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第25話 トライアングル、ダブルデート(1)

「トライアングル、ダブルデート」の部分は書いていてとても楽しかった部分です。

読んでいて面白いて思っていただけるかは、また別の話ですが……。

 そして運命の土曜日が訪れた!

 いえ、誇張してるけれど。そんな大層なことではないけれど。

 幸いにも腹痛はもう収まっている。大絶賛生理中だけど。無駄に荷物増えるから家にいてたいとも思う。

 しかしそうもいかないので、私は理久の約束の時間だという、正午よりも少し早く多賀先輩と待ち合わせをすることにした。

 そこまで大きくない駅とはいえその前の噴水広場では多くの人が行き交っているし、待ち合わせらしき人の数も多く見受けられる。

 今のところ二人ともまだ来ていないようだ。

「やあ。待たせてしまったかな?」

「………………っ!」

 話しかけてきた相手、少し間をおいて多賀先輩だと分かったけど、最初そうだと気づかないくらい、格好良かった。

 雑誌のモデルとかやっていても不思議ではないくらい。そもそも高い一九〇センチ近い身長に加え、普段は何もしていないのに今日は頭がしっかりセットされている。服装も、なんだかよく分からないけど安物ではないというのは生地の感じから分かる。ちゃんと襟の有る服着てるのも好感もてる。……いや落ち着いて、少なくとも背格好を見て惚れそうになってるじゃないの。危ない。

「い、いえ。そんなには待ってませんよ」

「待たせてしまった時点で、私はデート赤点さ……。自己採点でだけどね。じゃあとりあえずランチでいいかい?予約の時間はまだ先なんだけど」

 ランチの予約とかしてくれてるの。すごいスマート!

 でも待って、それって理久とかのはぐれちゃうじゃないの。

「え~っと……。あ、そうだ。ちょっと休憩してもいいですか?ここまででちょっと疲れちゃって……。そこに座って休憩してもいいですか?」

 といって、理久達二人の待ち合わせ場所が見える場所を指す。

「ああ、かまわないよ。遅れそうなら連絡するから遠慮なく言うといい。予約は十二時半にしてある、場所はすぐそこさ」 

 まだまだ余裕はある。じっくり待たせてもらおう。何を食べるんだろう。こういうのにありがちなパスタとかかな。

「ちなみになんですか?」

「手打ちそばと創作和食だよ」

 渋い!渋いけどすごい興味ある!!

「ええ、美味しそう。楽しみです」

 心から喜んでしまった。先輩も満足そうな表情をしている。

 しばらく待っていると、咲恵が駅から出てきた。待ち合わせ場所が細かく決まっているのか、何かを探すように歩き、噴水の正面で立ち止まった。

 すぐ近くには別の同年代くらいの女子もいるけれど、場所がそこだと決まっているのだろう。でも位置が近すぎて、二人がまるで待ち合わせしているかのように見える。


 ああ、まずい。予定していた電車にのれず遅れてしまった。

 結局駅を降りたのは正午を少しすぎた頃。駅を出て咲恵との待ち合わせの場所へ向かうと、当然ながら既に咲恵が待っていた。

「あ~、ごめんごめん!遅れちゃったー!!」

「理久くーん!」

 咲恵が手を降ってくる。滅茶苦茶嬉しそうに。

「待ってたよ川田くん!!」

 咲恵の女の子も手を上げてこちらに合図をしてきた。しかも待っていただって?

「えっ……?」

 誰。

「あれ……?佐々木先輩ですよね?たしか女子ソフト部の」

 咲恵がそう言った。たしかにグラウンドで見たことが有るかも。名前までは知らないけど。

「ええ。私も待ち合わせに……。来ない可能性はあるな~、と思いながらも来ていたのだけれど」

「待ち合わせ……!?わ、俺、知らないけど!」

 お姉ちゃんも言ってたけど慌てると作ってる口調崩れちゃうな。

「そもそも理久くんは私とデートなんですー!」

 咲恵?俺はデートだとは聞いてないけど?あれか、男女が二人で遊ぶ=デートというやつか。 しかも当日出会ってから言うなんで、女子のあざとさ出てるな~。わかるけど、俺にはそういう考えは元々なかったな。

「私の書いた手紙を読んでくれたのでは……?」

「手紙……?」

「えっ、靴箱に置いておいたんですけど……ハートのシールで封してあるの、見てないです?」

「あっ」

 心当たりある。誰からなのかも分からなかったから鞄に放り込んだ手紙。

「『あっ』って言ったね?」

 ああ……。

「理久くん知ってるの?」

「多分……。火曜か水曜くらいに下駄箱においてあった……」

 中身見てないけど。

「見てくれたのね!ということとはOK……!?」

「いえ、すみません。実は今も封されたまま鞄の奥に入ってると思う」

 なんせ面倒くさいなあと思って放り込んだから、直後には忘れてるね。

「ええ、徹夜して書いた私の気持ち……」

「ちなみに先輩はなんて書いたんです?ああ、重要なところだけでいいですよ、気持ちとか聞きたくないんで」

 咲恵はこの話を切り上げて、早く遊びに行きたいんだろうなあ。出てくる言葉に冷たさを感じる。

「……ここで?こうなったらやり直したいんでせめて藤島さんに説明するだけで許してくれない?」

 なぜ俺を除け者にする?手紙を出した相手は俺なんだから俺にも言ったらいいだろう。

「俺も手紙読んだらわかるんだからもう言ってくださいよ、面倒くさい」

「だいたい想像付いてるから言うけど、それは先輩が可哀想」

「うう……」

 先輩は顔を真赤にしている。さては本当にラブレターだったのか。

「……いいますよ。川田くんが好きだから、最近一目惚れしたから、付き合ってほしい。その気があるなら土曜の正午にここへ来てって」

 ああ、そういう事でしたかあ。でもそういうのって手紙で呼び出して人気のない学校内で告白とかじゃないの。理香の時の友達はそうしてたけど。

「直接言うのは勇気が持てないからこの方法にしたのに、これじゃ意味ないわ……」

 赤くなった先輩の顔はそのままで、目尻に涙をためながら俯いてしまった。

「これは、手紙を読まなかった理久くんがダメだね。気持ちは分かるし、先輩可哀想すぎるから、今日は先輩も一緒に遊びましょ」

「いいの?デートじゃないの?」

 デートとはさっき聞いたばかりなんですけどね。

「ま、デートって私が言ってるだけですから。理久くん両手に花のデートだよ!やったね!!」

 3人でもまだデートって言いはりますか……。

 咲恵は冗談で言ってるかもしれないけど、とりあえず先輩は、間違いなく俺のこと好きみたい。

 いやあ、さすがに彼女とか要らないなあ。まだ彼氏のが気持ちはしっくり来る。

「二人とも、とりあえずご飯にしようよ。ファミレスでもいい?」

「…………」

「…………」

 え、二人ともどうしたの。

「理久くん。初デートにファミレスはダメだよ~。女の子がっかりしちゃうよ?ま、私は許しちゃうけどね!」

「わっ、私だっていいよ!」

 そ、そうなんだ……?俺も先週まで女子だったんだけどな……。

 咲恵とか、二人でファミレス行ったりよくしてたから好きなのかと思ったてた。

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