044-088/092 人形の記憶②
******************************
目が覚めたら、そこは日中の東都の上空だった。
どこまでも広く、遠くの港まで綺麗にくっきりと見えている。
なぜ、こんな場所に居るのか。
―― 何も思い出せなかったが、やることは解っている。
止めを刺しそびれた怪盗ホーリーに、今度こそ止めを刺すために居る。
―― 今ノ、私ハ、冷静、ダ。
だが、気付けば怪盗ホーリーは、既に白雲運河の腕の中に居た。
怪盗ホーリーを追ってきたのだろう、赤いシスターが白雲運河に背負われている。
—— 何が、起きた?
『我に返ったか? 鬼よ』
白雲運河の言葉で、ぼやけていた視界が戻ってくる。
いつの間にか夕方になっていたのか、地平線がオレンジ色になってしまっていた。
『我が来た時には、既にこの娘に憑依し、娘に負けて、娘に呑まれていたようだ』
—— 私が、負けた?
『だが、後半で魔力暴走に至ったのだろう。しかし、強制的に排除させてもらった』
―― 私ガ、負ケタ?
『また夢に戻るか。それもまた逃げの一手だろう。
だが、良いのか? 現実を見ないままで』
私は、自分の身体を見た。
見た、はずだった。
—— どこにも、私の身体は存在しなかった。
******************************
こちらの次の更新は3日後くらいになります。
輪廻篇(本編)が追い付かないので!




