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ハイカラにギャルが転生!〜令和ギャルの大正暮らし〜  作者: がお


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18/22

【18話】江ノ電で行く大正の鎌倉!?

今回は地元回なので話数長くなるかもしれません。

試験の日。

教室には、いつもより少し緊張した空気が流れていた。

「それでは、始めます」

先生の声とともに、三人は一斉に答案用紙へ向かった。

国語、英語、裁縫……。

ミアは一つ一つの問題を確認しながら、勉強会で教えてもらったことを思い出していた。

(大丈夫……! ちゃんと覚えてる!)

そして数日後。

教室の前には、試験結果が張り出されていた。

「やった!」

ミアは思わず声を上げる。

「前より点数上がってる!」

琴音も嬉しそうに微笑んだ。

「勉強会のおかげですね」

伊集院も結果を見ながら穏やかに頷く。

「皆さん、よく頑張りましたわ」

三人は顔を見合わせて笑った。

「終わったー!」

「これで……夏休みだー!」

教室では、同じように喜ぶ声があちこちから聞こえてくる。

琴音も微笑んだ。

「ミアちゃん、本当に嬉しそうね」

「だって夏休みだよ!」

ミアは笑顔で答えた。


家に帰ると、

「ただいまー!」

「おかえり、ミア」

いつものように、おばあさんが迎えてくれる。

「テスト、どうだったんだい?」

「頑張ったよ! 琴音ちゃんと伊集院さんと勉強したから!」

ミアは嬉しそうに結果を見せる。

「そうかい。よく頑張ったねぇ」

そして少し間を置いて、

「それでね……前に話した鎌倉のことなんだけど」

ミアは夏休みの予定を話し始める。

おばあさんは優しく頷く。

「楽しんでおいで。ただし、伊集院さんのお家にお世話になるんだから、迷惑をかけないようにするんだよ」

「うん! ちゃんとする!」

ミアは元気よく返事をした。


部屋に戻ったミアは、夏休みの準備を始めた。

「海かぁ……何を持っていこうかな」

着替えや小物を用意しながら、ふとタンスの奥に目が止まる。

「ん?」

そこには、見慣れない服が畳まれていた。

ミアはそっと取り出す。

「……これって」

黒っぽい布地に、長い袖。

さらに足元まで続く形。

しばらく眺めたあと、ミアは首を傾げた。

「……水着?」

思わずスマホでもあれば検索したくなるような姿だった。

(いやいや……水着っていうより……全身タイツじゃん!)

令和の感覚では想像もつかない形に、ミアは目を丸くする。

「これ着て海に入るの……?」

しかし、大正時代ではこれが当たり前。

肌を隠しながら海を楽しむための、大切な海水浴の服だった。

ミアはもう一度水着を見つめる。

「……まあ、これも大正レトロってことかな」

少し笑いながら、荷物の中へしまうのだった。


夏休みの朝。

ミアはいつもより早く目を覚ました。

「いよいよ鎌倉だ!」

準備した荷物を持ち、玄関へ向かう。

「行ってきます!」

「気をつけて行くんだよ」

おばあさんに見送られ、ミアは家を出た。

待ち合わせ場所は駅前。

しばらくすると、見慣れた姿が見えてくる。

「ミアちゃん!」

「琴音ちゃん!」

二人は笑顔で手を振った。

「楽しみですね、鎌倉の海」

「うん! 鎌倉の海って、どんな感じなんだろう!」

二人が話していると、伊集院からの連絡を聞く。

「伊集院さんは先に車で向かわれたそうです」

「車で!?」

ミアは目を丸くする。

(大正時代に車……やっぱりお金持ちは違う!)

琴音は微笑む。

「伊集院家なら、それも珍しくないのかもしれませんね」

駅に着くと、ミアは周りを見渡した。

「わぁ……」

いつも利用している駅と同じ場所のはずなのに、そこには違う景色が広がっていた。

行き交う人々の服装。 駅員さんの制服。 そして、響き渡る汽車の音。

「切符を買わないとね」

琴音の言葉に、ミアは窓口へ向かう。

「鎌倉まで二枚お願いします」

駅員が切符を手渡す。

「これが……昔の切符」

ミアは小さな紙を眺めた。

改札では、駅員が切符を受け取り、鋏を入れる。

「パチン」

小さな音が響いた。

(これ、テレビで見たことある……!)

ミアは思わず目を輝かせる。

「すごい……本当にやってる」

琴音が不思議そうに笑う。

「ミアちゃん、何か珍しいものでも見たの?」

「あ、ううん! なんでもない!」

二人はホームへ向かう。

やがて汽笛が響き、列車がゆっくりと入ってきた。

「行きましょう」

「うん!」

二人は列車に乗り込み、鎌倉へ向かうのだった。

列車がゆっくりと動き出す。

窓の外には、大正の町並みが流れていった。

木造の家々。 道を歩く人々の着物姿。 時折見える商店の看板。

ミアは窓に顔を近づける。

「なんだか不思議……」

「何が?」

琴音が尋ねる。

「同じ日本なのに、違う風景みたい。」

琴音は優しく微笑んだ。

「いつもの風景だよ。」

「うん。でも……なんか落ち着く感じもする」

二人は流れていく景色を眺めながら、鎌倉での予定を話していた。

「海では何をするんだろう?」

「海水浴ですから、海で遊んだり、砂浜でのんびりでしょうね」

「楽しみ!」

やがて乗り換えの駅に到着する。

二人は別の列車へ乗り込み、鎌倉へ向かった。

しばらくすると――

「……あっ!」

ミアが窓の外を見て声を上げる。

遠くに青い海が見えてきた。

太陽の光を受けて、きらきらと輝いている。

「海……!」

琴音も窓の外を見る。

「綺麗だね……」

ミアは息を飲んだ。

(知ってる鎌倉の海とは違う……)

そこに広がっていたのは、大正時代の夏の海。

まだ今ほど人で賑わっていない、どこか素朴な海岸だった。

「早く行きたい!」

ミアは笑顔になる。

列車は海沿いの道を進みながら、二人を夏の鎌倉へ運んでいく。

ミアは窓の外を眺めながら、ふと琴音に尋ねた。

「ねぇ琴音ちゃん。この電車って何ていうの?」

琴音は少し考えて答える。

「これは江ノ島電気鉄道だね。」

「江ノ島電気鉄道……?」

ミアは聞き返した。

琴音は頷く。

「鎌倉と藤沢を結んでいる電車だよ。」

ミアは窓の外を走る景色を見つめる。

「えっ……」

思わず声が漏れる。

(江ノ電って……こんな昔からあったの!?)

令和でも多くの人に親しまれている電車。

まさか自分が、大正時代の車内からその電車に乗っているなんて。

「すごい……」

「ミアちゃん?」

琴音が不思議そうに見る。

「あ、ごめん! なんか感動しちゃって」

ミアは笑った。

「鎌倉と藤沢を結ぶ、大切な電車だからね。」

琴音は優しく微笑む。

「長く人を運んできた電車なんだよ。」

ミアはもう一度、窓の外を見る。

同じ海。 同じ線路。

でも、見える景色は今とは違う。

(なんか……時間旅行してるみたい)

列車は海沿いを進み、鎌倉へ向かっていった。

ミアは窓の外を眺め続けていた。

流れていく景色の中には、初めて見るものも多かった。

木造の家々。 昔ながらの商店。 着物姿で歩く人々。

けれど――

「あれ……?」

ミアはふと目を細めた。

海沿いの道。 山と海が近い景色。

どこか見覚えがある。

(この感じ……知ってる)

令和で訪れた鎌倉と、どこか似ている。

もちろん建物も人の服装も違う。

でも、海の匂いや町の空気は変わらない。

「不思議……」

「どうしたの?」

琴音が尋ねる。

「ううん。ただ……昔なのに、変わってない場所もあるんだなって」

琴音は窓の外を見ながら微笑んだ。

「きっと、大切にされてきた場所だからだろうね。」

ミアは頷く。

(昔の鎌倉も、今の鎌倉も……どっちも素敵だな)

そんなことを考えているうちに、列車はゆっくりと速度を落としていく。

「そろそろ着くね。」

琴音の声に、ミアは顔を上げた。

駅のホームが見えてくる。

「鎌倉だ……!」

二人は期待に胸を膨らませながら、列車を降りるのだった。

駅に降り立つと、夏の陽射しが二人を照らした。

「着いた……!」

ミアは駅の外を見渡す。

同じ鎌倉でも、令和で見た景色とは違う。

人々の服装。 町の雰囲気。 聞こえてくる音。

すべてが大正の夏だった。

「ミアさん、琴音さん」

声の方を見ると、伊集院が立っていた。

「伊集院さん!」

二人は笑顔で駆け寄る。

「長旅、お疲れになったでしょう」

「ううん! 電車から見る景色、すごく楽しかった!」

ミアは興奮気味に話す。

伊集院は嬉しそうに微笑んだ。

「それはよかったですわ」

すると駅前には、一台の車が停まっていた。

ミアは目を丸くする。

「これ……伊集院さんのお家の車?」

「はい。我が家の者が迎えに来ております」

(大正時代に車で移動……やっぱりすごい)

ミアは改めて伊集院家の暮らしに驚く。

三人が車へ乗り込むと、運転席には一人の男性が座っていた。

「よろしくお願いいたします」

運転手は丁寧に頭を下げる。

「よろしくお願いします」

ミアも慌てて挨拶を返した。

(運転手さんがいる……)

令和では当たり前に車に乗っていたミアだったが、大正時代の、それも運転手付きの車という状況に改めて驚く。

車はゆっくりと走り出した。

駅から別荘までは、それほど遠くはなかった。

窓の外には、鎌倉の町並みが流れていく。

やがて――

「あっ……!」

ミアは声を上げた。

目の前に広がる青い海。

その近くに、一軒の家が見えてきた。

大きな屋敷というほどではない。

けれど、白い壁と広い庭を持った、落ち着いた立派な家だった。

「ここが……」

車が別荘の前で静かに止まった。

「到着いたしました」

運転手が扉を開ける。

三人が車から降りると、玄関の前には一人の女性が立っていた。

白いエプロン姿のメイドだった。

「お帰りなさいませ、お嬢様」

メイドは丁寧に頭を下げる。

「ただいま戻りました」

伊集院も穏やかに返事をする。

「お二人を紹介いたしますわ」

伊集院はミアと琴音を見る。

「こちらは、こちらの別荘のお世話をしてくださっている方ですの」

「初めまして」

琴音が丁寧に挨拶をする。

「初めまして!」

ミアも少し緊張しながら頭を下げた。

(やっぱり、本当にいるんだ……メイドさん)

令和ではなかなか見ることのない光景に、ミアは少しだけ目を輝かせる。

「長旅でお疲れでしょう。お部屋をご用意しております」

メイドが荷物を受け取る。

海の近くの静かな別荘。

ミアたちの大正の夏休みが、いよいよ始まろうとしていた。

読んでいただき、ありがとうございます!

今回は、ミアたちが夏休みに鎌倉へ向かうお話でした。

作中に登場した「江ノ島電気鉄道」について少し紹介します。

現在、多くの人に親しまれている江ノ電は、大正時代から鎌倉と藤沢を結ぶ電車として走っていました。

長い年月の中で、車両や駅の姿は変化してきましたが、海沿いを走る景色や、鎌倉の町を結ぶ役割は今も受け継がれています。

ミアが感じたように、昔と今で変わったものもあれば、変わらず残っているものもあります。

大正時代の鎌倉と、令和の鎌倉。 同じ場所でも、時代によって見える景色は違います。

次回はいよいよ、鎌倉の海での夏休みです。 ミアたちは大正時代の海水浴をどのように楽しむのでしょうか?

また次回もよろしくお願いします!

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