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ハイカラにギャルが転生!〜令和ギャルの大正暮らし〜  作者: がお


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38/52

【38話】ミア、宝塚の魅力を知る!?

演目は調べたのですが。内容は資料が中々見つかりませんでした。

第一演目が始まる。

『正ちゃんの冒険』だ。

幕が上がると、舞台の上には見慣れない衣装を着た少女たちが現れた。

「おお~……!」

ミアは思わず身を乗り出す。

「これが宝塚……?」

舞台では、正ちゃんを中心に物語がテンポよく進んでいく。

コミカルな場面になると、客席からも笑い声が起こった。

「なんか、思ってたより楽しいじゃん!」

隣では伊集院が嬉しそうに舞台を見つめている。

「でしょう? 宝塚は素敵なんですよ」

「伊集院さん、めっちゃ嬉しそう(笑)」

第一演目が終わる。

ミアは、ふぅっと息を吐いた。

「なんか……意外と分かりやすくて、楽しかった!」

「私も、思っていたより楽しめたわ」

琴音も舞台を見ながら頷く。

その隣で、伊集院は嬉しそうに微笑んでいた。

「そう言ってもらえると、私も嬉しいですわ」

「あたし、もっと難しい劇なのかと思ってた!」

ミアはそう言って、次の演目を楽しみにするように舞台を見つめた。

「次はどんな劇なんだろ~?」

次の演目が始まる。

『ねね姫様』だ。

幕が上がると、先ほどとは雰囲気の違う舞台が広がった。

「わぁ……!」

ミアの目に飛び込んできたのは、華やかな衣装だった。

色鮮やかな着物に身を包んだ少女たちが舞台を行き交う。

「めっちゃ綺麗……」

さっきまで物語を追っていたミアだったが、今度は衣装や舞台の雰囲気に目を奪われていた。

「大正時代にも、こんな舞台があったんだ……」

琴音も舞台を見つめながら、静かに頷く。

「本当に華やかね」

隣では、伊集院が黙って舞台を楽しんでいる。

ミアはしばらく舞台を見つめていた。

「……なんか、いいかも」

三つ目の演目が始まる。

『采女礼讃』。

「これ、なんて読むんだろ?」

ミアは手元の番組を覗き込んだ。

「うねめらいさん、と読むそうですわ」

伊集院が答える。

「うねめらいさん……?」

ミアは聞き慣れない言葉を口にしてみる。

「采女というのは、昔の宮中に仕えた女性のことですわ」

「へぇ~。そんな昔の話なんだ」

ミアは少し驚いたように舞台を見る。

やがて幕が上がる。

すると、先ほどまでとは舞台の雰囲気が一変した。

色鮮やかな衣装をまとった少女たちが舞台に現れ、音楽に合わせて優雅に舞っている。

「わぁ……」

ミアは思わず声を漏らした。

華やかな衣装。

優雅な動き。

そして、舞台全体から漂う、どこか艶やかな雰囲気。

「なんか……綺麗」

ミアは、すっかり舞台に見入っていた。

琴音も静かに舞台を見つめている。

「さっきまでとは、また違う感じね」

「うん!」

ミアは頷いた。

「なんか、艶やかっていうの? こういうの」

伊集院は舞台を見つめながら、微笑んでいた。

ミアは再び舞台へ視線を戻す。

「宝塚って、いろんな劇をやるんだね……」

三つ目の演目が終わる。

「次は……『毒の花園』?」

ミアが番組を見る。

「なんか、タイトル怖くない?」

琴音も首を傾げる。

やがて幕が上がる。

すると、今までとは明らかに違う舞台が始まった。

音楽に合わせ、少女たちが軽やかに舞台を動いていく。

「えっ……踊ってる!」

ミアは驚いた。

しかも、その動きは今まで見てきた日本舞踊とは違う。

「なにこれ……バレエ?」

ミアは舞台から目が離せなくなった。

四つ目の演目が終わる。

「ふぅ……次で最後なんだ」

ミアが香盤表を見る。

「えっと……最後は『酒茶問答』?」

「酒とお茶……?」

ミアは首を傾げた。

「なんか、タイトルだけじゃ全然分かんないね」

「どんな劇なんだろう?」

やがて、最後の幕が上がった。

舞台には、酒を好む者と茶を好む者が現れる。

どうやら、お互いに自分の方が素晴らしいと言い合っているらしい。

「あははっ!」

ミアが思わず笑った。

「これ、酒とお茶でケンカしてるの!?」

琴音も思わず笑う。

舞台では、酒と茶、それぞれの良さを語りながら、軽快なやり取りが続いていく。

そして茶匠が舞台中央に現れると、優雅な踊りが始まった。

「わぁ……」

ミアは再び舞台に見入った。

「最後まで、いろんなのが出てくるんだね……」

最後の演目が終わる。

すると、それまで舞台にいた少女たちが再び舞台へ集まってきた。

音楽が鳴り始める。

「あれ……?」

ミアが顔を上げる。

少女たちは一斉に踊り始めた。

色とりどりの衣装が舞台いっぱいに広がっていく。

「わぁ……!」

ミアは思わず身を乗り出した。

最後は出演者全員が舞台に並び、華やかな踊りで締めくくられる。

やがて大きな拍手が劇場を包んだ。

ミアも夢中になって手を叩いていた。

舞台の幕がゆっくりと降りていく。

場内には、まだ大きな拍手が響いていた。

ミアは隣に座る伊集院を見る。

「……あれ?」

伊集院は、まだ舞台を見つめていた。

その表情は、うっとりとしている。

「伊集院さん、めっちゃ嬉しそう……」

「ええ……素敵でしたわ」

伊集院は小さく微笑んだ。

ミアはそんな伊集院を見て、思わず笑う。

「ほんとに宝塚が好きなんだね~」


劇場を出ると、夕方の街にはまだ明るさが残っていた。

ミアたちは、学校へ戻る道を歩いていた。

「いや~、面白かった!」

ミアが満足そうに言う。

「最初はどんな劇かと思ったけど、結構楽しめたね」

琴音も頷く。

「ええ。私も楽しかったわ」

ミアはふと、何かを思い出したように伊集院を見る。

「そういえばさ、最後の『酒茶問答』で、茶のところで最後に踊った人!」

「え?」

「あの人、凄く綺麗だったね!」

伊集院の表情が、ぱっと明るくなった。

「天津乙女さんのことですわね」

「そう、その人!」

ミアは頷く。

「踊りも凄かったし、なんか……めっちゃ綺麗だった!」

伊集院の声が、いつもより少し大きくなった。

「天津乙女さんは、宝塚でも特に素晴らしい方なんですのよ!」

「へぇ~!」

ミアが興味深そうに伊集院を見る。

「踊りもとてもお上手で、舞台に立つだけで目を引くんです。それに日本舞踊も素晴らしくて――」

伊集院は次々と言葉を重ねていく。

「あ、あの……伊集院さん?」

琴音が少し驚いたように声をかける。

「……あっ」

伊集院は我に返った。

「す、すみません……つい」

ミアは笑った。

「いやいや、めっちゃ好きなんじゃん!」

「……はい」

伊集院は少し恥ずかしそうに頷いた。

ミアと琴音は顔を見合わせ、思わず笑った。

三人は劇の余韻を楽しみながら、学校への道を歩いていった。

今回のお話では、大正時代の「宝塚少女歌劇」を取り上げてみました。

当時は現在の「宝塚歌劇」とは少し雰囲気が違い、レビュー形式が確立する前の時代です。

今回ミアたちが観劇したのは、実際に大正14年(1925年)に東京・市村座で上演された演目を参考にしています。

そして、劇中でミアが目を奪われた「茶匠」を演じたのが、**天津乙女(あまつ おとめ)**さんです。

天津乙女さんは宝塚少女歌劇の初期を代表するスターの一人で、日本舞踊にも秀でた方でした。

ミアにとっては初めての宝塚。

そして伊集院にとっては、大好きな宝塚を友達と一緒に観る特別な一日になりました。

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