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勇者パーティを追放された剣士、実は魔法が使えて世界最強に!?  作者: きむち
第4章:魔人襲来・魔法剣士と初代勇者編
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第28話:魔人到来

いつも応援ありがとうございます!


前回、魔法剣士としての第一歩を踏み出したアルス。


今回は宿屋での振り返りから、特訓に向かいます。

ティアも驚愕するその驚異のロジックとは……?


そして特訓の最中、平原にあの「おぞましい気配」が突如として姿を現します。一瞬の油断も許されない、緊迫の急展開をどうぞお見逃しなく!

 森での戦闘を終えて冒険者ギルドへと戻ったアルスは、依頼達成の報告を済ませると、宿屋に戻っていつものようにベッドの上で本を開いた。

 手に入れたばかりの新魔剣を傍らに置き、アルスはこれまでの自身の戦いを頭の中で静かに振り返る。


「(そういえば……前に魔王の手下と戦った時の、あの光属性の攻撃はまだ未完成だったな……。光属性と結界を組み合わせれば、理論上は『不可視の攻撃』ができるはずだ。もう少し深く、極めてみてもいいかもしれないな)」


 ――翌朝。

 アルスたちは、いつものように特訓のために平原へと向かっていた。今回は買い物から帰ってきたティアも一緒で、アルスの新しい試みを少し離れた場所から見守ってもらうことにした。


「ティア、ちょっとこれを見てて。……どうかな? 今、目の前で魔法を使ってみたんだけど……見えた?」


 アルスが新魔剣を構え、前方の空間に向けて静かに魔力を放った直後、小首を傾げながらティアに問いかける。

 しかし、ティアは不思議そうにパチパチと目を瞬かせるだけだった。


「え? 本当に今、魔法使った? アルスの手元も、その先の景色も、何も見えなかったし変わらなかったよ?」


「うん、使ったよ。どうやら上手くいったみたいだ」


 手応えを感じたアルスは、満足そうにフッと微笑む。納得のいかないティアは、アルスの顔を覗き込むようにして尋ねた。


「え〜と、それじゃあ本当に何をしたの? 私には、アルスがただ剣を構えただけにしか見えなかったんだけど……」


「結界を発動させて、その中にある空気を完全になくすんだ。そして、その真空の空間に向かって光属性の光線を撃ち出すと――光の屈折や空気の揺らぎが一切起きないから、相手からは完全に見えない『不可視の攻撃』ができるんだよ」


「――!? そ、それって……ものすごいことじゃない!?」


 アルスがさらりと口にした驚天動地の新理論に、ティアは声を大にして驚愕した。


 完全に見えない、気配すら察知できない超高速の光の一撃。そんなものを実践で使われたら、敵は自分がなぜ斬られたのかすら分からずに絶命することになる。


 アルスの底知れない成長スピードに、ティアが改めて戦慄しているその時だった――。


 ――ドゴォーーーン!!!

 凄まじい地響きと、鼓膜を引き裂くような大音響が平原に響き渡る。

 立ち込める漆黒の霧を突き破り、アルスたちの目の前に「それ」は突如として姿を現した。

 周囲の草花が一瞬で枯れ果てるほどの、圧倒的でおぞましい魔力の奔流。ティアはその正体が本物の『魔人』であると本能で認識した瞬間、一気に顔を青ざめさせてガタガタと震え出した。


『お前が、アルスか?』


 底冷えするような声で、魔人がアルスを睨みつけながら問う。対するアルスは、突然の事態に警戒度を最大に引き上げながらも、毅然とした態度で答えた。


「そうだが?」


『そうか……』


 魔人が低く呟いた――次の瞬間だった。


 ドッ、と空気が爆ぜる。

 視界から魔人の姿が完全に消えた。あまりの超高速の踏み込みに、あのアルスですら全く反応することができず、ノーガードの体に魔人の強烈な一撃をモロに食らってしまった。


 凄まじい衝撃波とともに、アルスの体が平原の地面を何十メートルも吹き飛んでいく。

 

『……ふん。これでも、一撃で死なないか。人間の器にしては驚異的な頑丈さだが……まあよい、次で終わりだ』


 即座に追撃に移り、アルスの命を確実に刈り取るべく拳を振り下ろす魔人。

 しかし、吹き飛ばされながらもアルスの意識は完全に冴え渡っていた。地面に激突する寸前、彼は体内の魔力を爆発的に循環させる。


「――『結界』!!」


 ドカァン!!!と再び激しい衝撃音が響く。だが今度は、アルスが瞬時に展開した強固な結界が、魔人の必殺の拳をガチリと完璧に防ぎ止めていた。


『――なんだ、お前……。あの忌々しい勇者どもと同じような技を使ってくるな』


 自身の攻撃を完全に防がれた魔人は、不快そうに目を細めて拳を引き、アルスを値踏みするように見下ろした。

 結界を解き、口元の血を親指で拭いながら立ち上がったアルスは、不敵に笑って魔人を睨み返す。


「お前こそ誰だよ! いきなり殴りかかってきやがって!」


『我の、真の名を知りたいか。……よかろう、我が名はゼクス。かつて世界を震撼させた『魔人』だ』


「魔人? なんでこんなところに? それになんで俺を狙う?」


『我は、我が封印を解いてくれた奴の願いを聞いて、それを実行しているだけだ』


 ゼクスの口から語られた、謎の黒幕の存在。


 相手に一切の油断は通じない。アルスは新魔剣の柄に手をかけ、鋭い視線でゼクスを見据えた。


 ――ここに、アルスと魔人ゼクスの、世界の命運をかけた激しい戦いの火蓋が切って落とされるのだった。

第28話を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


アルスの「結界で真空を作って放つ不可視の光線」、理屈がめちゃくちゃカッコよくて、書きながら自分でもテンションが上がっていました!


……が、そのお披露目をする間もなく、魔人ゼクスが凄まじい地鳴りとともに襲来してしまいました。あのアルスが反応しきれないほどの超スピード、そしてノーガードへの強烈な一撃……今までにない本当の強敵の登場です!


ゼクスの口から出た「封印を解いてくれた奴」という言葉に、アルスがどう気づくのかも今後の見どころです。元勇者アラン、本当に余計なことしかしないやつですね(笑)。


「アルスの新技のロジックが凄すぎる!」「ここからの魔人との大決戦が気になりすぎる!」と思ってくださった方は、ぜひ作品の**【ブックマーク登録】や【評価の星(★★★★★)】**をポチッと押して応援していただけると、ここからの大バトルシーンを執筆する手が爆速になります!


ついに始まった魔人との決戦、アルスの技は通用するのか!?


次回の更新もどうぞお楽しみに!

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