77.【ルーラの元へ】
「空か………。」
自分達を覆い尽くす黒一面の天井は、パラパラと破片を溢しながら、悠然と広がる青い空を映し出し。
太陽の光はシャキリの黒い機体を包み込んだ。
街を蔓延していた黒煙は、新鮮な空気を求めるようにその穴へ向かっていく。
自身のロングレンジバレットが空を貫いた時。
白銀の機体、ギランミの象徴が墜落していくのを確認した……。
「やったぞ……。地球に侵されていった売女が!」
シャキリは叫び、機体を上昇させる。
アルカロ・アコニットは駆動音を放ち、胸から体を包み込むロングレンジバレットは、その黒煙を巻き上げながら折り畳まれ、機体はシェルターの穴へ向かっていく。
「勝ちだ!ギランミ。僕の家族を裏切ったお前を、私が…………!」
ルーラの顔が浮かぶ。
漠然としたものではない。
自分のコックピットの前で現れたそれは、自分を慈しむようにも、悲しんでいるようにも捉えられる瞳。
涙を目の縁に溜め、自分を見据える。
しかし、なぜ今
コックピットは発光した。白く、体の全てを奪われた感覚。操縦桿を握る腕の感覚は消え去った。
白い発光は自分の体。パイロットスーツの袖から、
目、口、鼻、耳。
全ての器官を通して自分の体を侵食する。
声をあげようにも、喉が焼き切られ、声が出ない。
青空を見上げる瞳は、白一色。
ペダルを踏み締める足は無かった。
コックピットの合金特有の匂いを感じる鼻は、一瞬の焦げ臭さの後、熱に覆われる。
耳は、爆発に包まれるコックピットの音を最後まで捉えた。
「敵機撃墜!!」
街の一部を覆う妙なシェルター。そこから出て来たのは帝国の最新鋭機だろう。マンチェスターを襲ったものに似ているが、より人を恐怖に貶めることを目的にしたような外装。あの月の屑どもが考えそうなことだ。
シェルターの隙間から這い出るそれを、撃墜した。
胸からの爆発を持って、体全体を霧散させたそれは、
再びシェルターの底へ叩きつけられた筈だ。
「お前、あれ隊長機じゃないか!?……すごい手柄だぞ!」
黒いシェルターの上を舞う、2機のタイタス。
「偶然だよ、相手がのんびり飛んでくれてたからな。」
敵機を撃墜したパイロットは照れ臭そうに呟き、
2機は丸型のシェルターから離れるように上昇していった。
シャキリは1番お気に入りのキャラでした。
ただ出番が多すぎた気がします。ほぼ主人公並でした。




