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032-075 自分か他人か②
このトップにも注意書きしてありますが。
輪廻篇(本編)を読んでいないと、この辺りから非常に内容が解りにくくなります。
悪しからず。
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学校に、行きたかったのかもしれない。
仲良く話しながら千尋と純がどこかへと歩いて行く。
純の笑顔なんて久々に見た気がする。
―― 良かったね、純。
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目を覚ましたものの、花菜子が用意してくれた布団から起き上がれなかった。
体が硬直して動かない。
いや、動かせられない。
頑張って力を入れてみても、上にある布団を持ち上げることさえできなかった。
『誰か、助けて ……』
声を発してみた。
でも、全く気配がないここでは誰にも気づかれる訳が無い。
しかも、発した声は遠くに届かせる程の魔力を持っていなかった。
原因は、解っている。
恐らくは、劇薬だと思う。
最低でも2日に1回は服用しなければならないのに、ここで暮らすようになって、劇薬が尽きたことに気付かなかった。
もっとも、効力が切れたら動かなくなるなんて思ってもいなかった。
動けないのに、睡魔には襲われる。
目を閉じたら、私は死ぬかもしれない。
解っているのに、瞼は自然と落ちていった。




