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戦闘訓練…

翌朝――


 ゼンイチはほとんど眠れぬまま、ふらつく足で王立図書館へ向かった。陽光に照らされた街の賑わいは、昨夜の恐怖がまるで幻だったかのように穏やかで、けれどゼンイチの心は落ち着かなかった。


「……おはよう、ティア。今日は早いね」


 静かな一室で待っていたティアは、ゼンイチの顔を見るなり表情を曇らせた。


「ゼンイチさん顔色が……昨晩、何かあったんですか?」


 ゼンイチは椅子に腰を下ろし、重たい口を開いた。


「実は……昨夜、帰り道で襲われたんだ。フードを被った男に、剣で……。なんとかスチームで逃げ切ったけど」


 ティアの目が驚きに見開かれる。


「そんな……まさか、この近くで、狙われるなんて…………。私の考えが足りませんでした。…本当に申し訳ありません。」


 深々と頭を下げるティアの姿に、ゼンイチは苦笑した。


「いや、ティアのせいじゃないよ。でも、今後どうするか考えないと……」


「そうですね………日中は大人数で襲ってくる可能性は低いと思いますし、護衛は引き続き私で十分かと思います。夕方以降は、王都警備隊に専属の護衛を出してもらうよう依頼しておきます」


「えっ……護衛って、ティアって戦えるの?」


 ゼンイチは思わず問い返す。いつも本を抱え、穏やかな笑顔を浮かべているティアの姿からは想像もつかなかった。


 ティアは少し照れくさそうに笑いながらも、頷いた。


「今は異世界文化の研究が主な任務ですが、もともとは王国軍に所属していたんです。風魔法が得意で、戦闘訓練も受けていますよ」


「……それ、初耳なんだけど」


「異世界人の案内役として、危険から身を守ることができて、異世界文化に精通している者が必要だったんです。それで、私が選ばれました」


 ゼンイチは驚きと共に、深く納得した。これまでの冷静な対応や規律のとれた行動にも、確かに軍人としての下地があったのだと。


「そうか……。ありがとう、ティア。でもさ……俺も、もう他人任せにしたくないんだ。もしまた襲われたら、自分で自分の身を守れるようになりたい。だから、戦い方を教えてくれないか?」


 ティアは一瞬目を丸くし、ふっとやわらかく微笑んだ。


「そのつもりでいましたよ。ゼンイチさんは、すでに十分戦えるレベルの魔法を習得していますから」


「え? 俺が? でも、今までやってたのって生活魔法の訓練じゃなかったの?」


「ふふ……比べる人がいなかったからですね。確かに最初は生活魔法の範囲で教えていました。でもゼンイチさんの魔法レベルはすでに生活魔法の範囲を超えてますよ」


 ゼンイチは目をぱちくりさせながら、自分の手を見つめた。


「……知らなかった」


「ゼンイチさんは習得がとても早かった。わずか一年半で、今のレベルに達するのは本当に稀です。魔法学校でも見たことがありません」


 少し誇らしげに言うティアに、ゼンイチは照れたように頭をかいた。


「よし……戦うしかないな」


「ええ。これまでは魔法の精度を高める訓練が中心でしたが、今日からは本格的に戦闘用に特化した内容にしましょう」


「覚悟を決めるよ」


 ゼンイチは静かに笑い、ティアも応えるように頷いた。

異世界っぽく戦闘パートも入れていけたら…ただ、マンションから離れていきそうで…悩みどころ

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