第9話:新たな出会い 〜謎の少女と古代魔法〜
お待たせしました!第9話です!
土曜日と日曜日は2話ずつ投稿していましたが、今話からはまた1話ずつに戻そうと思います。
さて!今話は少し長めのお話ですが、最後まで読んでくれると嬉しいです!
それでは、本編をどうぞ!
アルスは、1番初めに故郷に帰ることにした。
王都から馬車で約10日かかる位置にある小さな集落だ。
(馬車をどうしようかと思っていたけど。国王様から個人の馬車を出してもらっちゃたから問題はないかな)
幸いアルスは馬の飼育や馬車の操作には慣れていた。
アルスは、荷物をまとめて王都を出発した。
1日目は、道中少し魔物と遭遇する程度で特に何事も無く野宿をするのに最適な場所を見つけた。
(よし! 今日はここで休もう。今日は買ってきた食材で料理をしよう!)
料理が完成し、美味しく食べていた所でふと思い出した。
(そういえばダイアさんから本を貰ってたな。今日は少し読んでみようかな)
食事が終わり早速本を開いてみた。
そこには、魔法のあれこれが書かれていた。
(俺と同じで、魔力が高い人が書いた本だからこれを参考に魔法を使えそうだな……お、早速便利そうな魔法を見つけたぞ! 結界、か、なるほどやってみよう)
アルスは本に書いてあった通りにやってみた。
(まずは、結界を張りたい所に目印を付けて……魔力を目印通りに流す……そうしたら立体になるように魔力を薄く広げる……そこに魔力を更に流す。魔力を流せば流すほど結界は強力になり、より長く持続する……か。へぇ~、すごいな、これならある程度、魔物から気付かれないのか。便利だな。今日は安心して寝れそうだ)
アルスは結界を張り、なぜか勇者パーティにいる時の事を思い出した。
(あの時は俺がいつも強制的に見張り役を任されていたな。アランとの旅はいつも寝不足だったな)
アルスはだんだん眠くなってきて、寝袋に潜り明日の事を考えていた。
(明日の夕食は少し森に取りに行こうかな。馬車での移動中は暇だから魔力の制御の練習でもしておこう)
アルスは深い眠りについた。
翌日もアルスは特に何事も無く目的地に近づいて行った。
王都を出てから7日目、これまで何事もなかったが今日は違った。
アルスは、いつものように水の魔法で体を流して、料理の準備を進めていた時だった。
――キャー!!
森の方から女の人の悲鳴が聞こえた。
(なんだ!? とりあえず声のした方に行ってみよう)
アルスは、声のした方に行くとそこには盗賊と悲鳴をあげたであろう金髪で相当な美人の女の人がいた。
(あの人は襲われているのか? 俺の勘違いだったら嫌だから少し様子を見よう。でも何かあったらすぐに助けに行けるようにしておこう)
盗賊達の話声が聞こえる。
だがアルスには少し遠くて内容までは聞き取れなかった
「いい、エルフの女を見つけましたなお頭。この女、ヒールを使えますぜ」
「ああ、こいつを奴隷として売れば、いい金になるな」
「縛りあげておけ。どうせこんな辺境の森なんて人がいるわけでもない少し叫ばせておけ」
「や、やめて!! お願いします!」
(!! あの人縛られてる? 助けなきゃ!)
アルスは全力で盗賊のリーダーと思われる人にタックルした。
「ぐはっ!?」
「!! お頭! お前は誰だ! 殺されたくなければ今すぐここを立ち去れ!」
手下の盗賊達が武器を構えるが、アルスは怯む事なく全員を瞬く間に気絶させていった。
盗賊を全員縛った所で女の人の縄を解いた。
「君、大丈夫?」
女の人は怯えながら答えた
「は、はい……大丈夫、です。あ、あの~」
「あ、俺はアルスだ」
「アルスさん、ありがとうございます……私は、ティアと言います。実は、エルフの集落から旅に出ていたところなんですが、不覚にも盗賊に捕まってしまって……(アルス……どこかで聞いたことがある名前)」
ティアの耳を見ると、確かに人間よりも少し尖っている。
「エルフのティア、か。無事でよかった。怪我はない?」
「はい、アルスさんがすぐに助けてくださったので……。て、……あれ? アルスさん、右腕に怪我が、今、治しますね。……『ヒール』」
ティアが小さく呟くと、柔らかな光がアルスの傷口を包み、一瞬で消え去った。
「すごい! 回復魔法を使えるの? でも、回復魔法を使える人なんて滅多にいなくて捕まっちゃうかもしれないのに、何で俺なんかに使ったの?」
「その、……アルスさんなら……大丈夫だと思った、からです……」
少し、顔を赤らめながら答えるティアを不思議に思いながらも信頼してくれている事に嬉しく思った。
命の恩人であるアルスに、一瞬で心を奪われてしまったティア。当のアルスは、そんな彼女の様子を不思議に思いながらも、新しい出会いにどこか胸を躍らせていた。
「ティアは、これからどうするの?」
「もちろん! アルスさんがよければ、アルスさんついていきます!」
ティアは元気よく答えた
アルスはいくら魔力が高くても回復魔法は使えないからティアの存在は必要不可欠だった。
「俺は、いいけどティアは本当にいいの? 俺は、一応勇者として魔王討伐を目標に世界を旅してるんだけど……」
「やっぱりそうでしたか! アルスさんは勇者様だったんですね! それでも私は、アルスさんについていきます!」
「そ、そうか、ならここでパーティ結成、ということでいいかな?」
アルスはティアの勢いに押され続け、新勇者パーティが結成された。
「ティア、俺達は仲間として対等な関係になったから敬語じゃなくてタメ口でいいよ」
「分かった!これからはタメ口でいくね!」
アルス達はアルスの建てたテントについた。
(良かった。ここにくる前にあの街でテントを買っておいて。流石に女の子を外で寝かす訳にはいかないからね)
「ティア…………ティア? どうしたの?」
「こ、こ、古代魔法!? これって結界? 結界だよね!」
「……? そうだけど」
「そうだけど、じゃないよ! 結界魔法なんて、今じゃ使える人がほとんどいない失われた古代魔法なんだよ!? それをこんなに強固に、しかも一人で張っちゃうなんて……アルス、やっぱりただの勇者じゃないよね……?」
目を丸くして驚くティアを見て、アルスは(ダイアさんの本、やっぱりとんでもない内容だったんだな……)と、内心で冷や汗をかいた。
「あはは……まぁ、色々と事情があってね。でも、これなら夜も安全だし、ゆっくり休んでよ」
「うん、ありがとう……! 本当にアルスって凄いんだね」
「そんなことないよ。」
少し照れくさそうに笑うアルスを、ティアはキラキラとした尊敬の眼差しで見つめていた。
かつてアランたちに「無能」と罵られ、孤独に見張り役を押し付けられていた旅は、もう終わりだ。
最高のサポート能力を持つエルフの少女を新たな仲間に加え、アルスの「世界で一番自由な勇者」としての旅路が、今ここから本格的に動き出すのだった。
ご覧頂きありがとうございます!
今話は、エルフの(美少女)ティアと勇者アルス(イケメン)の出会いと古代魔法を書いてみました。いかがでしたでしょうか?
ここだけの話、私、ラブコメ大好きなんですよ。
もしかしたら、少しそういう展開があるかもしれませんね。
次回は少しアルスの過去に触れたいと思っています!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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