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才能EXの落ちこぼれ召喚士〜成長の鍵は地脈だった!?〜  作者: SN


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第4話 神社巡り


「……やっぱり神社なのか?」


ゴロのステータスを見つめながら、蓮は呟いた。


階位は確かに上がっている。


昨日の初詣。

そして今日の神社。


二日続けて成長した。

偶然とは思えない。


「でも……」


夏希も本殿を見つめる。


「去年も神社へ行ったんだよね?」

「ああ」


去年は学園近くの小さな神社。

簡単に参拝を済ませ、そのまま訓練へ戻った。


何も起きなかった。


「じゃあ神社だけが理由じゃないのかな」

「その可能性もある」


蓮は腕を組んだ。

候補はいくらでもある。


元旦だから。

初詣だから。

神社の規模。

祭神。

場所。


何も分からない。

その時だった。


「だったら!」


夏希がぽんと手を叩く。


「他の神社も回ってみようよ!」

「……今から?」

「うん!」


夏希は笑う。


「まだお昼だし。

 今日は予定もないでしょ?」


蓮は時計を見る。

まだ昼を少し過ぎたところだった。

正月休み。

時間は十分ある。


「確かに」


夏希は続ける。


「一社だけじゃ偶然かもしれない。

 でも何社も回って同じなら、偶然じゃなくなるよ」


蓮は思わず笑った。


「そうだな」


検証回数を増やす。

それが一番確実だった。


「よし」


蓮は頷く。


「回ろう」

「うん!」


肩の上のシェアが、「ピィ!」と元気よく鳴く。

ゴロも負けじと、どんっ!と胸を叩いた。


四人はそのまま次の神社へ向かった。


歩きながら。

蓮は少し照れくさそうに口を開く。


「付き合わせて悪いな」

「ん?」

「検証ばっかりになるぞ」


夏希は笑う。


「私は好きだよ。

 蓮と一緒に答えを探すの」


その一言に。

蓮は少し照れながら笑った。


「……ありがとな」

「うん」


夏希も嬉しそうに笑う。


◇


一社目。

住宅街の外れにある小さな神社だった。


鳥居をくぐる。

石畳を歩く。

本殿へ近付く。


すると。


──バッ。


ゴロが蓮の肩から飛び降りた。


「今回もか……!」


ゴロが地面へ両手をつく。

土の身体が淡く光り始める。


「やったね!」


夏希が声を上げる。

肩のシェアも、「ピィ!」と嬉しそうに羽ばたいた。


光が収まる。


蓮は急いでステータスを確認する。


──────────────────────


【ゴロ】

存在階位:F3 → F4


──────────────────────


「上がった」


ゴロは飛び跳ねるように喜び──どんっ!

と胸を叩いた。


「やっぱり!」


夏希も満面の笑みを浮かべる。

シェアも嬉しそうにパタパタと羽を動かす。


蓮はノートを取り出した。


『一社目 成功』


そう書き込む。


「続けよう」


◇


二社目。

変化なし。


「……あれ?」


夏希が首を傾げる。

シェアも同じように首を傾げた。

ゴロも不思議そうに腕を組む。


蓮はノートへ書き込む。


『二社目 失敗』


◇


三社目。

変化なし。


「また駄目か」


蓮が呟く。


「神社なら全部じゃないんだね」


夏希も真剣な表情になる。


『三社目 失敗』


◇


四社目。

少し大きめの神社。


再び本殿へ近付く。


ゴロは反応しない。

光らない。

階位も変わらない。


「うーん……」


夏希は困ったように唸る。

肩のシェアも、


「ピィ……」


と小さく鳴いた。

ゴロはしょんぼり肩を落とす。


「気にするな」


蓮は笑って頭を軽く叩く。


「失敗も大事な情報だ」


ゴロは顔を上げ、小さく頷いた。


◇


夕方。

近くの公園で休憩する。


蓮はノートを広げた。


成功。

失敗。


順番に並べる。


「共通点は……」


神社の規模。

祭神。

参拝客。

建立年数。

境内の広さ。


思いつく限りを書き並べる。

しかし。

一致するものは何一つなかった。


「分からないね」

「……ああ」


夏希が困ったように呟く。

蓮は同意しながらもその表情は暗くはなかった。


「でも」


ノートを閉じる。


「すべての神社が失敗だったわけではない」


ハッとしたように夏希が蓮を見る。


「成功した神社もあった。

 条件は存在するが、非常に厳しい条件というわけではない。

 今はそれが分かっただけでも前進だ」


夏希は笑顔になる。


「そうだね!一歩前進だ!」

「ああ、そうだな」

「じゃあ明日も行こう!」

「──っ! いいのか?」

「もちろん」


ゴロは、どんっ!と胸を叩いた。

シェアも、「ピィ!」と元気よく鳴く。


「……ありがとな」


蓮は照れくさそうに笑い、夕日を見上げた。


◇


翌日。

二人は少し離れた町まで足を伸ばした。


五社目。

成功──存在階位がF5へ上昇。


六社目。

失敗。


七社目。

失敗。


八社目。

成功──存在階位がF6へ上昇。


結果は昨日と同じだった。

成功と失敗が混ざる。

法則だけは見えてこない。


「何が条件なんだろう……」


夏希が呟く。

蓮はノートへ記録を続けた。


◇


その日の夕方。

家へ戻ると、母が何気なく言った。


「せっかくだし、今度は八剣神宮にも行ってみたら?」


県内でも有名な大神宮。

初詣には県外からも人が訪れる場所だった。


蓮はノートを見る。


明後日には学園に戻る。

県内とはいえ神宮がある場所は蓮の家からは遠い。

行くとしたら一日掛かりだ。


少し悩み、


「……行ってみるよ。

 正月休みの最後の〆としては丁度良いし」


神宮に行くことを決めた。

夏希も誘ってみると二つ返事で了承が来た。


◇


翌日。


巨大な鳥居。

長い参道。

圧倒されるほど広い境内。


ゴロも。

シェアも。


辺りをきょろきょろ見回していた。


「ここだけ空気が違うね」


夏希が小さく呟く。

蓮も同じことを感じていた。


本殿へ近付く。


すると。

ゴロが飛び降りる。


身体が光る。


今までよりも──ずっと強く。


「えっ……!?」


光が収まる。

蓮はステータスを見る。


──────────────────────


【ゴロ】

存在階位:F6 → F8


──────────────────────


存在階位は──二段階。

一気に上昇していた。


「二つ……上がった?」


夏希も息を呑む。

ゴロは飛び跳ねて喜び。

シェアも嬉しそうに空を一周飛び回る。


「こういうパターンもあるのか……!」


蓮はノートへ記録をつける。


◇


帰宅途中の電車。

蓮はノートを見つめる。


成功した神社。

失敗した神社。


そして大神宮。


分かったことは二つ。

神社ならどこでも成長するわけではない。

そして。

成長量にも差がある。


「まだ条件が足りない。

 もっと検証しないとな」


夏希は嬉しそうに笑う。


「うん。一緒に探そう」


ゴロが胸を弱めに叩く。

小鳥もパタパタと優しく羽ばたく。


止まっていた時間は。


もう確かに動き始めていた。


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