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第二の星で  作者: ぷりお
71/104

71.【首都攻防戦(2)】





クストがマシンガンを右腕で斉射する。

灰色の機体、セルヴスはそれを弾けるように散開して避け、四方へ散らばる。


「中々良い動きをするよ!」

腕の袖からミサイルを射出し、それは雲を模った白いバルーンとして展開される。


クストの左下に射出されたそれは、散開し、上昇をかけようとした機体にぶつかる。


「ダミー!?……うわっ!」

機体が胸の上から爆発し、それは全体を包み込み、

姿勢制御を失った機体は、力無く空から落下する。



青空へ背を向け、陸に体を向けていたクストの後ろから警告音――



「お前も落としてやる、赤い奴!!」

自身の背を狙い、急降下してくる機体。



右のマシンガンを体ごと、そちらに向け、射出。

弾は重力に引かれて、水を放水したように、曲がり、遅れながら敵機を捕捉する。

それだけ、敵機との距離が離れているということだった。


一機に見えていた機体は、その背にもう一機を隠していた。前方の機体は撃墜したが、もう一機の機体を逃した。


振り向き様のクストの左。

マシンガンを構えたセルヴスが、一気に平行になる。



「まずい……!」


そのセルヴスは、突然頭を爆散させて、光に包まれ、黒煙を上げながら降下した。



「クストさん!」

自身と同じ、赤いドミティアンがクストの側へよる。


「スターム!!」

クストは声を跳ねさせて、その機体を受け入れた。




***




前方の足のない機体。煙幕のミサイルと、誘導ミサイルを交互に射出してくる。

雲から顔を出したと思えば再び、姿を消す。


再びミサイルかと身構えればビームレーザー。


そして、その機体は再び雲を突き破って姿を晒した。



「ミサイル……!」


ククルは、遠くの青空を切り取るように、上空を覆って現れた機体を見上げる。

後部から射出されたミサイル、10はある。


機体を翻したり、捻ったりすることなく。

両の肩の先端に錨のような刃物のついた、

ハーケンを射出しそれを爆発する。


機体が振動し、誘爆しなかった残りのミサイルが、

ククルのゼガームを目掛けて接近する。


ブザーがけたたましく鳴り響き、焦りを蓄積させる。

しかし、ここで身を翻したり、ミサイルを背後に回すような動きをしてはいけない。


誘導ミサイルは、自立型aiが射出された直後にターゲットを絞り、それに直撃するまで追いかけ回す。

だから、背にそのミサイルを回してしまっては、

あの機体、もしくは自身の正面に相対するミサイルに、挟み撃ちにされてしまう。仮に回避できても、

あの機体の4連砲身からなるビームレーザーで撃墜される恐れがあった。



機体が再び揺れ、肩から火花が散る。

ハーケンが戻ってきた証拠だ。


右腕のショットガンを放ち、ミサイルは再び爆発する。その煙を掻い潜ってきたミサイルを、上昇し、

自身の真下に誘導させる。空と、遥か遠くに見える街を背景として、3つのミサイルを捉えた。


それの一つが爆発し、ミサイルは完全に消滅する。

ミサイル達の後ろをつけていた。

ショットガンを両手に装備したアコニットが上昇しているのが見えた。


「大尉!」


「ククル、横だ!」



左に、空を削り取っていた巨体が、こちらのすぐ真横へついていた。

右腕を掲げ、先ほどの4連の砲身から、ビームレーザーの応用として、ビームソードが展開される。


しかし、それは剣と呼べるほど上等なものでなく、

ただのエネルギーの放出だった。


機体の左腕の上側、膨らんだそこは、粒子を発生させ、ゼガームを覆う程のビームシールドを展開し、紫の粒子がぶつかりあった。

熱は衝撃波に代わり、バイザーの奥の瞳を明滅する光が襲う。



「防がれた!」

アダムはのけ反り、機体を後退させようと逆噴射。


ゼガームの右肩のハーケンがワイヤーを纏いながら射出され、アダムのギル・ミーク左の分厚い砲身はそれに巻きつかれた。ゼガームは機体を引っ張られながらも、ワイヤーを唸らせながら、足を止める。


「こんなもの……!」

右腕をそのワイヤーへ掲げるが、頭部に向けて爆発が起こった。


損傷レベルは大したものではない。しかし、動きが止まった。モニターは煙に包まれ、四方の感覚を失う。



「殺す!!」

ゼガームがハーケンを回収しながら、加速をかけたところで、突如その張りは断ち切られ、機体はバランスを失った。


鎌が速度を上げ、空から降ってきた。


イブのドミティアンが、ギル・ミークに繋がるワイヤーを断ち切ったのだった。



「新手だ、止まってないで下がれ!ククル!」

イブのドミティアンは、ギル・ミークを蹴り押し、無理矢理距離を取らせて、平行していたラッツェルの弾丸を、

水中にいるように身軽に捻って、全て避けた。




「なぜ、当たらん!」

ゼガームが雲の中に退避していったのを確認して、自身も機体を雲に潜らせた。




「イブ、ありがとう。」

イブに引かれるように、ギル・ミークを退避させ、

横の赤い機体に頭部を向ける。

しかし、イブから返答はなかった。


「集中しないとだよな。」

右サブモニターを操作して索敵を行う。

モニターが拡大され、地上では、エトセーラ達の艦隊からも、機体が射出されているのが見えた。




***





「戦艦ノアは良くやってくれています!」

エトセーラの左サブモニターに響く声。

母艦となる、プテイッカ級戦艦によるものだった。

蒼い戦艦は、街の家屋を吹き飛ばさんとばかりに、風圧を作って、エトセーラのリバーカンと平行する。



「貴様の仕事は、そうやって感嘆の声を上げていることなのか?」

エトセーラは呟き。ヘルメットのバイザーを下げる。


「いえ……。」

軍帽を深く被った男は、いたたまれないといったように、目線を落とした。


「さっさとヤックヌー1隻を彼らに付随させろ!」

エトセーラは、その男のナヨナヨとした態度が気に食わず、声を張り上げて通信を切る。



前方、目視できる距離の戦艦、おそらくデータにあった。

インペネスというものだろう。そして、タイタニスという戦艦は、奴等の母艦であるから、前には出張らないとわかった。


その右側からは、ギランミ達のベルベーンとノクターンが向かってくるのが見えた。


おそらく、あの2隻は市民の避難が済むまで攻撃は仕掛けてこないだろう。腐っても、英国の部隊なのだ。


敵艦、インペネスからは続々と機体が射出され。

それは巣から飛び立つ鳥ののように、粒状で捉えられる。


「我々も艦隊戦だ。あと10分ほどで、シェルターが閉じる。総員、巻き込まれるんじゃないぞ!」

エトセーラは叫び、操縦桿を前に倒した。

白銀の機体、リバーカン・スクエマに、英国のメイディーンとメーディムが続いた。





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