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54 散歩
54 散歩
資料室を出ると、ギルドの訓練場が目に入った。騎士団が冒険者たちに、スリングショットの扱いを教えている。その中には、先日の馬車の護衛をしていた面々も混じっていた。
「やはり、あの石の効果をすぐに信じろというのは無理があるな」
隣を歩くフェルナンドが苦笑まじりに言う。
「僕もそう思います。見た目はただの石ですからね」
「そうだな」
フェルナンドが楽しそうに笑った。
「さて、まずはどこへ行こうか?」
「高いところ。この街を一望できる場所がいいです」
「それなら城の塔だな。行こうか」
「もう!」
「わざと意地悪を言ってるんですか?」と僕が詰め寄ると、彼は「いや、願いを叶えてやりたいと思ってな。俺なら顔パスだし」と涼しい顔で返す。
「もう!」
「悪かった。公園に行こう。少し歩くが、見晴らしのいい場所があるんだ」
二人は、並んでゆっくりと歩き出した。
時折、隣の彼を盗み見ると、必ずと言っていいほど目が合う。
もしかして、ずっと僕のことを見てるの?
それって、つまり――




