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8.襲撃

「あの女への処分、甘過ぎないか? カーナだって辛い目に遭ってきたのだろう?」

彼の名前はマリガン・カスタード。先日の乱闘の際、フレアを横合いから蹴りつけた男だ。


彼はフレアの乱行に憤っていた。真面目な性格故にイジメをしていた事は許せなかったし幼馴染に親友である殿下への暴行は論外だった。


「わ、私の事は良いのです、彼女は退学になりました。ただ殿下に対する暴行は私も許せません!」

フレアの被害者であるカリーナは自分に優しくしてくれた殿下への暴行を問題視していた。



「それでも彼女は殿下に公式な場で謝罪をするようですし」

殿下は自分のような平民にも優しく接して下さった方だ。それが侯爵令嬢の気に触ったとなれば申し訳なく思う気持ちが無いわけでは無い。


「それが甘いと言うのだ、例え侯爵令嬢といえどあれだけの事をしたのだ、謝罪など受け入れる必要は無いさっさと処分をしてしまえば良いものを!」

そう言う彼の視線の先には魔法ビジョンがあった。


この世界には魔法もある。だが、大きなエネルギーを扱う事は出来ず、精々眩し程度の光を出したりそよ風程度の風を起こすのが限界だった。

動力や武器として使うには弱く戦争に於いても目眩ましや通信程度にしか使われてはいない。

だが、通信分野での発達は目覚ましく、テレビのようなものが普及しつつあった。

これから、殿下にフレアが公式に謝罪する会見が流れようとしていた。


場所は教会。

フレアは反省を表し教会に入るとの事だった。修道女の格好を跪き深くフードを被っていた。


「わざとらしい真似しやがって性悪女が! まあ殿下から婚約も解消されて侯爵令嬢といえど行き場は、そこしかないかもな」

マリガンは忌々し気に悪態をつく。


跪き頭を下げるフレアのもとへ、殿下が現れる。殿下は、フレアと同じようにフードを深く被った修道女を従えていた。

その様子に、カリーナはわずかな違和感を覚えた。


「マリガン様、あれはフレアではありません!」


その叫びに呼応するかの如く殿下の後ろに控えていた修道女がフードを跳ね上げると殿下に襲い掛かった。

両手を組んで後頭部に叩きつけるーースレッジハンマー!

不意を突かれたチャールズはぐったりと崩れるが、容赦なく何度も殴りつけられる。


「あり得ない、警護のものは何をしている!」

マリガンが声をあげる。女相手に護衛をつけるのを躊躇ったにしても相手はあの頭がおかしい女だ無用心過ぎる。

彼自身も親友の「大丈夫だ」という言葉を信じ、近くに居なかったのが悔やんだ。



朦朧とする殿下の手にスタンプのようなものを押しつけると無理やり契約書のようなものに手形を押させた。

会見用のマイクを掴むと、フレアは勝利の叫びを挙げた。

「オーッホッホッホッ! 魔女の契約書は絶対! 間抜けな王子サマは我が手に落ちましたわ!」

そう言って契約書を掲げる。


掲げた契約書には見慣れない文字と王子の手形が刻まれていた。


そこで魔法ビジョンの映像が途切れ代わりに『事故のため放送を一旦中止しております』と表示される。



「一体どうなってやがる、魔女の契約とは何だ?」

訳の分からない展開にマリガンが吐き出す。もちろん答えなど期待していない。


「契約…まさか結婚?」

カリーナは思い至った、婚約破棄もされたと聞いている一か八か怪しい儀式に頼ったとしても不思議ではない。



しばらくして事態が落ち着いたのか魔法ビジョンの映像が切り替わる。覗き込んだ画面には信じられない文字が浮かんでいた。



             電撃決定!

 リーガル次期王座決定戦 60分1本勝負

 リーガル王家正統後継者 チャールズ・リーガル VS 鮮血の魔女 フレア・ブラッシー



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