滝
そうこうしている間に
滝近くの駐車場についた
もうすでに駐車場はいっぱいだったが
かろうじて一つ空いていて止めることができた
セミはジージー大合唱だが
滝の音が聞こえてくるだけでも
かなり涼しく感じる
夏樹
「ね、澪
今日はさ
どっちが滝を上手に撮影できるか
勝負しない?」
澪
「えー?いいけど
そんなの夏樹のが上手に決まってる」
カメラ歴は圧倒的に夏樹の方が長い
過去にはコンテストで受賞したこともある実力の持ち主だ
夏樹
「澪、そんなこと決めつけないで
もちろんテクニックとかもあるけど
ある一瞬を美しく切り取ることってテクニックだけじゃないと俺は思うよ
だから
その一瞬をより美しく切り取ることができた人が勝ちね?
いい?じゃあ15分たったらここに集合だよ?」
澪
「わかった
よし、じゃー、私いくね!」
夏樹
「足場気をつけてー」
澪
「夏樹もだよー」
俺は大丈夫だよ
心でつぶやいて夏樹はシャッターを押した
15分後…
夏樹
「どう?とれた?」
澪
「うん!とれた
ここで見せ合いっこする?」
夏樹
「んー、帰ってからにしよう」
「ところで、そろそろ喉乾いたんじゃない?
あっちのカフェのほう行こうか?」
滝から森に続く小径の先に
かわいいログハウスのカフェがある
そこのコーヒーゼリーパフェは人気だ
澪
「私、パフェにしようかなぁ」
夏樹
「じゃあ俺はアイスコーヒーにする」
お店の入り口は、色とりどりのドライフラワーがたくさん飾られている
とても可愛らしくて、いい香りだ
夏樹
「あ、そうだ
澪に言わないといけないことあった
明日からしばらく出張にいくんだ」
澪
「そうなんだ
どこに?」
夏樹
「今まで行ったことがないとこだよ」
澪
(ふーん)
夏樹はたまにこういう曖昧な言い方をする
それは…教えたくないからじゃなくて
澪の反応が楽しいからだ
『え?どこかなあ
あ、あそこ?それともあそこ?
もぅ、教えてよ!』
どうしても聞き出そうとする澪の仕草が可愛くて、夏樹は好きだった
だから
これ以上焦らすと澪がそっぽ向くなっていうところまで、言わなかったりする
でも最近、澪もそれに慣れてきて
(ふーん)で終わらせるから
夏樹としては肩透かしだ
澪
「じゃあ、帰ってきたら
この間話してた焼肉屋さんいかない?
それか…今日の夜ご飯、焼肉にする?」
夏樹
「んー…今日はさ
食べたいものがあるんだ」
澪
「じゃぁ、夏樹の食べたいものでいいよ
なに?」
夏樹
「澪のハート付きオムライス!」
澪
「え?それがいいの?
じゃあ私、愛情いっぱい入れて作るよ笑」
夏樹
「ありがとう笑
俺も手伝うからさ
帰りにスーパー寄って帰ろう」
夕焼けで山が赤く染まる
その合間をすり抜けて
二人はスーパーへと向かった




