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婚約破棄されて勘当されたわたしは都会派冒険者になる  作者: 朝山 みどり


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56 王太子と騎士団。ダンジョンへ

56 王太子と騎士団。ダンジョンへ


ケイトは書類を閉じた。


「これでいいですね」


カシクが内容を確認する。


「調査主体暫定登録の変更ですね」


「はい」


「調査完了区域を追加」


「主要調査終了区域の立入制限解除」


読み上げながら、少し首をかしげた。


「騎士団に知らせますか?」


「いいえ?」


ケイトが不思議そうな顔をした。


「なぜです?」


「え?」


今度はカシクが戸惑う。


「いや、その……許可したので」


「許可しました」


「なら、連絡をしないと彼らは気づきませんが……」


「必要ありません」


あっさりと返ってきた。


ケイトは書類を鞄へしまう。


「初期の重要な調査は終わりました」


「そうですね」


「調査の邪魔になる存在に立ち入り制限をかけただけです」


「そうですね」


「でしょう?」


ケイトは当然のように言った。


「つまり」


「来たら通します」


「来なかったら?」


「そのままです」


ケイトは平然としている。


「調査が終わったので誰でも入れます。でも来ないなら、それは騎士団の判断です。こちらが責任を負う話ではありません」


カシクは笑った。


「合理的ですね」


「仕事ですから」




そして数日後のダンジョン入口支店。


騎士団長フィリップ・バンガードは険しい顔で受付へやって来た。


後ろには騎士が十数人。


カシクは書類から顔を上げた。


「ああ、騎士団の皆さんですね」


「今日こそ、ダンジョンに入るぞ」


「はい」


あまりにもあっさりした返事だった。


フィリップが一瞬止まる。


「はい?」


「どうぞ、そちらの入り口からどうぞ」


「入れるのか?」


「入れます」


「制限は?」


「ありません」


丁寧な答え方が、余計に癇に障る。


「許可は?」


「不要です」


「申請は?」


「不要です」


騎士団長が固まった。


カシクはペンを置くと、にこやかに続ける。


「どうぞ、入っていいですよ」


「どうぞ?」


「はい」


「本当に入っていいのか?」


「もちろんです」


カシクは心底不思議そうな顔をした。


「なぜ駄目だと思ったのですか?」


騎士団長の顔が引きつる。


前回まで散々止められていたからだ。


騎士団長はしばらく押し黙った。そして、怒りを堪えるような低い声で言った。


「……ならば、なぜ連絡をよこさなかった」


「連絡? なんの連絡ですか? 連絡する義務があるのでしょうか?」


「お前、どこまで……!」


「なぜとは?」


騎士団長フィリップ・バンガードの顔が微妙になる。


カシクも無言で団長を見つめる。そして、つと小首をかしげた。


後ろの一団が声を上げた。


「入りましょう。殿下がお待ちです」





いつも読んでいただきありがとうございます!


誤字、脱字を教えていただくのもありがとうございます。

とても助かっております。

楽しんでいただけましたら、ブックマーク・★★★★★をよろしくお願いします。

それからもう一つ、ページの下部にあります、「ポイントを入れて作者を応援しよう」より、ポイントを入れていただけると嬉しいです。

よろしくおねがいします。


書籍を出すことができました。

挿絵(By みてみん)




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― 新着の感想 ―
 まあ言うなら店がいつ新しく開店するか聞いて不明だった時に開店したら連絡しろっていうようなものだし、そんなことするわけないよねって話だな。
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