花見編 下北沢その2 ライブハウス 〜異世界に紛れ込んだ年寄りが、「男」になった〜
下北沢駅下のパン屋で、昼食を済ませ、いざ、異世界のアイドルライブへ。
昼食を済ませ、ライブハウスに向かった。ライブハウスの受付で、ワンドリンクのウーロン茶を飲んで開演を待った。その間に、壁一面に貼られている色紙を見ると、有名グループのサインがたくさんある。ここはそれなりのライブハウスであることがよく分かる。
遮音ドアから会場内に入ると、客というよりも、近親者や関係者が数名椅子に座っていた。どうせならば前の席に座ろう、と思い、2列目中央に陣取った。しかしながら、なんでオレがこんな異世界で地下アイドルのライブを観なくちゃならんのか、と座面の固いスツールに腰かけて開演を待った。
大音響の曲に合わせ、双子がステージに上がった。中学3年生と聞いていたが、こまっしゃくれた雰囲気もなく、どうみても小学5年生に見える。
「お遊戯会じゃないぞ……。大丈夫か?」
と思わず心配になってしまう。
アップテンポなビートに合わせ、ダンスしながら歌唱をしている。歌は、下手ではない。ハモってもいる。ダンスは、さすが双子。息が合ってシンクロしている。アップテンポな曲でもとっ散らかっていない。
なぜここに いつの間にやら 刻む足
曲が進むにつれ、結構やるじゃん、と思うようになった。あとで聞いた話だが、歌った10曲すべて双子のための新曲であり、ダンスはすべて双子が考えて振付したそうである。すごいことなのかもしれない。
ライブ終了後、握手会が行われた。せっかくだからと列に着こうとしたら、列の一番前になってしまった。
初めての 男はオレか 握手会
双子が将来メジャーデビューでもしたら、最初に握手したのは私です、と胸を張って自慢できるかもしれない。双子の夢は、東京ドームでのライブだそうだ。そういえば、彼女らが歌った曲の歌詞に「あの日みた夢に、近づいてますか?」という歌詞があった。夢は大きい方がよいだろうが、いつになったらその夢を実現できるのだろうか?それまで、私は、生きているだろうか?
あの日みた 夢を草葉の 陰からか
傍らで、双子の祖母である同級生が、
「売れたらどうしよう。芸能界なんてドロドロだろうし……。心配だわ。」
などと呆れたことを言っていた。
老婆心 双子たぬきの 皮算用
ライブハウスを出ると、外は暖かかったが、ヒューヒューと吹く風は強く、帽子を手で押さえながら、近くの昭和ジャズ喫茶へ向かった。
閉演後、昭和から続くジャズ喫茶に行った。そこで、昭和の家庭の象徴を見た。
ジャズ喫茶 コーヒーよりも 玉暖簾




