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双子まとめてTS!人生入れ替わりの二人を待つのは、恋の大嵐!【第一部完】  作者: 神流みさきち
第二部『揺れない恋頃、揺れるも恋心』第一章『流れる雨と認識』
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第9話 乙女たち、水着漁って

「あ~、暑かった!もう昼以降は夏みたいだね、ここ涼しくて最高~!」

 駅から電車で移動し、しばらく歩いて着いたショッピングセンターに入るなり咲恵が涼しさに感動している。

 夏みたい。といいつつ実際に夏本番になるとこの比でないだろうけど、確かに暑いし、商業施設や鉄道では冷房が使用されている。

 実際、外を歩いていると汗も出てくる。その汗が理久だったときには無い部分で痒みを発生させている。これずっと続くの?どうしたものかなあ。

「さて。水着はどこかな~?特設会場とかないかな~?」

 ウキウキ気分でどこに行けば良いのか探している咲恵に対して、私はまだ自分が水着を買うことに抵抗を感じている。

 綾ちゃんもお腹を気にしているのか先ほどから『やっぱり試着とかするんですよね……』としきりに気にしている。

 水着選ぶのは私も楽しそうだと思うんだけど、やっぱり正真正銘の女性ばかりの空間に入るのはなんだか申し訳ないというか。

 自分でもこの感情の境目みたいなのはよく分からない。

「あったよ、水着の特設イベント!3階だって!」

 咲恵は気持ち小走りで会場へ急ぐ。

 私たちもそれについて行く。

 2階から3階へのエスカレーターの終盤ですでに会場は見えてきた。

「いいね、いいねー!」

「うわあ~」

「これは迷っちゃいますね!」

 私と綾ちゃんの迷いなんて吹き飛んだ。

 会場——、といってもそんなに広いものではなく、コンビニ3つ分位の面積だったけれど、そこにはいくつもの試着室とハンガーラックに所狭しと掛けられた水着の山があった。

 ここから自分の水着を探すのは楽しいかも知れない……。

「二人はどんな感じのにするの?私はやっぱりセパレートのちょっと大胆なのが好きだけど、理香はそういうのどう思う?」

「えっ?私が咲恵の水着についてどう思うかってこと?」

 そんなの好きにしなよ、と一瞬言いかけたけどその言葉を飲み込んだのは偉いと思う。

「そうだと思いますよ。私はあまり経験無いですけど、女の子がみんなで買いに行く時点でキャピキャピ話しながら選ぶのを楽しむんです。……ラノベよく読むならそういうの見たことないです?」

「ある……、かも」

 綾ちゃんがすかさずフォローしてくれた。

 そう言われればあるかも知れないけど、自分の身に置かれるとまだそういうのはピンとこないなあ。

「女子の水着、スク水とビキニの2種類くらいしか認識してないから、聞かれてもわからない……」

「あははっ、まあ仕方ないよね……」

「多分理香先輩は、見た目ではたくさん見たことあるでしょうから、名前知らないだけだと思いますよ。……私も大概知りませんけど」

 咲恵は察してくれて、綾ちゃんは『漫画でたくさん見たことあるんじゃ無いですか、いろんな水着』と、耳打ちしてくれた。確かにそうかも!

「咲恵はこう……、ビキニにひらひら……フリル?付いてるやつが似合うと思う」

「ふ~ん。なるほどねぇ、参考にするよぉ」

 咲恵はニコニコしながら水着を物色し始めた。

「試着室への持ち込みは5着までできますので、じっくりお選びくださ~い」

 私も水着を見ようとハンガーラックへ近づくと、スタッフがそう言っているのが耳に入った。

 そんなに試着するの!?なんて私が思っていると。

「あ~。じゃあ何度も往復しないとね」

「えっ、咲恵……。何着試着するつもりなの!?」

「あ、理香分かってないね~。水着を買うのも大事だけど、たくさん試着して選ぶのを楽しむのも醍醐味だし、目的だよ?」

 えぇ……、疲れそう。

「先輩、それは個人差あると思いますよ」

「だよね」

 そんなにたくさんの中から選ぶとは思ってなかった。

「私なんかは試着する前にたくさん見比べますね」

「え~、綾ちゃんはそうなんだ?私はとにかく試着しちゃうな~」

 ……。

「私、服買うときとか、何となく似合いそうで可愛くて、サイズに問題なければすぐ決めちゃうから……」

「理香、自分で服選んで買ってるんだ……?」

 えっ、どういう意味?

 そう思っていると咲恵は小さな声で『理久が選んでるのかと思った』と言ってきた。

 そういう意味か。

「藤島先輩、理香先輩だって女の子なんですから……。ねえ?」

「え、うん。そうね?」

 なんだろう、二人の私を見る目に若干差異があるような。

「じゃあ、私試着室行ってくるから、呼んだら来てね」

「わかったわ」

「あ、1つアドバイス。理香はきわどいビキニやめた方が良いよ」

 咲恵はそう言って試着室へと消えていった。私も何か選ばないと。

 きわどいビキニはやめた方が良い……布の少ないってことかな……?

「理香先輩が露出多い……、特に上半身の露出が多い水着着ると簡単にナンパされちゃうってことですよ」

 あ~そういう。

 と言っても、自分が可愛いって思うのがいいなあ。でも私が思う可愛いって、漫画とかに影響されるからどうしても露出強かったりひらひらしてたり……。

 なんて思いながら探していると良さそうなのを見つけた。

 これにしようかな……。

 ビキニなんだけどトップスが肋骨くらいまで布で覆われてる。更に上から大きなフリルがついていて、フリルは肋骨の終わりくらいまで垂れてる 。

 色は単色ではなく大きく華やかなお花の柄で、その上ボトムには巻く布みたいなのも付いてる。何この布、可愛いけど。

 サイズの合うものを探してとりあえず手に取る。

 もう1つくらい探そうかな?

「理香先輩、私も試着してきますね」

 という綾ちゃんの手には5着。

 えぇ、『たくさん見比べます』とか言ってなかった!?

「理香~、見に来て~」

 とか思ってると今度は咲恵に呼ばれた。

 皆の早さについて行けない。

 とりあえず呼ばれた以上、咲恵の元に向かう。

「どう?これ」

 人に言っといて自分はこれか。

 咲恵が着ていたのは真っ黒で、フリルの付いた布を巻いたみたいなトップスのビキニ。後ろとか紐じゃないの!

「嫌いじゃ無いけど……、咲恵はきわどいの良いの?」

 むしろ個人的には好きだけど……。とは言わない。

「私には理香みたいな武器は無いから、全身のスタイルの良さを見せる方向で行かないと」

 誰へのアピールなのよそれは。

「とりあえず無しではない……と。これを70点とする」

「う、うん」

「じゃあまた着替えるからあとでね」

 そう言うとまたカーテンを閉めて着替え始めた。

 私も……、空いている試着室の利用をスタッフに伝えに行こうとすると。

「理香先輩~、来てください~」

 今度は綾ちゃんかあ。私はいつ試着できるの?

 綾ちゃんが試着したのは白のフリルワンピースかあ。

「似合ってるんだけど、なんか似合いすぎてテンプレっぽい」

「ですよねえ……私もそんな感じしてました」

 綾ちゃんってストレートのロングヘアで、身長も平均くらい、やや細身。胸も、まあビキニとかよりワンピースのが合うんだけど……。

 だけど……。

「ちょっと違う雰囲気の綾ちゃんも見てみたいかなあ。他に何持ってきたの?」

「これですけど……」

「うわっ……」

 全部同じワンピースの色違いだった。

「そういえば、さっき私が見てた中で綾ちゃんに合いそうなのあったよ」

「えっ、どんなのです?持ってきてもらっても?」

 5着まで持ち込みなのにそりゃだめじゃないの。

「一緒に、見に行こう?」

 誘うと、綾ちゃんは嬉しそうに試着室から出てきた。

 まだまだ、水着選びには時間がかかりそうだなあ。

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