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第二の星で  作者: ぷりお
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怒りの矛先

「私たちはこうやって踏み台を作って生きるしかないのか、少尉。」

真横をよぎったミサイルを見送りバジーリオは呟く。

メットのバイザーを下げた。

「こいつらは、それすらしなかったんだ!」


「ナーケル中尉、あれは違います、さっきのものじゃない!」

「やかましい!!」

シスメの叫びを一蹴し、

「くそっ!初陣で死んでられるかよ。この清掃員野郎が!」

上空を飛び回るセルビウスを見上げてナーケルは汗を拭う。

「くそ、眩しい…」


上を飛び回っていた機体が高度を下げ、シスメ機の後ろに飛び込む。

「死んでもらう!星の寄生虫!」


抜いたハルバードでシスメ機を両断する。

「うっ!」

シスメがうめく。


機体が半分に割れて、傾く。

座席からずり落ち、空中に投げ出された。

「母親代わりはできなかった…ガルーラ!」

機体が爆発し、ナーケル機に振動が伝わる。


初めての空で、一人にされた。

「こ、こいつ…い、いやだぞこんなのは!」




邪気で人が死んで、次は恐怖で死んでいった。

アネスト内で配備された部屋で俯いていると、入り口に人影があった。

イブだ。「なんの用だよ。」 

「ジーネン館長に監視を…」

自ら兵器にしておいて、犬と同じ扱いなのだ。

「あんな女の言いなりをよくやるな!」 

イブは女という言葉に反応して、少し不機嫌そうな顔をする。

「あなたも軍属ならば、今の発言は御法度よ。」

扉に肩を預けるような姿勢に変わった。

「サイボーグの割に、人間らしいな。」

自身もそうだが、この女も見た目相応だというのがわかる。

「あなたの癇癪ほどじゃない。」

「外はどうなってる。」

「知るわけがないでしょう。」

イブの目つきが鋭くなる。女性にこういった視線を向けられるとなぜか、突き放されたような気持ちになる。

「そうやって生きて楽しいのか。」

「私が望んだのだから、そのはず。」

イブは足早に去っていった。



上空ではナーケルの逃げ回る反応がアネストに届いていた。

「おい、救援はまだか!」

「私は勝手な出撃は控えるように言いました。部隊の合流がまだだから。それなのにあなたは無断で出撃して、こうなっている。自力で帰るのね。」

次の返答を待たずにナーケルは通信を切った。

「エンジンがやられてる…飛べないじゃないか!くそ、俺はこれから!」

機体に衝撃が走る。首を掴まれたような衝撃がくる。


「ひっ…」

殺されることは明確だった、バジーリオもこの機体の搭乗者を許せなかった

「ここで腹いせにこいつを殺せば、私もここと同じ…」

彼の信念とスレッグ達への冒涜をさけて。


バジーリオ機に通信が入る。

「アダム少佐。戦いぶりは見せてもらった。なかなか面白かったよ。兵士は3人死んだが、そいつを持ち土産にすれば帝国への貢献にもなる。タイタニスを地球に降下させる。」

中将の発言、人を扱う発言ではない。

そして、あの艦が降下したということは、帝国からの援軍が降下してくるタイミングというわけだ。

この男、建前だけで、後ろ盾がついたからこうやって前線に顔をだす。


「了解いたしました。この機体を鹵獲、タイタニスへ帰還いたします。」

モニター端を見ると、掴んでいる機体と同じものが浮かんでいた。

「私が殺したパイロットのものではない、あれは爆破した。」

スレッグが遺したものなのか。


機体を上昇させる。敵機を射出した施設からは物音ひとつしない。

「なぜ攻撃をしてこない…こいつらは捨て駒なのか?」

機体の速度を上げ、タイタニスへ座標を合わせてオートに切り替える。

「追っ手もこない。そして殺したあのパイロット、女性だった。」


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