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すうぅ、と少しずつ消えた火ににこりと微笑んだ陽菜は改めて深森をまっすぐに見据えた。
その瞳に、まっすぐな意思に深森は少し怯む。
真摯で。素直で。思わせるなら、夏の最中に直向きに輝く陽。
思い浮かんだのは空に輝く太陽ではない。夏を象徴する海の間に、所々に反射して光る優しい陽の色。
直視すれば見つめた瞳が痛くなり、その奥がきん、と突き抜ける鈍痛を残す。
一見するとただただ強く、圧倒的な力を持つだけのように見える陽だけれど水面の光は柔らかく。
ああ、と深森は素直に憧れで好意を抱いた。目の前の少女は、本当に本当に優しい存在であるのだろうと形のない確信を持てたから。……せめて。
陽菜のような存在には決してなれないだろうから、せめてこの確信が壊されてしまっても責任転嫁はしないでいたいと。
切に願う。
どこまでも不審者にしか見えなかった深森を見捨てようとはしなかった陽菜は、逃げようとした深森の手を幼い手できゅっと握る。
ちいさな手があまりに暖かくて、深森の心臓は柔らかさにとくりと跳ねた。
「…私が“伴侶”を勤める竜王は、火の属性なの」
照らすような、照らしの声がはっきりと話しはじめた。しっかりと声音を保っているからとても聞き取りやすい。
元々隠し事などしない性格なのだろう。言葉に一切の濁りはなかった。深森にとって、それはとても安堵するものだった。
優しくくるんだ乱雑な嘘なんていらない。酷くても辛くても痛くても、それがその人の真実ならばそちらの方が何倍も良い。
冬風に揺れる陽菜の瞳と言葉がとても愛らしく思えた。




