ネオ・エンズルズ
ここまで読んでくださっている方がいたらありがとうございます。拙い文章に加え、プロットも考えていない
やっつけなのでお見苦しい文章が続くかと思います。
暇つぶし程度で読んで頂ければと思います。
重々しい音を立てて、専用の基盤が何層も重ねさられた土台に、機体が降り立つ。
腕のカバーは崩壊して、管を露出させ、マシーンには幾つもの擦ったような跡があった。
「おめおめと、ご苦労だったな。ダッケル・ンジャ大尉。」
わざとらしく手を叩きながらダッケルの機体を見上げる男。オールバックの黒髪で顔には若干皺が見え始めていた。ロイヤルミーレス第8部隊を率いた、
フェスター・グリット大尉だった。
コックピットからダッケルが体を出す。
「リヴァプールへ撤退を強いられた、敵はやり手だぞ。」
ダッケルが呟きながら自信を乗せたクレーンを下げる。
「…。艦と仲間を捨てての撤退は、敵前逃亡だよ。大尉」
フェスターがニヤニヤと喋る。
こいつ爵位持ちの男でありながら、この品格の無さ。
イギリスはこのような貴族が蔓延っているから、
女王メサイアも気を病まれているのだ。
「私は生かさせて貰った、諸君らと合流し、
再びマンチェスターとメサイア様のために…」
「建前をベラベラ話すのはもう良い。故郷を捨てて逃げた女が。貴様は名誉を捨てたとして、極刑である。
これはメサイア様直々に決定なさったことだ。」
「なにっ!」ダッケルは目を見開いて叫んだ。
「安心しろ、すぐに死ぬのではない。貴様はだるまにしたメーディムに乗せ、海に放流する。運が良ければ、見つかるな。テラーストュートとエルガーが、我が国の機体を見て黙っているかは知らないが。」
「貴様、我々は訓練兵時代から共に…!」
ダッケルが冷や汗を流して叫ぶ。
「平民上がりの貴様を我々と同じ人間であると思ったことはない。ダッケル、恨まないでくれ、これが我が国のしきたりなんだ。」
フェスターはダッケルの肩に手を置く。
すぐに振り払った。
「貴様の両親はサザークの出身だったな。あのような
小汚い労働者の集落の出身の親を持って、我々と志し同じく女王へ奉仕するなど、片腹痛いよ。」
「刑は3日後に行う。それまで貴様は独房入りだ!」
フェスターの後ろにいた兵士2人がダッケルを掴む。
ダッケルは抵抗しなかった。その2人は自身の訓練生時代の同輩であったからだ。
「私のダッケルはいつ来てくれるのです。」
齢19の女王メサイアが呟いた。
白と薄いピンク、金の装飾が施された家具で構成された部屋で、メサイアがカーテン付きのベットから顔を出す。
「女王、ダッケル・ンジャは現在捜索中ですが、何故、敵に支配権を握られている為、捜索が難しいのです。ご理解ください。」
60半ばの白髪の男が跪く。
「ダッケルは生きています。わかります。彼女がくれた
ペンダントが揺れているからです。これが揺れているということは彼女が恐怖して、どう言葉にすればいいか…
ザワザワとしてくるのです。」
メサイアは口元を抑えて、顔を青くする。
「このままでは取り返しがつかないことになる。ダッケルが見つかったのなら私に伝えてください、メロー。彼女の妹と家族も。見つかったのなら私の城で匿います。」
メサイアはメカローを見据える。
19歳にして政略の矢面に立たされるだけの気迫はあった。
「女王、持病が悪化されておられる。薬を持ってこい。」
メローは後ろにいた側近の兵士に声をかける。
「では、引き続きダッケル・ンジャの捜索を続けます。
暫くお休みください。女王」
「私は十分休みました、休んでばかりです。あなたに探す気がないのなら。」
メサイアは立ちあがろうとして、薬を持ってきた兵士に
そっと押さえられる。
「離してください!」
メサイアの怒声を背にメローは扉を閉じた。
「おい。」メローは見張りの兵士に声をかける。
「ダッケル・ンジャは見つかったのだな。」
「はい。フェスター大尉と合流し、その場の地下牢へ。」
「よし、刑はそのまま実行しろ。女王はご乱心だ。精神を病まれて、幻覚を見せる旧世紀の病にかかった。」
兵士は俯き加減で敬礼をする。
「フェスターと合流する、呼び出せ。」
メローは言って歩き出した。
重々しい鉄のドーム型の月の建物で、一際目立つ、装飾をされた艦体が降り立つ。
「総帥、お待ちしておりました。」
軍服を被った中年の男が敬礼をする。
「ご苦労。」手を取りながらセリウスが階段を降りる。
「ここが強化人間研究所か。物々しいな。」
セリウスが部下に目配せして呟く。
「はっ、帝国人民にはこの場所は発電所ということで通っておりますので。」
そうすれば、大抵の人間は危険だからと近づかず、エネルギー資源確保のために、丁重に扱うのだ。
「強化人間の報告を。」セリウスが施設に入って実験棟へ向かう。
ガラス張りの部屋で、見下ろす先にはプロトタイプの
骨組みでしかないマシーンがいくつもの管に接続されていた。
「バイタル良好。脳波異常無し。」ピッピッと機械が駆動音を出しながら数値をデータ化する。
「タイタニスが捕虜としたナーケル・ヨーガですが。強化人間としての適正はあります。しかし、精神が成熟段階に入っていて、強化の施しが不可能な部分もあります。」
部下の男が資料をめくりながら言う。
「奴は年齢はいくつだ。」
「26です。」
「それではな。精神が未熟な方が強くなるのか?」
セリウスが実験を受けるマシーンを見下ろしながら呟いた。
「はい。研究結果によりますと最適正は15歳。
それより下回ると強力ではありますが、コントロールが難しくなります。そして18歳までが強化を行える最大の年齢です。20歳からは個人差ですが感性の多感さがコントロールされていきます。それではナーケルと同じになります。」
「そして、大前提として全てが地球の生まれで、地球の育ちであることが条件です。これは未発達段階から自然の現象や多種に渡る人種との交流が精神に刺激をもたらすからです。この自然現象というのは…我が帝国には起こり得ません。」
部下の男が俯いた。
「そうだな。雷や竜巻など、我々でも起こせん。帝国も多人種だが、それではダメか?」
「自分のものと明確に違うという意識がなければなりません。つまり、差別という認識が嫌でも根付いたあの星でなければ…」
「マンチェスターが陥落したと聞いた、適性検査を行う場合、何パーセントが高水準なのだ。」
「年齢が10代で適正が5%を超えるならば、それはナーケルの10倍の出力が出せます。そして、我々の新型に搭乗を行える。強化人間専用、人の意思に共感を持って干渉し、共鳴して意のままに操るマシーン、
『ファーレン』に。」




