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ハイカラにギャルが転生!〜令和ギャルの大正暮らし〜  作者: がお


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45/52

【45話】ミア、初めてのお月見!?

そういえば、月見している家庭最近見ないですね。

学校が終わり、ミアが家に帰ってきた。

「ただいまー!」

玄関で声をかけるが、返事がない。

「あれ? おばあちゃん?」

ミアは家の中を見回した。

いつもならすぐに返事が返ってくるのに、今日は姿が見当たらない。

「どこ行ったんだろ?」

そう思いながら、ミアは台所へ向かった。

すると、台所ではおばあさんが何やら作っていた。

「おばあちゃん、何作ってるの?」

ミアが覗き込むと、おばあさんは手を止めて振り返った。

「お団子を作ってるんだよ」

「お団子?」

ミアは台所のテーブルに並べられた材料を見る。

「そう。今日は十五夜だからね。月見団子を作るんだよ」

「月見?」

ミアは、きょとんとした顔をする。

(月見って……マックじゃないの?)

おばあさんは、そんなミアの顔を見て笑った。

「ふふ、今日は十五夜だからね、お月さんを見るんだよ」

「お月さまを見ながら、お団子食べるんだね」

ミアが納得したように言うと、おばあさんはくすっと笑った。

「まあ、そんなもんだね」

「へぇー、なんか楽しそうじゃん!」

ミアは出来上がっていく団子を眺めながら、嬉しそうに笑った。

二人で団子を丸め終えると、おばあさんは白い団子をお盆にきれいに並べた。

「じゃあ、これを縁側に置こうかね」

おばあさんが団子の乗ったお盆を縁側へ運ぶ。

そこには、すでにススキが飾られていた。

「あっ、ススキもあるんだ!」

ミアが目を輝かせる。

「月見にはススキを飾るんだよ」

おばあさんはそう言って、月の見える縁側にお盆を置いた。

「ミアは、十五夜を知らないのかい?」

「うーん……あんまり」

ミアは少し考えてから答えた。

「名前は聞いたことある気がするけど、こうやってお団子作ったりするのは初めて」

「そうかい」

おばあさんは、少し意外そうな顔をしながら笑った。

「じゃあ、今日は十五夜のことを教えてあげようかね。」

おばあさんは、縁側に腰を下ろすと、ミアにも隣に座るよう促した。


「十五夜はね、秋のきれいな月を眺めながら、秋の実りに感謝する日なんだよ」

「へぇ~、月を見るだけじゃないんだ」

「そうさ。昔から、お団子やススキをお供えして、今年も無事に作物が実ったことを喜んだんだよ」

「なるほどねー」

ミアは、目の前のお団子とススキを見つめる。

「じゃあ、このお団子にもちゃんと意味があるんだ」

「そういうことだね」

おばあさんは笑いながら、空を見上げた。

「昔の人は、こうして月を眺めながら季節を感じていたんだよ」

ミアもつられて夜空を見上げる。

「そっか……」

いつも見ている月なのに、今日は少し違って見えた。

おばあちゃんが作った月見団子を、縁側で月を眺めながら食べるミア。

「いただきまーす!」

ぱくっ。

「……ん?」

ミアは団子をもぐもぐしながら首をかしげる。

「おばあちゃん……これ、味しなくない?」

「月見団子だからね。こういうものだよ」

「えー……」

ミアは少し考えると、突然立ち上がった。

「ちょっと待ってて!」

「美亜、どこへ行くんだい?」

「団子に合うやつ作ってくる!」

そう言うと、ミアは台所へ駆けていった。

――そして、醤油と砂糖を取り出す。

「えーっと……こんな感じかな?」

砂糖を溶かし、醤油を加えて、少し火にかける。

しばらくすると、甘じょっぱい香りが台所に広がった。

「できた!」

ミアはできあがったタレを小皿に入れ、月見団子を持って縁側へ戻る。

そして、月見団子を一つ取った。

「おばあちゃん、ちょっと食べてみて!」

ミアは団子にたっぷりとタレをつけ、おばあさんに差し出した。

「ほら、あーん」

「はいはい」

おばあさんは笑いながら団子を口にする。

「……あら」

「どう?」

「美味しいねぇ。まるでお店で買ってくるみたらし団子と同じ味だね」

「でしょ!」

ミアは嬉しそうに笑うと、自分の団子にもタレをつける。

「じゃあ、あたしも!」

ぱくっ。

「うん! やっぱ団子にはタレっしょ!」

おばあさんはそんなミアを見て、ふっと笑った。

「ミアは、こういう行事をあまり知らないんだねぇ」

「うん……」

ミアは団子を見つめる。

「あたし、お母さんと二人だったからさ。お母さんも仕事で忙しかったし……こういう季節の行事って、あんまりやったことないんだよね」

「そうだったのかい」

「だから、十五夜って言われても、月見バーガーくらいしか思いつかなかったし」

「ふふふ。美亜らしいねぇ」

おばあさんは笑いながら、もう一つ団子を手に取った。

「では、これからは色んな行事を教えてあげようかね」

「ほんと?」

「ああ。せっかくこうして一緒に暮らしているんだからね」

「うん!」

ミアは嬉しそうに笑った。

二人は並んで縁側に座り、静かに夜空を見上げる。

ススキが風に揺れ、その向こうには、まん丸の月が輝いていた。

「……きれいだね、おばあちゃん」

「そうだねぇ」

二人は月を眺めながら、残った月見団子をゆっくりと味わった。

――ミアにとって、初めての十五夜だった。

今回は十五夜のお話でした。

十五夜は、秋の月を眺めながら、収穫への感謝や豊作を願う行事です。

月見団子は満月に見立てたもの。ススキも稲穂に見立てて飾られます。

ちなみに、月見団子の食べ方には地域差や家庭ごとの違いがあります。

ミアは「団子だけじゃ味がしない!」と、みたらしのタレを作ってしまいました(笑)。

大正時代のミアにとっては、初めての十五夜。

これから、おばあちゃんからいろんな季節の行事を教えてもらうことになりそうです。

――次は何の行事かな?

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