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新宿編その2 〜有名俳優の余韻を食す〜

 予想の斜め上の情報の嵐に揉まれたり、階段立ちっぱなしになったりして、すっかり疲弊した心身を癒すために、映画館の向かいにある百貨店に足を向けた。

 伊勢丹新宿店7階にある食堂街を目指し、エレベータで一気に駆け上がった。(階段はもう勘弁である)人気店はどこも店前の廊下に置かれた席に行列ができていた。すでに1時を過ぎていたため、とにかく早くエネルギーを注入しなくては、と行列のない老舗うなぎ屋に入った。

 メニューの値段と財布を見比べて、2人とも「うな重 梅」にした。しばらく待つと注文の品が来た。蓋をしたお重、お吸い物、お新香が、お盆に載せられていた。お吸い物は、うなぎの肝とみつばと(の具が入っていた。どうしてうなぎ屋のお吸い物はどこも「うなぎの肝、みつば、麩」なのだろう?うなぎ屋協会が、談合でもしているのだろうか?お新香は、胡瓜と大根の糠漬けが2片ずつ小皿に入っていた。

 主役である朱塗りのお重の蓋を取ると、控えめながらも存在感のあるうなぎの蒲焼が、白飯の上に鎮座ましましていた。蒲焼の色は、きつね色で表面がつやつやしていた。それに、特製のたれと山椒の粉をかけて食べた。味は今まで食べたうなぎの中で一番あっさりしていながらも香ばしく、舌に残らない洗練された品格のある味だった。

 ここで一句

 味 (かろ)く 粋な老舗の 朱塗り重

 食後は、百貨店のおきまりの場所に向かった。

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