ゼンイチの日記 ≪魔法の探求≫
基礎魔法について書いてみました。不動産管理が関わってくる日はくるのか・・・
この世界に来て三ヶ月。
水魔法は、まあまあ上達したと言っていいと思う。短時間なら、バケツをひっくり返したような水流を出せるようになった。蛇口なしでシャワーのように水を出せるってだけでも、結構便利だ。
で、せっかくだから「強力な水鉄砲」を作れないかと考えてみたんだけど……これがうまくいかない。運動エネルギーを加えて、弾丸みたいに水を飛ばすイメージだったんだけど、実際には水分子に直接作用していたらしくて、結果はなぜかスチーム。
あれ?って思ったけど、これが意外に役立つ。スチームを服に当てると、シワがきれいに取れる。アイロンいらず。朝の準備がちょっと楽になった。
試しに今度は逆――運動エネルギーを奪う方向で念じてみたら、今度は水が凍った。氷の魔法、ってやつだ。最近暑くなってきたから、これは大助かり。氷水を作って飲んだり、氷を入れたバケツを部屋に置いたりして、ちょっとだけ日本の夏っぽくなった。クーラーはないけど、これだけでも全然違う。
火魔法の方は、最初はてっきり“炎を出す”もんだと思ってたけど、厳密には風魔法の応用って感じだった。少し変わったライター(着火石部分と持ち手に石がついたもの)を使う。石に魔力を注ぐと可燃性ガスが出るらしい。
この「ガスの操作」が上達すると、人間火炎放射器が完成するらしいけど、これがまた難しい。ガス操作には風魔法を用いる。空気中には魔力が漂っているのか、動かすのはそれほど難しくないんだけど、特定の“ガスだけを”操作しようとすると、途端にうまくいかない。なんたってガスは目に見えないし……。最初は、どこぞの大佐みたく人間兵器を目指そうとも思ったが、軍には火魔法に特化した専門の魔法使い(人間兵器)がいるらしいし、このライターも軍用品で、市場には出回っていないとか…日常ではあまり役に立たなさそうなので、習得は後回しにすることにした。
水、火、風ときて、次は土か?と思ったけど、土の魔法はどうやら実用性が低いらしい。土そのものを自在に操る方法は確立されていない。せいぜい、泥を乾かしたり、土壁を焼き固めるくらい。土のような質量のある物質を魔力操作で動かすのは厳しいようだ。
結局のところ、この世界で基本魔法として使われているのは水・風の二つ。それ以外の魔法――たとえば呪いや、動物を操る魔法、物を切断する魔法なんかは、そもそも原理が分かってないようだ。
使ってる本人ですら「なんとなく使えるから使ってる」って感じらしい。
でも、俺にとってはこの“なんとなく”が楽しい。
魔法って、結局は「魔力を通じて物理現象を引き起こす技術」だ。原理があるなら解明したいし、応用も考えたくなる。おそらく、基礎化学や物理の知識があるおかげで、魔法のイメージがしやすいんだと思う。
久しぶりに、実験してる感覚が戻ってきてる。理科の自由研究をしてる小学生みたいな気分だ。――いや、今はむしろ中年の魔法研究者か。
魔法が使えるってだけで、この世界は面白い。
便利に使うにはまだ時間がかかりそうだけど、焦る必要はない…はずだ…
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