終わりの適性検査
「適性検査終了!」
マンチェスターでは、5時間に及ぶ適性検査が行われ、
検査用コックピットを中心として、200人余りの人が二分にされていた。
3パーセントに満たなかった人間。幼児、妊婦、老人、持病を持つもの。197人がそこに分けられていた。
3パーセントを超えた人間は3人。その人間は、終了と同時に、小型の艦へ誘導された。
「お姉ちゃん…怖い。」
ミィカが頬に寄ってくる。ルーラはそれを震える手で迎える。
「ミィカちゃん。ガルーラお兄ちゃんと、大尉さん達が来てくれるよ。」
周囲の兵士のこちらを見る目は変わり、インペネスから出てくる人間は、黒い銃火器を持って出てきていた。
ブツブツと何かを喋って、軍服を着た男が前に出る。
「1人ずつ、前に出てきてください。手荷物をお返しして、輸送艦で各地域にお送りします。」
ルーラの顔が安堵に包まれた。
「ミィカちゃん!」
ミィカを抱き抱える。ミィカは泣きながら笑っていた。
子供にこんな顔をさせる。母親と父親に愛され、書いた絵を褒めてもらいながら、抱きしめてもらう子供が。温かい食事を取って、その後に家族で団欒を楽しむはずの子供が。将来に胸を馳せ、友人を作って未来を作る。天からの贈り物が。
前に出た老夫婦は、兵士の手を取って、立ち上がる。
次の瞬間、その老夫婦の夫が撃ち殺された。
「あなた…!」
その後に老婆も撃ち殺される。
人々は絶叫して、その円から出ようとする。
気を抜くと、踏み潰されてしまいそうだった。
ルーラはミィカを背中で庇う。ミィカは再び泣き始めてしまった。
「ミィカちゃん、ごめんね。ごめんね。ごめんね。家族の人が、私の代わりにいてくれたらね。ごめんね。」
ミィカを離す。
「ミィカちゃん!逃げて!!」
ルーラは体の芯から声を出す。
ミィカは何度もこちらを見ながら、涙を流し続けながら、円の外に出た。
ミィカの首は吹き飛ばされ、残された下半身は地面に叩きつけられる。
「シャキリ隊、任務を開始する。」
マンチェスターを襲ったあの黒い機体が、武器から煙を上げていた。




