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第二の星で  作者: ぷりお
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穏やかな森

今回は平和な回です。自分は恋愛経験があまり無いのでこういう描写は苦手です。

自分は常に拗らせ童貞シャキリ君の味方です。

さらに一日が明けた。

ノアは、イギリスの情勢からか、いざこざに紛れて、イギリス、サリー州の森林地帯に艦を入国させた。

追っ手を手配させていたフェスターが死に、ノアを追うミーレス部隊の連携は、あってないようなものになっていた。


木の間を掻い潜るようにして、ノアは降下する。

「反重力エンジン停止。ポイントはここでいいですか?」

モニがジーネンに振り返る。

「艦はここに隠しておけそうね。」

ジーネンは窓を眺めて呟く。

「迷彩を施さなければな。使ってないタイタスがあったはず、アダム達に頼みましょう。」

ジーネンはため息をつきながら、汗を拭った。


「散々追い回されましたな。」クリスが椅子にもたれて、汗をハンカチで拭いながら呟いた。



「やっと撒いたのか。あいつら何日もしつこすぎだよ。」

ヴァレンは欠伸をしながら呟く。


イブが窓を眺めていた。サリー州は、無限に思える木々の中から、青い泉を覗かせていた。

「綺麗。」イブは呟く。

瞳が森林から差し込む太陽と、その泉の青さをそのままに移し、輝いていた。


「バイセッコーでここら辺走ってみるか?」

ヴァレンが横から声をかける。


イブは驚いたようにこっちを見て、顔を若干赤くしていた。


相変わらずよくわからない奴だったので、そのまま放って格納庫へ歩いていった。


「おっ!お前達仲良くお散歩か!」

格納庫ではクストがいて、メカニックに色々注文をつけているところだった。


メカニックは汗をかきながらメモを取る。クストがヴァレン達に意識を向けたお陰でようやく息を吐いていた。


「お散歩?」後ろを見るとイブが黙ったままずっと着いてきていた。


「バイセッコーに乗せてくれるんでしょ。」

イブはムッとした顔で呟く。


「お前あれ乗りたかったのか。」

ヴァレンは呆れたように呟き、バイセッコーを取りに行った。


「イブ准尉、バイセッコーが気になってたのか?」

クストがこちらに近づく。腕に腰を当て、フンスとしている。

イブの身長は160でクストは157だから並ぶと小さい。


「外が綺麗だったので。」

イブはボソッと呟く。

「それで2人仲良くなんだな。」ムフフと言って、クストは去っていった。


「クスト少佐、僕とバイセッコーに乗ってください!」

どこからともなく、クリス・チゴーがバイセッコーを連れて、クストに叫んでいた。

「うわ、なんだこいつ!」クストは走って去っていって、クリスは玉砕して真っ白になっていた。



「イブ行くぞー。」遠くからヴァレンの声が聞こえて、座席の後ろに乗る。

「これ、背中とかに捕まった方が良い?」

イブは上目遣いでチラチラとこっちを見る。

「いや手すりあるから。」

「あ、はい。」

折りたたみ式の手すりを掴んで、バイセッコーが艦を出た。


「アダムとイブはお出かけぇ!?」

ジーネンはブリッジで叫ぶ。頭を抱えるが、少し嬉しそうだった。

「まぁ良い、迷彩の作業はスタームに頼みます。」

ジーネンは言いながらコーヒーを注ぎにブリッジを出た。


テペリが白く固まったクリスに近づく。

「大尉、自分でよかったら…」

「いや、結構です。」

クリスは即座に息を吹き返し、バイセッコーを返却した。


「あの2人、なんだか良い感じじゃないか。」

クストはニマニマしてバイセッコーに乗り込む。


クリスがハッとした顔で振り返る。

「クスト少佐、やっぱり!」

ドンとクリスを飛ばして、クストもアダム達を追いかけた。



風を纏って、森の新鮮な空気が入ってくる。

ただ葉っぱが鼻を掠めて、イブはくしゃみをする。


「花粉か?」

ヴァレンが振り返る。

「そんなわけないでしょ。8月で。」

2人ともいつもの堅苦しいパイロットスーツでなく、ラフな私服であった。

ネオ・エンズルズであっても、体は普通の人間と同じである。


泉を中心に、バイセッコーはモーター音を鳴らしながらぐるりと回る。

紫色や黄色の花と、緑の木々、青い泉には、魚が見えて、釣りをしている人間もいる。


「良いとこね。」

イブが風を感じながら呟く。

「戦争中じゃないみたいだよ。首都近いのにさ。住むならこういうとこが良いな。」

ヴァレンは穏やかに呟き、イブはその後ろ姿を見て、頬を赤くしながら眺めた。


「あの2人、本当にいい感じじゃない。イブ、そこは後ろからいくんだよ!」

クストは双眼鏡を使って、叫ぶ。

「焦ったいなあいつら、早くいってしまえ、ええい!ガッといかんか!」

森に叫び声が響き、熊が出たと勘違いしたハンターが焦って近づく。クストは狩猟されたくないので、知らんぷりして、バイセッコーを走らせた。


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