憎しみ合って
「貴様、やったなぁ!!」
バジーリオは絶叫し、機体を跳ね上げさせる
「これが英国だ、これがグレートブリテンだ!これがプライドだ!貴様らはそれを侵略しようというのだ!!」
フェスターもそれに合わせて、破壊された一本を除いて上昇する。
「月に打ち上げられ、何十年と黙り続け、地球の雑務を務める!そんな国が今更決起して、なにするものぞ!」
「我々は違う、我々は抵抗を続けた、貴様らのような隔離された場所でではない!地球の土地でだ!中世の栄光をこの機体で蘇らせるというのだ!!!」
「私達を侮辱することは許さない、シッドへの侮辱は、見過ごそうにも出来んのだ!!」
機体は両の刃物を打ち付け、火花を撒き散らす。
鉄が重なり、太陽はそれに失望したかのように陽を落とす。
「地球へ飛来してしまって、ナーケルやシスメのような人間と出会い、スレッグを殺された、仲間をだるまにされ、ゴミのように捨てられた!」
セルビウスが唸り、瞳の赤を一層輝かせ、夜を照らす。
ハルバードを振り上げるそれは、処刑人のものだった。
「それが、戦争の性だ!争いの本質だ!人は死に!力ある人間は勝ち、負けた人間は、体にそれを刻まれる!女を犯し、男の首を打ち落として、勝った人間は全能だ!!力があればいいんだ、力が全てなんだ!摂政などという、生ぬるい生き方は、ここでは似合わんのだー!」
「差別も、情勢も、資源枯渇も、全てが力で翻る!力があれば、差別を起こす人間は殺せる!いいや!殺せるなんて生ぬるいものじゃない!1人残らず消し尽くせる!絶滅させられる!貴様らがマンチェスターにやったようにだ!殺せば0だ!殺せば終わりだ!殺せばいいんだ!!」
ガタカールは鎌をへし折れるまで叩きつけ、バジーリオのセルビウスはオートディフェンサーを起動する。しかし、それでも機体にダメージが深刻に入っていた。月はただ静かに、それを見つめる。マンチェスターを陥落させ、戦争を起こした月が。
「野心に生を塗られていては、物の見方が荒くなるんだ!フェスター・グリット!」
操縦桿の、安易に触れられないよう、カバーのついたスイッチを押し込む。
セルビウスは背中に隠していたビーム兵器を背負い、それを装填する。
「なんだ、この出力は!」
フェスターはのけ反った。
「もう遅い!!」
両の肩から射出されたそれは、ガタカールの下半身を吹き飛ばし、レディングを焼き払った。




