撤退
表現のレパートリーの無さが露見していると思います。自分なりに努力します。
「ガベルと敵艦は依然戦闘中です。」
ジーネンを振り返ってオペレーターが言う。
「アダムが負傷してイブは孤立させられてるんだな。」
ジーネンが苛立ったように話しながら、モニターを覗き込む。
「そのようです。」オペレーターは少し怯えたようにした。
「この録画も本部に送れよ。我々の監察を気取った12部隊もここで終わりだな。」
ジーネンは椅子に座り直して、手元のモニターを操作した。
「ノックチルグ、齢30の男が部隊を動かせると粋がるからこうなるんだ。」
「館長は戦艦を動かされた経験は?」
ジーネンの座席の横に座っている男が言う。
28の彼女がノックチルグを若造のように扱っているのを不思議に感じるからだ。
「ありません。私はここの管理で手一杯なのでね。」
「テラーストュートに不満がありそうですな。」
「彼らの本部が動いてくれないから、気苦労が増えるんですよ。」
ジーネンは背もたれに寄りかかった。
「うっ!」モニター横で閃光が走る。機体の左側に薄緑のバリアーが展開されていた。
「ディフェンデーレが起動してる、被弾したの?」
イブは機体を後退させ、索敵を行う。
「無駄に煙いから、鼠はチョロチョロ隠れられる。」
「少佐!」
機体に微かに衝撃が走り、通信が入る。
「ミレンか、大尉が…」
すぐ下の辺りで金属が弾ける音がした。
「逃げれると思ったか!」イブのタイタスの右腕下からミサイルが発射されていた。
「あのメカニック、飛び道具は必要ないと言ったのに」
「クソっ、ミレン、離脱するぞ!」
視線の先のミレン機は両断されていた。
煙を掻い潜った鎌がそこにあった。
「こいつ…さっきのじゃない、囮だ。」
イブは煙のやや上に影があるのを確認した。
「し、少佐、手を……!」
手を取るつもりだったが、ミレンは爆発した。
バジーリオは目を逸らし、機体をインペネスへ向ける。
「行かなければならん。」
後ろからアシュクが援護をしたのがわかった。
「違う、違うんだ。この人達は……!」
「おい!強化人間、機体に戻れよ!」
メカニックに抑えられたアダムが叫ぶ。
「人を呼べ、機体から離されたからか知らんが錯乱してる!」
別の従業員が声をかけ、アダムを抑えるのを手伝った。
ヴァレンの叫びは周囲の轟音に掻き消される。
「少佐、そこがインペネスのハッチです!」
アシュクがバジーリオのセルビウスの背中を押して、インペネスに飛び込む。
「三機、収容完了!」
アッシスの1人が叫び、ハッチを閉じた。
重苦しい音が鳴り止まぬ轟音に蓋をした。




