【36話】ミア、ブーツを買う!?
やっと、ミアはブーツを買えます。
放課後。
ミアは帰り支度を終えると、琴音のところへ駆け寄った。
「琴音~!」
「どうしたの?」
ミアは琴音の腕を取る。
「今日、デパート付き合って!」
「デパート?」
琴音が不思議そうに首を傾げる。
「うん! 買いたいものがあるの!」
「何を買うの?」
ミアはニッと笑った。
「ブーツ!」
「ブーツ?」
琴音が目を丸くする。
「この前、銀座で見つけたんだけどさ。めっちゃ可愛かったんだよね!」
「でも、ブーツって……結構高いんじゃない?」
「だから、ちゃんと貯めてたんだよ!」
ミアは得意そうに胸を張る。
「今日は買うって決めたの!」
琴音が笑う。
二人が話していると、後ろから声が聞こえた。
「デパートへ行くのですか?」
「えっ?」
振り返ると、そこには伊集院が立っていた。
「伊集院さん!」
「お二人とも、デパートに用事がおありなのですね」
「うん! 今日はブーツを買いに行くの!」
ミアが嬉しそうに答える。
すると伊集院は少し考えるような表情を見せた。
「実は私も、デパートに用事があるのです」
「えっ、じゃあ一緒に行こうよ!」
ミアがすぐに誘う。
「よろしいのですか?」
「もちろん!」
琴音も頷いた。
「じゃあ、三人で行きましょうか」
「決まり!」
ミアは嬉しそうに笑った。
三人は学校を出ると、銀座の三越へ向かった。
ミアは楽しそうに歩いている。
琴音が隣で笑う。
「ミアちゃん、そんなに楽しみなの?」
「うん! だって、ずっと欲しかったブーツだもん!」
伊集院は二人の会話を聞きながら、微笑んでいた。
やがて、三人の前に大きな建物が見えてきた。
「着いた!」
ミアが声を上げる。
三人は店内に入ると、靴売場へ向かった。
「靴売場って、こっちだよ!」
ミアが先頭を歩く。
やがて靴が並ぶ売場に到着すると、ミアは辺りを見回した。
「えーっと……どこかな?」
棚に並ぶ靴を一つずつ眺めていく。
すると――
「あっ!」
ミアの目が輝いた。
「これ!」
ミアが指差した先に、一足のブーツが置かれていた。
「前に見たやつだ!」
ミアは嬉しそうに駆け寄る。
黒い革のロングブーツ。
細身のシルエットで、足元をすっきりと見せるデザインだ。
「やっぱり可愛い~!」
ミアはブーツを手に取ると、いろいろな角度から眺めた。
琴音も覗き込む。
「本当に気に入ってるのね」
「うん! これが欲しかったの!」
伊集院もブーツを眺める。
「確かに、素敵なデザインですね」
ミアはブーツを胸元に抱える。
「よし!買う!」
「すみませーん!」
ミアは近くにいた店員を呼んだ。
「はい、いらっしゃいませ」
店員が近づいてくる。
ミアは目当てのブーツを指差した。
「これ、履いてみたいんですけど」
「かしこまりました。サイズはいかがいたしましょう?」
「えっと……これくらいかな?」
ミアが自分の足を見ながら答える。
「それでは、こちらをお持ちしますね」
店員はブーツを手に取ると、奥から別のサイズを持ってきた。
「こちらでお試しください」
「ありがとうございます!」
ミアは椅子に腰掛ける。
店員がブーツをミアの足元に置いた。
「まず、こちらの足からどうぞ」
「はい!」
ミアは嬉しそうに足を入れる。
そして、もう片方にも足を入れた。
「どうでしょう?」
店員が尋ねる。
ミアは立ち上がり、数歩歩いてみる。
「おお……!」
ミアの顔がぱっと明るくなった。
「ぴったり!」
琴音が笑う。
「よかったわね」
「うん!」
ミアは鏡の前に立つと、自分の足元を眺めた。
「やっぱり、これ可愛い~!」
伊集院も興味深そうにブーツを見つめていた。
「とてもよく似合っていますね」
「でしょ?」
ミアは嬉しそうに笑った。
ミアは鏡の前でブーツを眺めると、すぐに店員へ顔を向けた。
「これ、買います!」
店員が少し驚いたように微笑む。
「ありがとうございます。では、お包みいたしますね」
「はい!」
ミアは嬉しそうに頷いた。
琴音が笑いながら尋ねる。
「本当に即決なのね」
「だって、ずっと欲しかったんだもん!」
ミアはブーツを見つめる。
「サイズもぴったりだし、めっちゃ可愛いし。買わない理由ないじゃん!」
「ふふっ。確かにそうね」
伊集院も微笑む。
「ミアさんらしいですね」
「でしょ?」
ミアは満面の笑みを浮かべた。
店員が会計の準備を始める。
ミアは財布を取り出した。
今日は、この日のために貯めてきたお金を使う。
「やっと買えた~!」
会計を終えると、ミアはブーツの入った袋を大切そうに抱えていた。
「へへ……買っちゃった!」
琴音が微笑む。
「そんなに大事そうに持たなくても大丈夫よ」
「だって、ずっと欲しかったんだもん!」
ミアは嬉しそうに袋を眺める。
すると、ミアが伊集院を見る。
「そういえば、伊集院さんは何を買うの?」
「私ですか?」
「うん! 何買うの?」
伊集院は少し微笑んだ。
「実は、注文していたものがあるのです」
「注文?」
ミアが首を傾げる。
「はい。オルゴールを」
「オルゴール!?」
ミアの目が輝く。
「見たい!」
「では、こちらへ」
伊集院に案内され、三人はオルゴールの並ぶ売場へ向かった。
店員に声をかけると、奥から一つの箱が運ばれてきた。
「お待たせいたしました。ご注文の品でございます」
「ありがとう」
ミアが横から覗き込む。
「これが特注品?」
「ええ」
伊集院が蓋を開ける。
そこには、繊細な装飾が施された美しいオルゴールが入っていた。
「わぁ……綺麗!」
ミアと琴音は思わず見入った。
伊集院はオルゴールを手に取り、満足そうに微笑んだ。
「これをお願いしていたのです」
伊集院は店員からオルゴールの入った箱を受け取った。
「ありがとうございます」
「こちらこそ、ありがとうございました」
伊集院は箱を大切そうに抱える。
ミアも自分のブーツが入った袋を抱え直した。
「これで二人とも買い物終わったね!」
「そうね」
琴音が微笑む。
伊集院も頷いた。
「ええ。では、帰りましょうか」
「うん!」
三人は店員に挨拶をすると、三越を後にした。
銀座の街へ出ると、ミアはブーツの入った袋を眺めながら嬉しそうに笑った。
「早く家で履いてみたいな~!」
その隣で、伊集院は特注のオルゴールを大切そうに抱えていた。
三人はそれぞれ買ったものを手に、銀座の街を歩き始めた。
家に帰ったミアは、晩ご飯を食べ、お風呂に入った。
そして自室に戻ると、待ちきれないようにブーツの入った袋を開けた。
「やっと履ける~!」
ミアはブーツを取り出すと、さっそく足を入れる。
「おお~!」
鏡の前に立ち、嬉しそうに自分の姿を眺める。
「やっぱ、可愛いじゃん!」
ミアは満足そうに笑った。
しかし、足首を曲げたところで少し違和感を覚えた。
「ん?」
ミアはブーツを触ってみる。
革はまだ新しく、思ったより硬い。
「結構、しっかりしてるなぁ……」
ミアはしばらくブーツを眺めていた。
すると、ふと閃く。
「そうだ!」
ミアはブーツの筒の部分を持つと、少しずつ折り曲げてみた。
「こうして……」
半分ほど折り返して、もう一度鏡を見る。
「おおっ!」
ミアの顔が明るくなる。
「こっちの方が可愛くない?」
ミアは鏡の前で何度か姿勢を変えながら、満足そうに笑った。
「これ、ありだわ!」
そう言って、ミアは新しいブーツをしばらく眺めていた。
満足そうに頷くと、ブーツを脱いで大切にベッドの横へ置いた。
そして、にっこり笑う。
「よし! 明日、学校にはいていこうっと!」
明日のことを考えると、なんだか楽しみになってきた。
ミアは布団に入ると、明日ブーツを履いて学校へ行く自分を想像しながら目を閉じた。
「明日、楽しみだな~」
そう呟くと、ミアは眠りについた。
今回、ミアが購入したブーツについて。
大正時代には、女学生が袴にブーツを合わせるスタイルが実際に見られました。特に明治末期から大正初期には、編み上げブーツが女学生の装いとして知られています。
当時の靴は現在のような柔らかな素材や履きやすさを重視したものとは違い、革製のしっかりした作りのものもありました。
また、大正時代には時代が進むにつれて、編み上げブーツから短靴やパンプスへと履物も変化していきました。
今回は、そんな時代のブーツをミアが現代ギャルらしくアレンジして履いてみました。
「半分折り曲げて履く」というのはミアの創作です(笑)。
こういうところに、令和ギャルが大正時代にいる面白さを出してみました。




