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038-000 夢か現か⑦

******************************


「おかえりなさい」


 少女が優しく出迎えてくれた。

 目を覚ましたのは病室のベッドの上だった。


「貴方の鍵は、どれも悪夢ばかりなのね」


 少女が微笑みながらも壁を見れば、壁一面にはびっしりと鍵がかけられていた。


 その大半が黒く錆びてしまっている。

 中には青錆びもある。


「これが …… 私の、鍵?」

「ええ、そうよ。ここは貴方の為の病室だもの」


 数値の書かれた鍵と、書かれていない鍵。

 錆が酷くて鍵の原型を留めていないものもある。


 それらの違いは全く分からない。

 だけど、大半が黒に染められていて気色悪かった。


「黒いのは貴方にとって良くないこと。大半は病気かな。でも錆びてるのは不吉」


 説明を聞きながらも、私はあるモノを発見する。

 鍵の先が複数に分かれているモノがあった。


「死にたくないんでしょ?」


 急に少女が真面目な表情で私に訊ねた。

 私は目を丸くする。


「死にたくないなら、独りが怖いなら、世界を崩壊させないように行動しなければならない、とは思わない?」


 悪夢が蘇る。

 背筋に汗が伝った。


 少女の言う通り …… 世界が崩壊してしまったら、私の行動だけではなく、全ての行いに意味はなくなってしまう。

 ここが記憶の病院ならば、全ての記憶が集っているのならば、恐らくは世界を崩壊させない為の鍵がどこかにはあると思う。


「でも、どうして貴方は ……」


 私の悪夢を知っているのか。


「えいっ」


 だけど、その理由を知る間もなく、少女は私の胸元に1本の鍵を突き刺した。


 そして、捻る。


「いってらっしゃい。そして見てきなさい」


******************************


『助けてあげる』


 少女は笑顔で私を迎えてくれた。


『その代わり、貴方は貴方のままではいられなくなる』


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