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ハイカラにギャルが転生!〜令和ギャルの大正暮らし〜  作者: がお


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16/24

【16話】財閥令嬢の自宅訪問!?

今回は夏休み前のテストの話です。

女学校の校門前。

「おはよう、ミアちゃん」

いつものように琴音が声をかける。

「あっ、琴音ちゃん! おはよ!」

ミアは笑顔で振り返った。

二人は並んで校門をくぐる。

琴音は

「そういえば……もうすぐ夏休みだね!」

「え?」

ミアは足を止める。

「夏休み……あるの?」

琴音は少し驚いた顔をした。

「ええ……もちろんよ」

「本当に!?」

ミアの目が輝く。

「やった! 夏休みあるんだ!」

琴音は不思議そうに首を傾げる。

「ミアちゃん、どうしてそんなに驚くの?」

「あっ……」

ミアは慌てて笑う。

「えっと……学校って、どこも夏休みがあるのかなって思って」

「ふふっ。そうね。暑い時期ですもの。少しお休みをするのよ」

琴音は優しく笑った。

「そっか……」

ミアは青い空を見上げる。

(そりゃそうだよね。ここにいる人たちも、夏を楽しみにしてるんだ)

令和でも、大正でも。

夏が待ち遠しい気持ちは変わらない。

「ミアちゃん?」

琴音が声をかける。

「あ、ごめん。ちょっと考え事してた」

「夏休み、楽しみね」

「うん!」

琴音がふと思い出したように言った。

「あ……でも」

「ん?」

ミアが振り返る。

「その前に試験だね」

「……」

ミアの笑顔が止まる。

「……試験?」

「うん」

琴音が苦笑する。

「夏休み前にあるの」

「そっか……」

(やっぱりテストはあるんだ……)

琴音は小さく笑った。

「ふふっ。夏休みを楽しむためにも、頑張ろうね」

「うぅ……」

ミアは憂鬱になった。


昼休み。

教室には女学生たちの楽しそうな声が響いていた。

それぞれが昼食を広げる中、ミアは琴音の机の横へ向かう。

「ねぇ、琴音ちゃん」

「なに?」

琴音が顔を上げる。

「試験って、どんな感じなの?」

ミアが尋ねると、琴音は少し考えるように首を傾げた。

「そうね……いつもの授業の内容が中心かな」

「そっか……」

ミアは少し安心したような、そうでもないような顔をする。

「琴音ちゃんは、どの科目が得意なの?」

「私?」

琴音は少し考えてから答えた。

「国語は好きかな。文章を読むのが楽しいから」

「やっぱり琴音ちゃんらしい」

ミアが笑う。

「じゃあ、苦手なのは?」

「うーん……」

琴音は少し困ったように笑った。

「裁縫かしら。丁寧に作るのが少し苦手で……」

「えっ、意外!」

ミアは驚く。

「琴音ちゃん、何でもできそうなのに」

「そんなことないわよ」

琴音は照れたように笑った。

「ミアちゃんは?」

「私?」

ミアは少し考える。

「うーん……英語かな」

「英語?」

琴音が驚く。

「得意なの?」

「まあ、少しはね」

ミアは笑う。

(令和で習った英語だけどね)

「でも……」

ミアは少し困った顔をする。

「苦手なのは……作法かな」

「作法?」

琴音が首を傾げる。

「うん。座り方とか、歩き方とか……気をつけること多すぎ!」

ミアが頬を膨らませる。

「普通にしてるつもりなのに、先生に注意されちゃうんだよね」

琴音は思わず笑った。

「でも、最初の頃よりずっと上手になったと思うわ」

「本当?」

「ええ」

琴音は優しく頷く。

「ミアちゃん、ちゃんと覚えようとしているもの」

「そっか……」

ミアは少し嬉しそうに笑った。

「うん!」

琴音が頷いた、その時だった。

「作法が苦手とは、まだまだですわね」

後ろから声が聞こえた。

「え?」

二人が振り返る。

そこには、いつものように優雅な姿勢で立つ伊集院の姿があった。

「伊集院さん」

琴音が声をかける。

伊集院は小さく微笑む。

「ちなみに、わたくしは作法ならいつも満点ですのよ」

「さすが伊集院さん……」

琴音が感心する。

ミアは苦笑する。

「やっぱり、お嬢様ってすごいんだ……」

すると伊集院は少しだけ視線をそらした。

「ですが……」

「え?」

「英語は少々苦手ですの」

「えっ、意外!」

ミアが驚く。

「それに、裁縫も得意ではありませんわ」

「伊集院さんが?」

琴音も驚く。

伊集院は少し困ったように答える。

「わたくしの服などは、お屋敷のお手伝いさんが仕立ててくださいますもの」

「あー……」

ミアは納得する。

「だから自分で縫う機会が少ないんだ」

「そういうことですわ」

伊集院は少し悔しそうに答えた。

三人は、それぞれの得意な科目や苦手な科目について話していた。

「……」

ミアはふと考える。

(得意なところも、苦手なところも、みんな違うんだ)

琴音は国語が得意。 伊集院は作法が得意。 自分は英語なら少し力になれるかもしれない。

「そうだ!」

ミアが突然声を上げる。

「え?」

琴音と伊集院が顔を向ける。

「皆で勉強会しようよ!」

「勉強会?」

琴音が首を傾げる。

「うん!」

ミアは笑顔で頷く。

「得意な科目を教え合えばいいじゃん」

「なるほど……」

琴音が少し考える。

「それなら、お互いに助け合えますね」

「いいですわね」

伊集院も頷く。

「わたくしも、作法ならお二人に教えられますわ」

「本当!?」

ミアの目が輝く。

「じゃあ決まり!」

ミアと琴音は顔を見合わせて笑った。

伊集院も静かに微笑んだ。 「もしよろしければ……」

「え?」

「勉強会は、わたくしの家でなさいませんこと?」

「ええっ!?」 ミアは思わず大きな声を上げる。

「ご迷惑でなければ、お部屋もございますし、静かに勉強できますわ」

琴音は少し驚きながらも微笑む。

「ありがとうございます、伊集院さん」

「すごい……お嬢様のお屋敷に行けるの!?」

ミアは目を輝かせた。

「それでは、放課後にお迎えの車を用意いたしますわ」

「あっ!」

ミアが声を上げる。

「どうかなさいました?」

「おばあちゃんに言ってからじゃないと!」

琴音は微笑む。

「そうね。きっと心配なさるものね」

伊集院も頷いた。

「もちろんですわ。ご家族にお伝えしてからで構いません」

「うん! 帰ったらちゃんと話してみる!」

その日の授業は、いつもより少し早く終わったように感じられた。

終業の鐘が鳴る。

「それでは、本日の授業はここまでです」

先生が教室を後にすると、生徒たちは一斉に立ち上がった。

「それじゃあ、あとでね。」

琴音が微笑む。

「ええ。お待ちしておりますわ。」

伊集院も優雅に一礼した。

「うん!」

ミアは二人に手を振る。

(まずは、おばあちゃんに勉強会のことを話さなきゃ)

そう心に決めると、ミアは家路を急いだ。


ミアは家の戸を開けた。

「ただいまー!」

「おかえり、ミア」

おばあさんが優しい笑顔で迎える。

「今日は少し遅かったねぇ」

「うん、学校でね!」

ミアは嬉しそうに話し始めた。

「この後、琴音ちゃんと伊集院さんと三人で勉強会をすることになったの!」

「ほう、それは良いことだねぇ」

おばあさんは嬉しそうに頷く。

「それでね、伊集院さんのおうちでやることになったんだ」

「伊集院さんのお屋敷でかい?」

「うん! 勉強しやすいようにって、お招きしてくれたの」

おばあさんは穏やかに微笑んだ。

「そうかい。それなら、ありがたくお世話になりなさい」

そして、少しだけ表情を引き締める。

「でも、お招きいただく以上は、ご迷惑にならないようにするんだよ」

「うん!」

ミアは力強く頷いた。

「ちゃんとご挨拶もするし、礼儀にも気をつける!」

「それなら安心だねぇ」

おばあさんは優しく微笑み、ミアの頭をそっと撫でた。

ミアも照れくさそうに笑い返すのだった。

ミアは自分の部屋へ戻ると、制服から普段着へと着替えた。

「ふぅ……」

髪を整え、身支度を済ませる。

「おばあちゃん、行ってくるね!」

玄関で草履を履くと、おばあさんが小さな包みを持ってきた。

「ミア、これを」

「これ?」

ミアは不思議そうに受け取る。

「伊集院さんのお宅へ着いたら、ご家族の方にお渡しするんだよ」

「えっ、お土産?」

「たいしたものじゃないけれどねぇ」

おばあさんは穏やかに笑う。

「お招きいただくんだから、感謝の気持ちは形にして伝えるものさ」

ミアは包みを大切そうに抱えた。

「そっか……」

(こういうのも、大正の礼儀なんだね)

「うん! ちゃんと渡してくる!」

「気をつけて行っておいで」

「行ってきます!」

ミアは元気よく手を振り、家を後にした。

ミアは待ち合わせ場所の琴音の家に着いた。

琴音は

「待ってたよ!」と元気に笑う。

「それじゃあ、行きましょうか」

琴音が鞄を持つ。

「うん!」

しばらく歩くと、ミアが辺りを見回す。

「そういえば……伊集院さんのおうちって、どこにあるの?」

「迷わないかなって思って」

琴音はくすっと笑った。

「大丈夫よ」

「え?」

「伊集院さんのお屋敷なら、この町では誰でも知っているもの」

「そんなに有名なの!?」

「ええ。道に迷っても、誰かに尋ねればすぐに教えてくださるわ」

「すごい……」

ミアは思わず感心した。

しばらく歩くと、琴音が足を止めた。

「着いたわ」

「え?」

ミアが顔を上げる。

目の前には、高く立派な塀と重厚な門がそびえ立っていた。

門の向こうには手入れの行き届いた庭が広がり、その奥には大きな屋敷が見える。

「うわぁ……」

ミアは思わず息をのんだ。

「大きい……」

琴音は微笑む。

「ここが伊集院さんのお屋敷よ」

「これ、お屋敷っていうより、お城じゃない!?」

ミアは思わず声を上げる。

琴音はくすっと笑った。

ミアは思わず見上げた。

「こんなお屋敷、初めて見た……」

琴音は門の脇にあるベルを鳴らした。

ほどなくして門が静かに開き、和服姿の女中が姿を現す。

「お待ちしておりました。琴音様、ミア様でございますね」

女中は二人に丁寧に一礼した。

「はい」

琴音が穏やかに返事をする。

「どうぞ、お入りくださいませ」

二人は門をくぐる。

庭には季節の花々が咲き、松の木は美しく手入れされていた。飛び石が屋敷の玄関まで続き、どこを見ても品の良さが感じられる。

「わぁ……」

ミアは辺りを見回しながら、小さくつぶやく。

「庭まで広い……」

「ふふっ」

琴音はそんなミアの様子を見て微笑んだ。

女中に案内され、二人はゆっくりと屋敷の玄関へ向かった。

玄関では、伊集院がいつものように背筋を伸ばし、穏やかな笑顔で待っていた。

「ようこそ、お越しくださいました」

「こんにちは、伊集院さん!」

ミアは笑顔で頭を下げる。

すると、ふと思い出したように鞄から小さな包みを取り出した。

「あっ、これ!」

「おばあちゃんからです。『お招きいただいたお礼です』って」

そう言って、両手で大切そうに差し出した。

伊集院は少し驚いたように目を丸くしたが、すぐに優しく微笑んだ。

「ご丁寧にありがとうございます」

そう言って、両手で大切そうに包みを受け取る。

「おばあ様にも、よろしくお伝えくださいませ」

「うん!」

ミアは嬉しそうに頷いた。

伊集院は二人に向き直る。

「それでは、どうぞお入りください」

そう言って玄関の扉を開ける。

二人が玄関へ足を踏み入れる。

「お邪魔します」

琴音が丁寧に頭を下げる。

「お、お邪魔します!」

ミアも続いて頭を下げた。

玄関に入った瞬間、二人は思わず足を止める。

「わぁ……」

広々とした玄関には、磨き上げられた木の床が美しく輝いていた。

高い天井から照明が吊るされ、壁には美しい絵画が飾られている。

奥へと続く廊下はどこまでも広く、屋敷の大きさを感じさせた。

「すごい……」

ミアは目を輝かせる。

「こんな立派なお屋敷、初めて見た……」

「私もです」

琴音も辺りを見回しながら、小さく息をついた。

「学校ではお話しすることはあっても、お屋敷にお招きいただくのは初めてなんです」

「そうなんだ!」

ミアは少し安心したように笑う。

伊集院は少し照れたように微笑んだ。

「そんなに驚かれると、少し恥ずかしいですわ」

伊集院は二人を屋敷の奥へ案内した。

広い廊下を歩き、階段を上る。

「こちらですわ」

伊集院が一枚の扉を静かに開ける。

「どうぞ、お入りください」

ミアと琴音は部屋へ足を踏み入れた。

「……えっ」

ミアは思わず声を漏らす。

「すごい……」

琴音も驚きを隠せなかった。

部屋は学校の教室ほどの広さがあり、大きな窓から柔らかな陽の光が差し込んでいる。

壁一面には本棚が並び、文学や外国語の本が整然と収められていた。

窓際には美しい机と椅子が置かれ、その横には季節の花が飾られている。

部屋全体は派手ではないが、落ち着いた品の良さに満ちていた。

「ここが……伊集院さんのお部屋?」

ミアが目を丸くする。

「ええ」

伊集院は少し照れたように微笑んだ。

「勉強をすることが多いので、本が増えてしまいましたの」

「これ全部読んだの!?」

ミアが本棚を見上げる。

「必要なものだけですわ」

伊集院は控えめに答えた。

「すごい……」

ミアと琴音は顔を見合わせ、思わず感心するのだった。

ミアは改めて部屋を見回す。

立派な本棚、美しい机、整えられた調度品。

どれも自分の家とはまるで違う。

(こんな立派な部屋で……)

ミアは思わずごくりと唾を飲み込んだ。

(私、落ち着いて勉強なんてできるのかな……)

少しだけ不安を胸に抱えながら、ミアは部屋の中へと足を踏み入れた。

読んでいただき、ありがとうございます!

今回登場した伊集院家のお屋敷ですが、「ちょっと大げさじゃない?」と思われた方もいるかもしれません。

ですが、大正時代の財閥や華族の中には、本当に広いお屋敷に住み、多くのお手伝いさんや運転手を雇っていた家もありました。

もちろん、これは当時でもほんの一握りの大富豪だけの暮らしです。

伊集院家は、そんな時代を代表する「財閥のお嬢様」という設定なので、今回の描写も当時の雰囲気を参考にしています。

次回はいよいよ、お屋敷での勉強会です。ミアは落ち着いて勉強できるのでしょうか?

また次回もよろしくお願いします!

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