換金
遺跡からの帰り道は全カットで
ロシレッタに戻ってきた彼ら、疲れを露わにしながら、会話を始める
ダンテ
「疲れた…」
サクラ
「まさか帰りにウルフの群れに出くわすとは思いませんでしたよ」
ユリーシャ
「しかも、あんなに沢山いるのは反則ですよね…」
ジン
「その後ニャックがウルフに持ってかれるし」
ニャック
「…じゃあ、ここにいる俺は一体なんなのかな?」
ダンテ
「というか、帰りは何もなかっただろ」
今回の初っ端の一行、これはリプレイにするのに無駄な尺を取らないためではない
実際にこうしていたのだ
…それなのに、勝手にあることないこと(ないことしか言ってないが)言うのはやめていただきたい…
ダンテ
「まあ、疲れたことには変わりないよな」
ジン
「まずは家に帰って…」
ニャック
「おいジンさん?
戦利品を持って、一体どこへ行くんだい?」
ジン
「ん?なんか言ったか?」
ニャック
「今回ばかりはいつものお約束は通用しないぞ?
何しろこのパートは、シナリオ本編では全く出なかった部分だ
中の人の力関係は無意味だ」
ジン
「…チッ」
ニャック
「おい今舌打ちしたか?」
ユリーシャ
「ではここで軌道修正を
まずは戦利品を換金しに行きましょう」
サクラ
「果たしていくらになるんでしょうかね?」
ジン
「分け前の配分も考えなきゃだな」
ニャック
「働きと比例して分け前を渡すのは計算が面倒だし、山分けになるだろうがな」
ダンテ
「…さっさと行こうぜ」
まずは妖魔が落とした武器等を売りに行く
武器防具と言ったら、鍛治職人に売るのがいいだろう
店側はそのまま売るも良し、一旦溶かして素材にするも良し
ダンテ
「鍛冶屋はどこにあるんだ?」
ユリーシャ
「あいにくですが、私はロシレッタについては詳しくないので分かりませんね」
ジン
「俺も最近来たばかりだからな」
サクラ
「その辺の設定は作ってません」
ニャック
「…フッフッフッ
ロシレッタで生まれ、ロシレッタで育った、この俺の出番だな!」
サクラ
「そう言うのはいいんで、早くしてください」
ニャック
「(´・ω・`)」
ニャックの先導の元、一同はロシレッタの北部に向かう
ここは、職人街
ロシレッタの二次産業を束ねる職人ギルドと、その周りに集まる工房からなる職人の楽園だ
まあ詳しくは、ザルツ博物誌で
ニャック
「鍛冶屋だったら、兄ちゃんが通ってるとこがあるんだよな〜」
ジン
「お前、兄弟いるのか?」
ニャック
「兄と妹がね」
サクラ
「…ナイトメアを出産すると、角が母胎を傷つけて、殆どの場合子供が産めなくなる身体になるはずですが…」
ユリーシャ
「妹さんがいるんですか?」
ニャック
「ああ、バカなエルフがな…」
ダンテ
「で?
話を戻すが、鍛冶屋はどこなんだ?」
ニャック
「確かこの辺に…あったあった」
職人街の中心部、職人ギルドの周りにある工房は、どこもかしこも大きなものが多い
当然だ、二次産業のまとめ役付近だ、職人の中でも選ばれた者たちが集まるのは理にかなっている
しかし、その中でただ一つだけ小さな工房が建てられている
ニャックが指差す鍛冶屋は、そこのようだ
ジン
「…小さいな」
ニャック
「工房の大きさと職人の腕前は比例するとは限らないって事
…お〜い!ガルドさ〜ん!」
ガルド
「…その声は…黒いのの弟か?
よく来たな、後ろの奴らはパーティメンバーか?」
工房の奥から出てきたのは、ハンマーを持ったドワーフの中年男性
彼はガルド、ロシレッタの鍛治職人で、一応言っておくが我が卓オリジナルのNPCだ
ただ1人で工房を切り盛りしているが、大国から直々に依頼が来るほどの腕の持ち主だ
まあ、小さくて飾り気のない地味な工房だからか、知る人ぞ知る程度の認知度しかないのだが…
ダンテ
「よ…よろしくお願いします」
ニャック
「んで要件なんだけど
このパーティでクエスト行って、何本か武器を手に入れたんだ
買い取ってくれない?」
ガルド
「どれ、見せてみろ」
戦利品として持ち帰った棍棒と短剣を、ガルドに手渡す
ガルドは受け取った武器を様々な角度から観察しながら、会話を続ける
ガルド
「流石に棍棒3本は加工ができないからこのまま出すが、この短剣は見事な出来だ
元の武器が最高品質だったんだろうな、刃こぼれが多いが、鍛え直せば名刀になるだろう
で?いくらだ?」
ニャック
「合計460Gでどうだ?」
ガルド
「まあ、この武器ならその価格が妥当だな」
ニャック
「そんじゃ、その値段で交渉成立っと〜♪」
ガルド
「待て
まだ金属製品を持ってるだろ?」
ニャック
「…あっ!ダンテ、銀の指輪!」
ダンテ
「…ああ、あれか」
銀の指輪を150Gで買い取ってもらい、ガルドとの換金は終わった
次は石像からくり抜いた目玉の換金に移る
宝石となると、高級用品店に売るのがいいだろう
しかし、それは純度の高い宝石に限られる
ここにあるのは純度の低いサファイア、そんな物が高価な物を売る店で買い取ってもらえる訳がない
ニャック
「さてと…
どこで売ろうか?」
ジン
「装飾品に使ったりはしないのか?」
サクラ
「確かに、サファイアは水や知性を司る石ですが、流石に純度が低いのは使ってもらえないと思いますよ」
ユリーシャ
「他にサファイアを使う場所…」
ダンテ
「…石像にはまってたんだから、石像を作る人に売ればよくないか?」
ニャック
「それだ!
確か旅の彫刻家がロシレッタに来ているらしい、そこに売り込みに行くぞ!」
ダンテ
「いやちょっと待ってくれ!」
何故か急ぎ足で、一同はロシレッタの西部に向かう
ここは、キーニング水上市街区
海の上に街を作った感じの、初見は必ず度肝を抜かれる市街区だ
まあ詳しくは、ザルツ博物誌で
ダンテ
「な…なんだ…ここは…」
ジン
「島が…揺れてる?」
ユリーシャ
「一体どんな構造なんでしょうか…」
サクラ
「興味深いです」
ニャック
「ここら辺の宿に宿泊しているらしいんだよ」
辺りにいるのは、水のような服を着たエルフの主婦、道端で宴会をしているドワーフの船乗り達、市街区の景色を眺めている人間の観光客
…いや、景色というよりは、市街区の石像を眺めている?
ダンテ
「なんか…予定調和を絵に描いたような人がいるが…」
ジン
「絶対あいつだろうな」
ユリーシャ
「ものすごく御都合主義な展開ですね」
サクラ
「尺的に、ここから更に延ばすのは得策じゃないからですかね」
ニャック
「お〜い、そこの旅の人〜!」
観光客
「あれあれー?
もしかして、俺のファンの人かにゃー?」
ダンテ
「…面倒臭そうな奴だな」
ジン
「殴りたい、あの笑顔」
チャラい格好の観光客が、にやけながら近付いてくる
ニャック
「あんた旅の彫刻家だよな?」
観光客
「いかにもだにゃー
俺はマルク、見ての通り彫刻家だぜい」
ダンテ
「見ての通りって…」
彼はマルク、ザルツ地方で最近名の知れるようになってきた若い彫刻家だ
またまた言うが、我が卓オリジナルのNPCだ
腕は確かだが…とにかくチャラい、あとシナリオ的に影が薄い
本編にも番外編にもほとんど出てこない、GM以外に忘れられてるんじゃないかと思われるほどのキャラだが、意外とキャラの設定は細かく考えてたりする
チャラさに関しては、もう本当にチャラい、王族や貴族に嫌われる程度にはチャラい
ちなみに今の見た目は派手な柄の開襟シャツにサングラス…察した人はわかったと思うが、金髪である
とある工魔的な小説に出てきそうなキャラだが、違うから!パクリじゃないから!パロディだから!
おいそこ!通報しようとするな!
ニャック
「早速だが、買ってもらいたいものがあるんだ」
マルク
「何を買わせたいのかにゃー?」
ダンテ
「えっと…
このサファイアなんだが…」
サファイアを受け取ったマルクは、表面を観察したり手の中で転がしながら値踏みを始める
マルク
「ふむふむ…
純度は低いけど輝きは一級品…表面は傷一つなく、完璧な球体…大きさは人の目玉として丁度いい…
とりあえず買おうかにゃー
で?おいくら万円?」
ニャック
「1つ100Gで計200Gでどうだ?」
ダンテ
「いや、80Gじゃなk…」
マルク
「それは高すぎにゃー
純度から考えて、50Gずつで計100Gが妥当じゃないかにゃー?」
ニャック
「セットで買ったら10%OFFでどうだ?」
マルク
「それでも高いにゃー
せめて60Gで計120Gにしようぜい?」
ニャック
「15%OFF!」
マルク
「70G!」
ニャック
「20%OFF!
これ以上は下げないぞ!」
マルク
「じゃあそれでいいにゃー」
ニャック
「交渉成立っと〜♪」
ダンテ
「値切り交渉してるところ悪いが、元々80Gで売ろうとしてなかったか?」
ニャック
「先に高めに言っておけば、そこから値切りされても目標金額で買わせられるだろ?」
マルク
「とりあえずこのサファイアをどんな彫刻に使うか、考えなきゃにゃー」
サクラ
「次は本を売りましょうよ」
ユリーシャ
「本でしたら、やはり図書館でしょうか?」
ニャック
「図書館だったら…東南部か?」
一同はロシレッタの東南部に向かう
…南東じゃなくて東南なんだよな〜なんでだろ?
ここは…何処かは教えな〜い!
知りたかったら、ザルツ博物誌で調べてみるのだ!
ダンテ
「上空が凄いことになってるな」
ジン
「周りがうるさい」
サクラ
「こんな所に図書館なんてあるんですか?」
ユリーシャ
「一応研究の為に近くに建てる可能性はありますけどね」
ニャック
「確かこの辺りに…確かこれ」
そこには、無骨で巨大な建造物が聳えていた
入り口のような扉の上には、“国立国内最強巨大図書館”と書かれた看板がデカデカと吊るされている
サクラ
「頭が痛くなりそうな名前ですね」
ダンテ
「…嫌な予感しかしない…」
ユリーシャ
「ネーミングセンスを疑いますね…」
ニャック
「そんじゃ、とりあえず中に入ろうかな」
…中は外と同じく無骨だ
幾重にも金属板を重ねられた壁や床、何故か金属製の本棚とそこにかかるスライド式の金属梯子
図書館というよりも、工場といった方が納得がいく
ニャック
「司書さ〜ん
この本買い取って〜」
エルフの司書
「一体どのような本を売り込みに来たんですか?」
サクラ
「魔法生物に関する研究が書かれた本です
あと小説系が数冊…でしょうか?」
司書がサクラから本を受け取り、パラパラと一読した後に会話を続ける
エルフの司書
「一冊100Gでどうでしょう?」
ニャック
「あんたの目は節穴か…
『魔法生物大全』がそんな安価な訳ないだろ
そこの魔法生物の生態について書いてある本だって、300Gの価値はあるぞ?」
エルフの司書
「一冊100Gです」
ニャック
「交渉決裂、別の買取主を探そう」
諦めムードの一同に近付いてくるウサギの影が1つ
タビットの若者
「その本、見せてくれない?」
ダンテ
「うわっ!?
…後ろから近付いてくるのはやめてほしいな…」
ニャック
「ちょっとだけだぞ?」
ニャックから受け取った本を速読し、目を輝かせながら口を開く
タビットの若者
「君たち何処でこれを!?」
ジン
「近くにあった遺跡だが?」
ユリーシャ
「バルトゥーの屋敷ですね」
タビットの若者
「つまりこの本は本物の『魔法生物大全』ということだね
他のは研究レポートだし、小説は100Gだけど他のはもっと価値があるね!」
サクラ
「よくわかりましたね
あなた名前はなんというんですか?」
タビットの若者
「僕はうさ太、日々気ままに研究をしている発明家さ
それにしてもこの本の情報が確かなら、僕の発明が更に進化することになるよ」
彼はうさ太、タビットの発明家にして初期の常連客だったNPCだ
あと我が卓オリジナルのNPCでもある
思いついたらすぐ行動、発明品の制作時間は1分足らず、凄い時には1個3秒で発明品を作るほどの早業の持ち主
即興で素材採集系のシナリオを作る時、結構お世話になったな〜
サクラ
「どんな発明品を作っているんですか?」
うさ太
「ジャンルは問わず、とりあえずなんでも作ってるよ
最近だと…マナコートの強化版を作ったりしたかな〜」
ダンテ
「賑やかだな」
ニャック
「図書館では静かにってのを忘れてそうだよな」
うさ太
「とりあえずこの本たちは僕が買い取るよ!
他にも何かないのかな?」
ダンテ
「ああ…えっと…
実験器具と魔力が込められた物品の数々…後はバルトゥーが愛用していた煙管と羽ペンがあるが…」
うさ太
「それも買い取るよ!」
魔法生物大全、魔法生物の生態について書かれてるやつ、研究ノート、小説、魔力を帯びた木材と石、実験器具、煙管5セット、イグニッションパイプ、バルトゥー専用軽い羽ペン…
計4750Gを、うさ太は嬉々として買い取った
鼻歌吹きながら図書館を出るうさ太…
ダンテ
「大人買いだ…」
ニャック
「俺より年下っぽいのに…」
サクラ
「また話したいですね」
とりあえず、大体のものは売れたので、次こそはこのシナリオを〆ようと思う
老人
「…何故こんな無駄回を書いたし…」
隻眼の青年
「まあこれでようやく新キャラが出てきたから、それが狙いだろうな」
王冠帽の青年
「ガルドさんって、聞き覚えがあるんだが…」
子供
「こんかいはなにをするの?」
老人
「とりあえず新キャラの説明をしようかな」
隻眼の青年
「んじゃガルドの説明でいいか〜
鍛治職人で我が卓オリジナルの加工を施してくれる重要なNPC、以上」
王冠帽の青年
「…え?それだけ?」
老人
「それだけだな
後はオリジナルの加工の説明くらいだし…」
子供
「どんなかこうをしてくれるの?」
隻眼の青年
「ん〜と…
持ち手にガードつけて防護点上げたり…投げたら戻ってくるようにしたり…ソードを鍛え直して日本刀の構造にしたり…」
老人
「普通のドワーフなのにイグニダイトを加工できたりとか、只者じゃない感はある」
王冠帽の青年
「そして、聞き覚えがある名前なんだが…」
隻眼の青年
「まあ、こっちのガルドの元ネタでもあるな」
王冠帽の青年
「やっぱり…」




