武器をつくろう ~冒険者ギルドでの聞き込み1~
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武器の素材について調べるには、まず現場の話を聞くのが一番だ。そう考えた俺は、王立図書館を出て冒険者ギルドへと足を運んだ。
昼過ぎのギルド内は、依頼をこなした帰りらしい冒険者たちでそこそこ賑わっている。軽く周囲を見渡したあと、カウンターに立っていた女性職員に声をかけた。
「すみません。ギルドマスターのゲイルさんにお会いしたいんですが……今、お時間いただけますか?」
受付嬢は俺の顔を見るなり、軽く目を見開いた。異世界から来た変わり者として、すっかり顔を覚えられてしまっているらしい。
「ゼンイチさんですね。少々お待ちください。ギルドマスターに確認いたします」
ぺこりと丁寧に頭を下げ、奥へと姿を消す。その様子を見送りながら、俺はギルドの壁にかかった大小さまざまな武器をぼんやりと眺めた。剣、槍、斧、弓――どれも使い込まれた実戦仕様だ。
(魔法と組み合わせるなら、どんな武器が向いてるんだろうな……)
そんなことを考えていると、奥の扉が開き、大柄な男が姿を現した。鋭い眼光に親しみのある笑み。ギルドマスター、ゲイルだ。
「おぉ、兄ちゃん、今日は一人か! 今度は何の道具を作る気だ?」
相変わらずの気さくさに、思わず肩の力が抜ける。俺は少し照れながら応えた。
「いや、今回は道具じゃなくて、そろそろ自分の身を守るための武器を造ろうかと思って」
ゲイルは目を細め、また笑った。
「武器を“造る”って発想が、やっぱり兄ちゃんの面白いところだな」
その笑い声は豪快だが、どこか安心したような響きも混ざっていた。
「兄ちゃん用の武器ってことなら、こっちも安心して紹介できるぜ。変わった道具に魔物素材なんか使われると、また面倒になるからな」
「……何か、あったんですか?」
「おう」とゲイルは短く頷き、腕を組んで語り始めた。
「前に兄ちゃんが配管のパッキンに使った素材、あれ……アルミラージの角だったろ? あれの影響で、アルミラージの素材価格が一気に跳ね上がっちまってな」
「えっ……?」
「おかげで首都近郊の森じゃ、アルミラージの乱獲が始まっちまってさ。あいつら、臆病で普段は森の奥に隠れてるのに、数が減りすぎて大変だったんだわ」
「乱獲……」
「そう。数が減ったせいで、いつもは森から出てこないブラックウルフが餌を求めて人里近くに現れたりしてな。一時期、森周辺はざわついてたぜ」
知らなかったとはいえ、俺の発明がそんな影響を及ぼしていたとは……思わず胃のあたりが重くなる。
「……すみません。俺、もう少し慎重に動くべきでした」
そう言うと、ゲイルは首を横に振り、意外なほど穏やかな表情を見せた。
「いや、兄ちゃんがそこまで気にすることじゃねぇよ。それだけ役に立ったってことだしな。おまけに、国王陛下がすぐに動いて、アルミラージの養殖を始めてくれたおかげで、今はだいぶ落ち着いてる。安くて旨いアルミラージの肉も、王都じゃ流通し始めてるぜ」
少しだけ胸のつかえが取れた気がした。だがこれからは、魔物素材の選定にはもっと注意しようと心に誓う。
「それは……よかったです。次からは、もっとちゃんと調べてから使うようにします」
「まぁ、らしくもねぇけどな。兄ちゃんがそんな風に気を使うのは」
そう言って、ゲイルはにやりと笑った。
「――で、話を戻すが。武器を造るって? 今度はどんな変わったモンを考えてるんだ?」
やっぱ無難に刀…ガンブレード…あえて槍とかナイフとか…




