ホーミングレーザー
タイタニスは加速をかけ、離脱するガディヨットーへ迫る。
「お前達には行かせないって言ったんだよ!」
ニョック達の母艦を務めていたガディヨットーが前に出た。
「盾になるものがいます!」
マックスの目は血走っていた。
「誘導ミサイル、斉射だ!この障害物を叩き落として、逃げるネズミを落とす!」
タイタニスの攻撃はさらに激しくなり、3発目のミサイルを受けて、盾となったガディヨットーは墜落していった。
アコニットとメイディーンは一見互角のようだった。
ニョックのメイディーンは一撃離脱の戦法を取り、槍と大楯を持って、特攻をかける。
ナーケルはそれを避け、反撃に出ようとするが、再びニョックの特攻がくる。
「洒落臭い奴だ!ウロチョロと!」
ナーケルは苛立ったように叫ぶ。
ニョックは涎を垂らし、吐き気に襲われる。
バイザーを上げて、呼吸もままならない。
「ダッケル大尉……。あなたの代わりを…私は務めたいのです。大尉!」
ニョックのメイディーンは再び加速をかけ、アコニットの片腕の装甲を削る。
「主よ。女王メサイアよ…!」アコニットのスーパーバレルの片割れを破壊する。
ナーケルのアコニットは、その槍を両の腕で掴み。右側のスーパーバレルに熱を持たせる。
閃光が走り、警告音が鳴り響く。
「あぁぁ!」ニョックは目を抑え、前屈みになって、唸りを上げる。
唾液が止まらず、嘔吐を繰り返す。モニターを汚し、警告音が響き続ける。耳鳴りが激しく、片耳に至っては聞こえない。
目の下とほうれい線にかけて黒い隈をつくり、血色は白を通り越して紫だった。
「しゅ……」
ニョックは前屈みの体制から動けない。
片腕を失った機体は、もう片方の大楯の重さに耐えきれず、落下を開始する。
「お前は逃さない。お前はこの空域で殺してやる!」
アコニットの丸みを帯びた肩の、無数の穴が再び紫色に輝く。
アコニットは空中で体を丸め、腕を交差させ、胎児のような体勢を取る。
エネルギーが溜まり、周囲の光景がボヤける。
「お前達が抜かす主という言葉は、恐怖への言い聞かせだ!何かあれば、主だとなんだと抜かして、お前の体の主は貴様だろ!謙遜もいいがな、生への冒涜甚だしいんだよ!」
アコニットは両腕と両足を広げ、肩から無数の光が射出された。
「……!!」
機体をのけ反らせ、光を避ける。
また別の細い光―
盾で受け流し、爆発の余波で機体の片腕も砕ける。
次は、足元に別の光が来て、足を破壊する。
次は頭部。コックピットが砂嵐で包まれた。
「メサイア様…」
機体の背中から向かってきた光は胸を貫き、
コックピットの中にいたニョックの下半身を削り取った。
機体は爆発し、地面に残骸が落下する。
「中将、逃げた敵艦は、セルヴス隊が撃墜しました。」
戦闘空域から600メートルほど離れた地点で、墜落した艦体が発見された。




