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庭での戦局には変化が生じようとしていた。
「延々と逃げ回っていても状況は改善されない……」
CPは一人呟く。あれからCPは相手の情報を得つつ接近戦を回避していた。しかし、それでは負けることはなくとも、勝つこともまた出来ないという事実に直面していた。それにそもそも運動能力では劣るのだ、いつミスで攻撃を通されるかわからない。そんなCPの視界に、自転車ヴァイストロンとの戦闘を凌いだばかりの流星とスマ子が入る。
「そうだ……私は元来頭脳労働タイプだ。ならばそれなりのやり方がある」
不敵な笑みを浮かべるCPの反撃が始まる。
「はい、可能です☆ 少々お待ち下さい☆」
流星と共に戦況を見守っていたスマ子が突如喋り出す。
「何だ急に? 一人言か?」
「今CPさんからちょっとお願いされまして☆」
「直接話さなくてもコミュニケーションが取れるんだったな。それで、どんなお願いだ?」
「待って下さい☆ 先にお願いを叶えてから☆」
スマ子はいつもの多彩な表情から一転、能面のように無表情になり、何事かを処理している様子だ。
「ふー☆ 完了です☆」
「CPは何だって?」
流星はゴリラと一定の距離を保ちつつじりじりと移動するCPを見ながら質問する。
「俯瞰視点からの庭の状況をリアルタイムで送ってくれ、というものです☆」
「そんなことが出来るのか?」
スマ子の視点からでは庭を俯瞰することが出来ないはずだ。
「ちょっとそこの監視カメラを借りれば可能です☆」
スマ子は流星家の向かいの家の玄関に取りつけられた監視カメラを指差しながら、事もなげに言う。
「ハッキングもお手の物ですか……」
「後でちゃんと戻しますから☆」
「控えめに言っても地球の危機だから仕方ないか……」
流星は異星人達のすることにいちいち反応することが馬鹿らしくなっていた。
「CPさんはこの情報で一体何をする気なんでしょうか☆」
「聞いてないのか?」
「説明をしている暇はないと言われました☆」
CPはゴリラと絶賛戦闘中である。少なくとも戦闘のために可及的速やかに必要な情報だったからスマ子にお願いをしたはずだ。
「スマ子の情報のおかげで策の準備も万端だ……。それでは、こちらから行かせてもらう!」
防戦一方と思われていたCPがついに動き出す。CPはゴリラの周囲を円を描くように移動し始める。対するゴリラはその動きを見失わぬように常にCPを捉えるように動く。膠着していた状況に変化が生じる。
CPがゴリラに向かい疾走、攻撃を開始する! と思いきやそのまま通り過ぎ、カブに向けて当たらないデザートイーグルもどきを撃ち続けるハコの背中を蹴り飛ばす。
「いってー! 何すんだコノヤロー!」
背中を蹴り飛ばされ無様な前転をしたハコが激昂する。
「今のは私だ!」
ハコを蹴った力を利用し宙に飛んだCPが叫ぶ。CPはそのままゴリラの頭上を越え元の位置に戻る。着地とほぼ同時、ハコがCPに向けてデザートイーグルネイルガンを乱射。しかしハコの撃った釘の群れはCPに届かず、その間にいたゴリラの背中に突き刺さる。ゴリラはCPの動きばかりに気を取られ、背後にまで配慮が至らなかった。
「ナイスだ! ハコ!」
背後に攻撃を受け狼狽したゴリラに対し、CPはここぞとばかりに殺到する。ゴリラがそれを寄せ付けまいとめったやたらに腕を振り回す。しかし、そんな精細を欠いた攻撃が当たるわけもなく、CPはゴリラの背後を取り、拳を繰り出す。
「単純な私の攻撃力だけではダメージを与えられないが、これならどうだ!」
CPはゴリラの背に未だ刺さったままの釘に拳を打ち付ける。効果は覿面。ゴリラは苦痛に顔を歪める。致命傷を与えようとCPはトドメの一撃を、放てなかった。今まさに打撃を与えようという瞬間に、ハコからの弾丸がCPの鼻先を掠めたからだ。その隙にゴリラは退却する。
「まあこうなる気はしていたが……」
怒りに身を支配されたハコが血走った眼でCPを睨みつけている。
「殺す……マジ殺す……」
「本当にすまないと思っている。他に方法が無かったのだ。わかってくれないか?」
「わかるか! 一応仲間なのに足蹴にしてんじゃねーよ!」
ハコは喚き散らしながらCPに歩を進める。
「ハコ後ろ後ろ」
CPがハコの後方を指で指しながら言う。ハコの相手をしていたカブがこれ幸いとばかりにハコの背後から襲いかかる。
ガゴっ! 打撃音が響く。ハコは後頭部を一撃され顔面から地にめり込む。体をくの字に曲げて大地と一体化しているハコをローキックで攻めるカブ。鈍い音が耳に障る。
「今のは私は悪くないと思うぞ……」
先回りで言い訳をしつつCPはハコの元に急ぐ。CPが接近したので、カブは後ろに飛んで二人と距離をあける。
「……殺す……」
CPは自らの下方から声を聞く。地面が何か話すわけはない。地中でハコが呟いたのだ。
「そのなんというか……大丈夫か?」
CPは自らの行動からここまでの結果になってしまった負い目を感じていた。CPの目算よりもハコが酷い目に遭ってしまったからだ。
ガバリとハコが地面から起き上がる。CPは常よりも殺気を纏ったハコの姿に言葉を失う。ハコの両の目は爛々と真っ赤に色を変えていた。そこにCPがいることも忘れているかのように幽鬼の如くゆらりと動いた刹那、ハコはカブ目がけて跳躍していた。
戦いの最中、空中に身を置くことは避けるべきだ。何人も宙で軌道を変えることは出来ない、相手に有利になってしまう。そんな闘争のセオリーを無視したハコの跳躍は、案の定、カブの攻撃を誘う。
カブはハコの顎を狙って鋭いアッパーを打つ。直撃。常人なら落下の力と上に向けて放たれた拳の力の相乗効果で意識を飛ばしてしまう、それどころか死に至っても何らおかしくない。しかし、ハコはカブの攻撃を食らいながらも、自らも拳を叩きこんだ。首を仰け反らせながらもカブの右頬に上方からのクリーンヒット。
先ほどのハコのように地面に伏すカブ。すぐに起き上がろうと行動し始めるが、ハコがそうはさせない。立ち上がろうと顔を上げたカブの顎に振り抜くような蹴り。カブは無様に仰向けに倒れる。ハコはカブにのしかかりマウントポジションを取る。それからは一方的な戦い、いや、もはや戦いと呼べるものではない、一方的な暴力が行使された。振り上げた拳を力の限り打ち付ける洗練されていない打撃がカブを襲う。地面に叩きつけられ跳ねかえったカブの頭部に無慈悲な攻撃を加えるハコ。
「ハコ! それくらいでいいんじゃないか……? 相手は気を失ってる……」
流星は目の前で繰り広げられる凄惨な光景に思わず声をかける。腕をだらりと力なく下げたカブは意識を失っており、顔面からは茶色のオイルらしきものが流れ出ていた。
ハコの動きがピタリと止まり、拳を振り上げたまま流星の方に顔を向ける。赤い双眸と交差する流星の視線。恐怖で顔が引き攣りながらも、流星はもう一度制止の声を掛ける。
「もうやめろ。俺の庭を殺人現場にする気か?」
異星人も広義の人なのでこの言葉の使い方は間違っていない。ハコはマウントポジションを解除し、ふらりと立ち上がる。
「アアアアッ……」
声を掛けられたハコは呻き声を漏らしながら後方にばったりと倒れる。
「ハコ! 大丈夫か!」
気を失ったハコを抱きかかえる流星。軽く揺すってみるがハコは目を開かない。
「力のオーバーユースで一時的に身体機能を停止させたのだろう」
いつの間にか流星の傍にやってきていたCPが原因を推測する。
「じゃあ命に別条はないのか?」
「しばらく寝ていれば治るだろう」
「そうか、よかった……」
「それにしても無茶苦茶な戦い方でしたね……」
流星の胸ポケットからスマ子がぽつりと呟く。
「怒りに我を忘れていたのだろう。この一件について私は反省するべき点があるな……」
CPが苦々しい表情を浮かべつつ言う。
「元はと言えばCPがハコにあんなことをするからだぞ。そもそもスマ子の力で離れていても通信出来るんだから打ち合わせをしておけば良かっただけの話じゃないか。これからはちゃんとみんなと協調して戦えよ」
「ああ……肝に銘じておく……」
CPに自分が悪い、という自覚があるからか素直に流星の忠告を聞く。
気絶したハコを抱えた流星、スマ子、CPはレイの様子を確認するために移動する。
前庭にレイはいた。体のあちこちに傷を作っていることから戦いの熾烈さが窺える。
「大丈夫か、みんな」
緊張感を切らさずに穏やかに微笑むレイ。自らも傷を負っているのに他者の心配をする姿は、正にリーダーの風格を湛えていた。
「ハコはどうしたんだ? 負傷したのか?」
レイは流星の抱えているハコに気付く。
「戦闘で力を使いすぎて一時的に意識不明になっている。しばらくすれば気がつくだろう」
「そうか、なら私は私の仕事をすることにしよう」
レイと相対するドゥカティの目はどこか余裕を感じさせる。
「他の奴はみんな負けたようね。まったく使えないんだから」
「部下を悪く言うのはよくないんじゃないか?」
「あなたには別に関係のないことでしょう? 全くあの頃からいつもいつも……あなたは小言ばかり……」
「そんなに迷惑だったのか……。ちょっとショックだな……」
二人の会話は旧友同士のそれだった。命を取り合う戦いの最中とはとても思えない。
「はぁ……そろそろケリをつけようかしら」
気軽い会話から一転、ドゥカティの女の目に紅の殺気が灯る。
「……!」
本気で攻めてくることを察したレイが身構える。
「エクス・エグゾースト!」
耳慣れない言葉を放ったドゥカティの体に変化が生じ始める。ドウカティは体をくの字に曲げて苦しそうに呻き、猛る。
「アアアアァァァァァァァ!」
ドゥカティの背面の腰の辺りから、左右一本ずつバイクのマフラーのようなものが突き出す。鈍い銀色をしたそれは地を震わす低音を発し、白煙を辺りに撒き散らす。
「あれがあいつの能力か……」
ハコが特殊な戦闘能力を発揮したようにヴァイストロンもまた、同じように独自の能力を持っていると推測する流星。
「あれは一体どんな力だろうか? 実に興味深い」
「私の真価を発揮させていただきますわ!」
ドゥカティが大仰にそう言い、レイに向かって疾走を開始する。
「早い!」
赤い影がレイの懐に飛び込む! そしてそのまま行き過ぎて庭に設置されている物置に激突する。
「身体能力の大幅な向上とは厄介だな……。しかし、まだ扱いきれていないようだ」
流星宅の物置に深刻なダメージが与えられているが全く意に介さないレイ。対照的に流星は口を大きく開けてショックを隠せない。物置の扉は既に原形を留めぬほどにひしゃげ、中に収納されていた工具などが辺りに散乱している。
「あれだけ恰好つけておいてこれは恥ずかしいですね☆」
よろよろと土煙の中から出てきたドゥカティはそのボディ同様真っ赤な顔をしている。
「自信満々で披露したが実は初めて使ったんじゃないか? 彼女たちもここに来たばかりのはずだろう?」
CPはあくまでも冷静に考えを述べる。
「こほん……私の真価を発揮させていただきますわ!」
「あっやりなおした」
「そこの地球人五月蠅い! ちょっと黙ってなさい!」
右腕をブンブン振り回しながら流星を指差して喚くドゥカティ。しかし、それがヴァイストロンの来襲によって我が家に壊滅的ダメージを受けた流星の逆鱗に触れる。
「五月蠅いだぁ!? 人ん家の庭でがちゃがちゃ暴れた挙句、五月蠅い黙れとは宇宙人ってのはマナーってもんがなってねぇな! これにはさすがの俺も業腹ですよ! よし! レイやっちまえ!」
「……自分ではやらないんですね☆」
「怒る気持ちは察する……。だが、流星すごく恰好悪いぞ」
スマ子とCPが流星を客観的に見て、残酷な意見を開陳する。
「俺も今のはどうかと思う!」
腕を組みふんぞり返りながらも流星の顔もまた赤味が差している。
「黙れって言ってるでしょう」
「ヒィッ!」
剥き出しの殺意を向けられて流星は情けない声を上げる。
「相手は私だろう。余所見をしないでくれ」
「そうでしたわね。あなたの後に全員仲良く殺しましょう」
言い終わるか否かの間際からの速攻。もはや流星の肉眼では視認できないスピードでドゥカティがレイに仕掛ける。
「ぐぅ!」
レイが呻き、膝をつく。
「何が起こったんだ!?」
「今の瞬間に五発のパンチと三発のキックをヒットさせていますね……。レイさんが致命傷にはならない位置に打撃点をずらしていなければ勝負は決まっていました……」
珍しく深刻な顔をしたスマ子が戦況を報告する。
「スマ子、お前今のが見えたのか?」
「監視カメラの映像をスローで再生しました☆」
「しかし、これはやばいんじゃないか……?」
レイが負けたら先の発言で矛先がこちらに向く、と流星は戦々恐々とする。
「わたしたちのリーダーはそう簡単に負けません☆」
「レイは易々と相手に不覚を取るような真似はしない」
スマ子、CPには絶対的な自信があるようだ。
「レイがあんな奴に負けるか……」
流星の腕の中で眠っていたハコもいつの間にか起きている。
「ハコ、大丈夫なのか?」
「体に力が入んない……けど大分楽になった……」
「あーそのなんだハコ……申し訳ないことをした……」
「……」
しかし、ハコは無視をする。二人の仲は随分と拗れてしまったようだ。それも無理はないが、仲間なのだからそのままでは問題だと流星は思い、仲を取り持とうと発言する。
「CPも反省しているから許してやってくれよ、ハコ」
「今は放っておいてよ、流星。ちょっと時間が必要なんだ」
外野がとやかく言おうとも、ハコの気持ちがすぐに切り替えられるわけでもない。それはその場の皆が思っていることなので、結局一同は黙ってしまう。
ドゥカティとレイの勝負は、能力を発動したドゥカティが圧倒的に押す形になっている。レイは致命傷を受けることは何とか避けているが、反撃に転じることが出来ないでいる。そもそもあまりの速さに捉える事が出来ないのだ、いつかはレイが負けてしまうのではないかと流星は心配になる。
「このままでは不味いな……」
レイは誰にともなく呟く。追い込まれたレイはある決断をする。本来の性格上、不確定な要素は戦いに持ち込みたくないが、事ここに至っては仕方ないという判断を下した。
「どうしました! これで終わりですか!」
ドゥカティは尚も速度を増し、一向に攻撃を緩める気配はない。
「ふっふっふっ……」
レイは攻撃を食らいながらも不敵に笑う。流星はその尋常ならざる様子に戦慄する。
「あれは何か思い付いたみたいですね☆」
「勝機を見出したようだ」
「一体どうする気なんだ?」
「それはわからないが、レイは意味もなく戦闘中に笑うような性格はしていないからな」
「確かに……」
レイは戦いに悦びを感じるタイプではない、あの笑いは次の一手への布石。突如、レイは声を張り上げドゥカティに向かって言い放つ。
「この勝負、お前の負けだ」
「何ですって!?」
怒りを露わにしたドゥカティがレイを睨む。
「その能力は実に厄介だ。しかし、とっておきというのは後出しした方が勝つのだ!」
わざとらしくドゥカティに指を突きつける行動は明らかに相手を挑発している。
「安っぽい挑発だな……。あんまり慣れていない感じがする……」
「レイさんはああいうのあんまり得意じゃないようですね☆」
それでもドゥカティには効果があったようで、両の腕をわなわなと震わせながら怒りに燃えている。
「そう……ならばこれで決めて差し上げますわ!」
挑発をされて頭に血が上ったドゥカティは一直線にレイの元へ。能力の扱いに慣れたのか、初期よりもスピードは増している。しかし、レイは内心、相手が御しやすい性格で良かったと安心する。それまでドゥカティは速さを活かしてジグザグな動きも交えてレイに攻撃を加えていた。いくら早いと言っても軌道を読まれてしまえば意味がないことを理解しているのだ。
しかし、ただこの一度、レイの挑発により攻撃の軌道を決定付けられたドゥカティ。
「はぁぁぁっ!」
気合の発声、レイは両の手を一度引き、勢い良く前に突き出す。手の平の前に白い光体が出現する。
「ちぃっ!」
危険を感じ取ったのかドゥカティは軌道を変更しようとする。しかし、時既に遅し。
「もらった!」
レイは光体を撃ち出す。高速の光体は軌道を変えようとしているドゥカティの左半身に命中する。瞬間、ドゥカティの体の半分が氷漬けになる。氷は地面に伸び、ドゥカティの体を硬直させる。直撃は避けたもののドゥカティは身動きが出来なくなる。氷から逃れようともがくが効果はない。
そして、その隙を逃すレイではない。その場から跳躍し、一挙に距離を詰め、渾身の力でドゥカティの顔面に右ストレートを叩きこむ。
「ぶばぁっ!」
情けない声を上げ、ドゥカティの体は宙を舞い、地に落ちる。
「勝ったのか……?」
流星は未だ現実感が持てず、ぽつりと呟く。
「大勝利ですっ☆ さすがはレイさんですね☆ やりました☆」
スマ子は流星の胸ポケットから飛び出して躍り出さん勢いだ。
「勝手に勝利宣言しないでくれるかしら」
ドゥカティはゆらりと立ち上がる。口の端についたオイルを拭いながら、変わらず殺意に満ちた視線を向ける。
「やはりあれしきのことでは倒れないか」
レイは気を抜かずに臨戦態勢だ。
「続きをしたいところですが……どうやら時間切れのようですわね。やはりあれかしら? ハイオクの方が良かったのかしら?」
土埃をぱたぱたと払いながら、ドゥカティは独り言を呟く。
「逃げるのか?」
「あら? 私が常に勝てる戦いしかしないのを忘れたのかしら?」
不敵に笑ってドゥカティは流星達に背を向ける。さっとカブを抱えたゴリラと自転車ヴァイストロンが後ろにつく。
「あいつインシュロック引きちぎったのか!」
「レイ、追うか?」
「いや、こちらは負傷者を抱えている。追うのは止めよう」
流星の腕の中のハコはいつの間にか再び眠りの淵に沈んでいた。
「今回は痛み分けと言ったところか」
「まあ最も痛手を受けたのは我が家なんだけどな……」
流星は地面が抉れた庭や完全に破壊された物置、外板に打ち付けられた釘の群れを見ながら悲しそうに呟く。
「こういう時に地球ではなんて言えばいいんでしたっけ☆ そうだ☆ ドンマイ☆」
「うるせぇ!」
父が帰ってきたら何と言い訳をしたらいいのだろうか、という思いが流星の頭の中を支配していた。




