第33話:魔導具の街ルミナスへ
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ゼクスとの契約を終えたアルスたちは、次なる目的地『魔導具の街ルミナス』へと出発します。
黒幕アランの企みを防ぐための旅ですが、移動中の馬車の中、アルスが初代勇者の本からまたしても面白い魔法を発見して……?
アルスの無自覚な攻撃にドギマギしてしまう、ティアの可愛いリアクションにぜひご注目ください!
――翌朝。
アルスたちは宿を引き払い、次の街へと向かうことにした。
「そろそろこの街を出ないといけないね。ティア、次の目的地に向かう前に、何かここでやり残したこととか、したいことってある?」
「そうだね、う〜ん……。特に思い浮かばないから、何もないかな!」
アルスと一緒ならどこへ行くのも楽しみなティアは、笑顔でそう答えた。
アルスは少し考えた後に、手元にある地図を見ながら次の目的地を決めた。
「次は……そうだな、ルミナスに行こう! あそこなら王都も近いし、アランの企みを止めにいきやすいかもしれないからね。あとは単純に、ルミナスには魔導具の職人が多いって本に書いてあったから、前々からちょっと気になっていたんだよね」
「分かった! じゃあ早速出発ね!」
二人は荷物をまとめると、さっそくお世話になった街の門をくぐり、街道へと足を踏み出した。
「ここからルミナスまでは、今から大体、五日くらいかかるかな」
「五日かぁ、結構あるね。……でも、周囲に気を付けて進まなきゃって思ってたけど、今のアルスって常時『結界』を張りながら『サーチ』まで同時に使ってくれているもんね。もし途中で魔物が襲ってきても、これなら全く焦る必要は無さそうね!」
ティアの言う通り、アルスのサーチと結界のおかげで、道中何度か魔物との遭遇はあったものの、一切焦ることなく安全に対処しながら進むことができた。
――翌日。
この日の馬車の御者台にはティアが座り、パカパカと小気味よい音を立てる馬の手綱を握ってくれていた。その間、馬車の荷台で揺られながら初代勇者の本をめくっていたアルスは、ある面白い魔法の記述を発見した。
「(へぇ~、なるほど……『念話』か。ちょっと試してみよう)」
アルスは本を閉じると、御者台のティアの背中を見つめ、新しく覚えた術式を意識しながら頭の中で語りかけた。
『ティア、今少しだけいい? ――(聞こえてる?)』
突然、誰もいないはずの自分の頭の中に直接アルスの声が響き渡り、ティアはびくうっと肩を跳ね上がらせて驚いた。
「ええっ!? な、なにこれ!? アルス、口を動かしてないのに、頭の中にアルスの声が直接届いてる……!」
慌てて振り返るティアを見て、アルスはにこっと満足そうに微笑んだ。
「これね、『念話』って言うんだ。本を読んでたら載ってたから試してみたんだけど、これ凄く便利だね」
「た、確かに便利だね……!」
ティアは赤くなりそうな顔を隠すように、少し動揺した様子で答えた。
「(な、なにあれ! 今のアルスの笑顔、かわいすぎるんだけど……! もしかして私、アルスのこと好き過ぎかな!?)」
ドクドクと早鐘を打つ心臓を落ち着かせようと、ティアは必死に前を向いて手綱を握り直す。
そんなティアの内心の爆発など知る由もないアルスは、早くも念話のさらなる応用方法について考え始めるのだった。
第33話を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
旅の移動中も一切妥協せず、新魔法『念話』をサクッと習得してしまうアルス、相変わらずの天才っぷりです。常時結界とサーチを維持しながら本を読める魔力量、本当に恐ろしい子……!
そしてラストのティアちゃん……!
アルスの不意打ちの笑顔にやられて「私、アルスのこと好き過ぎかな?」って自覚しちゃうの、ピュアすぎて最高に可愛いです(笑)。馬車の運転、集中できなくなってないかちょっと心配ですね。
応援してくれる皆さんの声を励みに、学業も執筆も両方全力でがんばります!
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無事にルミナスに到着できるのか。
来週水曜日の更新も、どうぞお楽しみに!




