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京都編 2日目 帰路・帰宅 ~♪旅ゆけば〜、駿河の国に〜京茶の香り~

 「川柳垂れ流し紀行 京都編」の最終章夫婦漫才珍道中も佳境である。

 名神高速から新名神高速に入り、静岡に向かって順調にクルマを走らせた。後部座席の住人も快調にいびきをかき続けている。デパ地下運動で、昼の白ワインの酔いが回ったのだろう。この状況では、こちらが睡魔に襲われても運転を交替してもらうわけにはいかない。昼食を食べた時間が遅かったため、お腹がなかなか空かないが、さすがに睡魔に襲われ出したので、最寄りのSAに入り、缶コーヒーと柿の種を購入した。

 私にとっての柿の種は、睡眠防止剤で、眠眠○破とかの眠気予防飲料よりもはるかに効く。いつぞや、この効能を知り合いのトラック運転手に話したら、後日、効果てきめんとの報告を受けたほどだ。

 閑話休題。クルマに戻ると後部座席の住人はお目覚めであった。例のコンタクトレンズの不具合はないようだが、脚の(すね)が痛いそうだ。ヤレヤレ……これではお()りだな、と思いながらも、両脚の脛をマッサージしてやった。わが家の飲酒後のお約束である。惚れた俺が悪いのさ……。

「あ・り・が・と。これでスッキリした」

と、のたもうたマダムは、クルマを走り出して数分後、またもや眠りに落ちていた。

 

 気がつけば またもや眠れる (もり)美女(ばば)


 クルマが静岡県に入り、安心したのか、いきなり空腹感に襲われた。ちょうどその頃、後部座席のマダムも目覚めていたため、SAで夕飯を食べることとした。

「なに食べる?」

と聞くと、

「これ、これ」

と家人は、にやにやしながら紙袋から2品取り出した。それは、デパ地下で購入した鯖寿司のハーフと煮しめである。

「どうせSAには京都に勝るものなんかないわ。」

と毒付きながら、包装紙を広げだした。

 この切り口が白兎に見えることで有名な鯖寿司は、京都に行くと必ず食べるほど気に入っている。煮しめは、1000円ほどであるが、家人は大いに気に入り、また京都に行ったときはこれも必ず買おうといった。

 

 車内まで 京を持ち込み 食べ納め

 

 食後、1時間30分ほどで、わが家に着いた。ホッとしてソファにドッカリと座り、月並みだがやっぱりわが家が一番落ち着くな、とぼんやりしていると、休養十分な家人は、デパ地下で買った和菓子を食べるため、お湯を沸かし、昼間に玉露を飲んだ老舗茶舗で購入した煎茶を淹れようと茶筒を開けた。


 茶筒開け 部屋に京が 香り立つ

 

 やっぱり京都のお茶は香りからして違うな、と思い、煎茶の味がどんなものか楽しみに食卓に着いた。家人は、茶筒に入っていた「美味しいお茶の淹れ方」のマニュアルを見ながらその指示通りにお茶を淹れて、それぞれの湯飲み茶碗に注いだ。老舗茶舗で、私は玉露を飲んだが、家人は土産に買った煎茶と同じものを飲んでいた。

 

 取説と 同じにやっても 戻らぬ京

 

 美味い、と私は思った。だが、家人に言わせると、あの京都の店で飲んだような風味は残念ながら出ていないそうである。

「まぁ、そうでなければ、直接店で飲む価値がないからね。」

と慰め言葉を言いながら、そっと家人を見ると、家人はもう平気な顔をしてお気に入りの和菓子を頬張っていた。

 

 何食わぬ 顔をしながら 和菓子食い


家人の機嫌が良いのが、わが家の円満の秘訣である。

 これで「京都編」は完結。ここまで、拙文を読んでいただき感謝いたします。

 次回からの「川柳垂れ流し紀行」は新章「花見編」となります。

 今後もよろしくお願いいたします。

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