()増強(バルスト)炎撃(ハイエンウェルフ)

 【ファイア・ウェポン】!」


 モブ冒険者Aの持っている武器に、魔法の炎が付与される


モブ冒険者A

「お前、魔法戦士だったのか」


モブ冒険者B

「しかも《マルチアクション》持ちだぜ

 という訳で…喰らえ!」


モブドレイク

「…ゴフッ」


 《マルチアクション》

 それは、名前の通り剣と魔法という複数の攻撃手段を同時に行う戦闘特技だ

 その性質上、魔法戦士の必須特技である


モブ冒険者A

「今度こそ追撃は俺が」


モブ冒険者F

「そういえば、貴方の武器強そうですよね

 ここで更に強化して…【セイクリッド・ウェポン】!」


モブ冒険者A

「おっおう、ありがとう…

 今度こそ俺の攻撃だ!」


モブ冒険者G

「なんだ?あいつの武器を強化するのが流行ってるのか?

 なら俺も便乗便乗♪

 属性は炎を重ねて…【エフェクトウェポン】!

 オプション付きだから結構火力上がるぞ」


モブ冒険者A

「そっそうなのか…」


モブ冒険者H

「なら私も援護に回りましょうかね

 ダウ()第一階位の付双衰ヴァスト・ルド・バオ・ドム

 威力(レーティル)()強靭(スクルル)(・ン・)弱体(ドゥル)()鈍化(ラクマナ)双変刃(メソスオロス)

 【バランス・ウェポン】!

 …これで敵の攻撃は弱体化、貴方の攻撃は強化されました」


モブ冒険者A

「深智魔法!?

 それなら普通に攻撃した方が強いと思うんだが…」


モブ冒険者I

「ここは流れに乗るのが冒険者の(さが)だよな

 …つう訳で【ヴォーパルウェポン】!

 Sランクカード使ったんだから、絶対当てろよ?」


モブ冒険者A

「あっはい…

 …ヤベェ手汗が…」


 モブ冒険者Aは言えなかった…

 実は圧倒的に手先が不器用で、武器の攻撃が当たった試しがない事を…


モブ冒険者A

「こうなりゃヤケだ!

 頼む!当たってくれ!」


モブドレイク

「……………

 …分かった(ボソッ)」


モブ冒険者A

「…え?」


モブドレイク

「…ギェアアアア!」


 モブ冒険者Aの攻撃は、モブドレイクに当たった

 …いや、正確に言い換えよう

 モブ冒険者Aの明後日の方向に飛ぶ攻撃を、モブドレイクがわざわざ受けに行ったのである

 しかし、これは当事者同士しか分からないほどの些細な動き

 当然他の冒険者に気付かれる筈はなく…


モブ冒険者B

「流石だな!」


モブ冒険者F

「やはり強い武器は強い冒険者が持つに限りますね」


モブ冒険者G

「ハイタッチしようぜ♪」


モブ冒険者H

「やはり私の目に狂いはなかったですね」


モブ冒険者I

「これが終わったら飲みに行こうぜ」


モブ冒険者A

「…ありがとう

 …わざわざ当たってくれて(ボソッ)」


モブドレイク

「…気にするな(ボソッ)

 …さっき毒を喰らわせたお詫びだ(ボソッ)」


 …ここに、奇妙な友情が生まれた

王冠帽の青年

「…1つ言っていいか?」


隻眼の青年

「まあ何言うか分かってるけどなんだ?」


王冠帽の青年

「…あのドレイクいい人過ぎだろ!」


老人

「それは思った」


子供

「あんなばんぞくがふえてくれればいいよね」


老人

「まあ、そんな蛮族も少なからずは存在する事が分かったな」


王冠帽の青年

「そういえば、今回ってどんな話だっけ?」


隻眼の青年

「ドレイクがいい人って話だろ?」


老人

「大体間違ってるが大体合ってるな…」


子供

「ドレイクはいいひと、これがこんかいのまとめだね!」

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