038-000 夢か現か⑦
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「おかえりなさい」
少女が優しく出迎えてくれた。
目を覚ましたのは病室のベッドの上だった。
「貴方の鍵は、どれも悪夢ばかりなのね」
少女が微笑みながらも壁を見れば、壁一面にはびっしりと鍵がかけられていた。
その大半が黒く錆びてしまっている。
中には青錆びもある。
「これが …… 私の、鍵?」
「ええ、そうよ。ここは貴方の為の病室だもの」
数値の書かれた鍵と、書かれていない鍵。
錆が酷くて鍵の原型を留めていないものもある。
それらの違いは全く分からない。
だけど、大半が黒に染められていて気色悪かった。
「黒いのは貴方にとって良くないこと。大半は病気かな。でも錆びてるのは不吉」
説明を聞きながらも、私はあるモノを発見する。
鍵の先が複数に分かれているモノがあった。
「死にたくないんでしょ?」
急に少女が真面目な表情で私に訊ねた。
私は目を丸くする。
「死にたくないなら、独りが怖いなら、世界を崩壊させないように行動しなければならない、とは思わない?」
悪夢が蘇る。
背筋に汗が伝った。
少女の言う通り …… 世界が崩壊してしまったら、私の行動だけではなく、全ての行いに意味はなくなってしまう。
ここが記憶の病院ならば、全ての記憶が集っているのならば、恐らくは世界を崩壊させない為の鍵がどこかにはあると思う。
「でも、どうして貴方は ……」
私の悪夢を知っているのか。
「えいっ」
だけど、その理由を知る間もなく、少女は私の胸元に1本の鍵を突き刺した。
そして、捻る。
「いってらっしゃい。そして見てきなさい」
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『助けてあげる』
少女は笑顔で私を迎えてくれた。
『その代わり、貴方は貴方のままではいられなくなる』




