祝いの日に、黒が持ってきた物。
街で空襲警報が鳴り響く。
空襲警報が鳴るということは、この街は旧世紀から進化していないということだ。
「やはりだよ、こいつらは特権のぶり返しで、中世のプライドを惰眠の理由にしたんだ!」
シャキリは息を荒げながら叫ぶ。
アシュクとガルーラは機体から火炎弾を落とす。
街が燃えて、人の死体が火葬の形をとる。
モニターには火だけで、先ほどの絵図はなかった。
「こいつ、私たちを狙ってないのか……。」
「こちらに視線がいくように誘導させろ!」
ダッケルが隣の機体に手を置く。
「どうやってですか!」
上に、敵機二機が飛来する。
片方がマシンガンを斉射。
音もなく、先ほどの兵が爆散した。
「街に落ちるなー!」
ダッケルの叫びは爆発でかき消された。
家の連なりに逃げ惑う人々が爆発の後には焦げ跡になっていた。
残りは9。
マンチェスターの建物から対空砲が設置され、
即座にシャキリのライフルで爆発される。
「良い起爆剤だよ、馬鹿達が!」
アコニットは煙を破り、さらに街を破壊する。
「大尉、これ以上殺す必要はありません!」
アシュクが叫ぶ。
ダッケル機に通信が入る。
「ダッケル、援護をする、市民を守れ!」
ニーメンだった。
「街で飛ばないでください!風圧に人が耐えられない!」
「そうは言っても、敵艦が来ているのだ!」
遠くでニーメン艦が街に飛び上がるのが見えた。
「あいつらを海上に誘き出す!」
ダッケルが言う。目からは涙が流れていた。
「しかし、海上は距離が……」
「なら、このまま奴らに好き勝手させるのか…!」
「冗談じゃないぞ!私は、私はここで育ったんだ、家族だってここにいる。今日は妹の誕生日なんだ…」
ダッケルが叫ぶ。
「大尉……。」
「大尉、それならば…私は地上から援護します…!」
「………!待て!」
ダッケルが再び声を荒げる。
一機エンジンの力を弱め、地上に降りたった。
巨人が空から降ってきた地鳴り。
「よし…エンジン停止!」
「………!?」
途端、地面が崩れ始めた。
「うわぁ!」
けたたましい音と共に一機は奈落の底に消えた。
「大尉……あれは!」
「この地域はマシーン用に地盤を整備していない……。降り立てば、崩壊した地面に巻き込まれる。
間に合わなかった。」
残り、8機。
「アッカド、やめなさい!」
母親らしきものが街の爆発の中で少女を抑える。
「やめない!お姉ちゃんが戦ってるんだもん!お姉ちゃん言ってたよ、街に悪い人たちがきたら、やっつけて私のところに来るって、お姉ちゃん宇宙人でも、地球の悪い人でも…」
アッカドは泣き出した。
「お姉ちゃん、助けてよぅ、お誕生日にお人形私に買ってくれるんでしょ。」
次の瞬間、機体が倒れ込み、地面が割れた。
「くそっ!人を巻き込んだか、うわぁ!」
その機体はアコニットに爆撃される。
「ふん、何をしてるんだ奴等は、地上には降りないで正解だったな。少尉。」
シャキリがアシュクに言う。
「えぇ、地雷が仕掛けられている可能性もありましたから。」
「少尉、足をつけたいなら建物の屋根を使え。しかし、木製のものはやめておけ。」
「しかし、それでも崩れませんか。」
「………建物がガードしてくれるさ。」
シャキリは吐き捨てる。




