表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
50/61

森の奥の会話

――森のさらに奥、月光すら届かぬ湿った静寂の中。


フードを被った二つの人影が、倒木の陰で佇んでいた。片方がぽつりと呟く。


「……まさか、マッドグリズリーで殺せないとはな」


その声には苛立ちよりも驚きが混じっていた。


「昨日の今日で雑な作戦立てるからじゃねぇの?」


もう一人が肩をすくめ、責めるように返す。だが相手は落ち着き払った声で言い返した。


「街中じゃ手が出しづらかった獲物が、自分から森に出てきたんだ。最高のタイミングだった。多少の損失は承知で“狂獣化の魔石”まで使ったんだがな……誤算だったよ」


「誤算、ねぇ。あの転移者はともかく、同伴してた連中――ギルドマスターは、おそらく今回の襲撃が偶然じゃないって気づいてるぜ。しばらくは静観しときな」


その忠告にも、もう一人はわずかに首を振る。


「ダメだ。ゼンイチはもう、死ななければならない。我が一族が再び繁栄を築くための礎になってもらう必要がある」


「……次の手は?」


「警戒は強まるだろうな。だが、それでも隙はある。気づかれぬよう、追い詰めればいい。好機は必ず訪れる」


会話の間、ひとりがマッドグリズリーの死体へと歩み寄り、その額に透明な魔石を当てた。


「……やはり、死体からじゃ回収効率が落ちるな」


魔石が、じわじわと薄紫に変色していく。変化が無くなったところで、それをポケットにしまい込む。


「……まだ、小型のモンスターであれば使えるな…」


フードの男たちは、何も言わず森の奥へと消えていった。残された地には、グリーングリズリーの死体と、次の不穏の匂いだけが漂っていた。

モチベーションアップのためにも

ページ下部の☆を押して評価をお願いします!

(人´ω`*)♡ ★★★☆☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ