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第二の星で  作者: ぷりお
35/48

撃墜スコア 1

雲を抜ける。先程の巨大な敵艦をバックにして、あの黒い機体がガディヨットー2機と、メイディーン1機と交戦していた。


「あの敵艦、戦闘になった途端やけに高度を取っている…」

ニョックはガディヨットー達の前に出張るように加速をかける。

雲を破り、味方機の麓へ

「ロペーヌ!姫様が避難なさっている。ガディヨットーを一隻離脱させる!」ニョックがインカムで叫ぶ。


「隊長、しかし…しかしラッタングが!」

ロペーヌの声には涙が絡まっていた。


「ロペーヌ、持ち堪えるぞ。本当にすまない。」

ニョックはそう言って、通信をガディヨットーに繋いだ。


「敵の前でお喋りか?街を燃やされたお前達が!」

ナーケルの叫びに呼応して、アコニットもエンジンを唸らせる。目元を覆われて、顔の半分だけが露出しているナーケルの姿は死刑囚のようだった。


「隊長……我々も……」

「行け!振り返ったら殺してやるぞ!」

ニョックは目元が熱くなるのを感じながら、通信を切る。

後ろの一隻が方向を変えたのがわかった。


「サラス中将、離脱するものがいます!」

マックスが振り向く。

「援軍を呼ぼうというんだな。弾幕だ!ナーケルへの配慮はいらん!」


一際高い場所から弾丸が放たれる。

「くそっ…隊長!」

操縦席に座る、ラーテイルが叫ぶ。

女性の声での悲鳴が無人の機内に響く。

視界が滲んで、青い空が歪んでいた。

離脱したガディヨットーは弾を掠め、ふらつく。


「中将!離脱されます!」

「追えと言ってるんだ!」

タイタニスはようやく高度を雲の中間程度に下げ、艦の向きを変える。


「ロペーヌ、いつもの作戦だ!こいつを…」

「こいつを中心に…ですね!隊長が夜なべして一緒に考えた作戦なんだ!従いますよ!」


二機は突撃をかけるアコニットの真上と真下を取る。


振り子のように動いたことで、2人に引力がかかる。

顔に皺が何倍も増し、胃を掻き乱す。


「蝿が動き回ってもな!」

ナーケルのアコニットはスーパーバレルに熱を持たせ、すぐに弾が発射される。真下に放たれたそれを、ニョックはさらに機体を回転させて、避ける。

ローテンションのような形で機体の上下が入れ替わり、真下のニョックの位置にロペーヌがきた。上にはニョック。


「うげぇっ!」

ロペーヌは回転の引力で嘔吐する。

すぐにバイザーを上げ、呼吸をする。


「ロペーヌ、止まってはダメだ!」

一瞬だった。

機体に衝撃が来て、そのまま地面に引っ張られる。


相手に突撃されたと、敵の黒い機体が自分のいた場所で浮遊しているのを見て、気がついた。

手には、槍。


補強をされた地面は機体を受け入れることはせず、

座席から跳ね上がる形で背中が弾ける。

声も上げられず、呼吸ができない。


外で物音がする。マシーンが近づくような。

モニターを横目で見る。砂嵐だった。

震える手で、バイザーのボタンを押す。

濁ったガラスが顔を覆った。


物音は近づき、機体の上に登った感じがする。

「ハッ……ハッ」ようやく呼吸ができてきて、焦げ臭い匂いがする。


ハッチをチェーンソーのようなものが溶かし始める。

隠れたいのに、体が動かない。

せめて声を上げて涙を出したいけれど、それも出来ない。


ハッチがこじ開けられ、それを警告するアラートが機体に鳴り響く。


小型のマシーンに乗った、歩兵が3人。

こちらを見て、何か言っている。


「た……すけて。」

言えた、言葉を話せた。


破裂音が響き、

ガラスにヒビが入り、目を開けたまま顔に穴を開けられた。


「空中で戦ってるやつだな。死亡確認。」

アッシスの歩兵部隊は機体に火をつけて、侵攻に戻った。

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