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034-000 夢か現か⑤

『たすけて!』


 叫んでも、ここには誰も来てくれない。

 はぁ、はぁ、と息を上げるのは、叫ぶことに疲れたから。


 でも、それ以上に ――


******************************


 目を覚ましたのは、どこかのベッドの中だった。


 知らない家屋。

 周囲には小動物の気配以外には何も感じ取れない。

 古びて朽ちる壁。


 しかし、水道は健在だった。


 適度な準備をしてからその家の外に出てみる。


 真っ直ぐ伸びた太い道路の先には、半分崩れている病院が建っていた。


 病院は既に廃業しているらしく、内部は凄く荒れ散らかされていた。

 しかし、悪霊や悪鬼などは居ない。


 本来、こういう場所には何かしら居着いたりしているものだが、先程までよりも小動物の気配は全くといって感じ取れなかった。


「貴方も無痛で来院?」


 気配は全くしない。

 だけど、明らかに声は聞こえた。


 しかも、聞き覚えがある声。

 懐かしい、幼い声。


 私は導かれるように小児科の受付があった方面へと歩き出す。


******************************


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