第24章 占いに依存する女
最初は楽しかった。田舎にいるより、ずっと刺激的だった。
しかし、就職やビジネスを一緒にするとなると、結婚以上に厳しい世界だった。
私は占いにハマって、ありもしない未来に出会う結婚相手に期待し、待つようになった。
仕事は派遣で様々な会社で務めたが、30歳近くの派遣社員を誘う男性は一人もいなかった。
現実を突きつけられた気がした。占いに来ている女性たちは、同じような目をしていた。
自分を磨けば男性から言い寄られると思い込んで、様々なセミナーにも行ってみた。
そこにも怪しいグッズや、会員制の宗教じみたスクールなどを紹介されて試してみたりもした。月の満ち欠けで、その日にやるべきことがあると聞いて試してもみた。
(今日は高級なホテルのカフェかラウンジで過ごすといい)と書いてあったので、
帝国ホテルでお茶してみたけれど、何も起こらない。
(北にある神社に参るといい)と言われて参拝しても、何も起こらない。
九州まで行って、自分磨きのセミナーで色々なことに気づくことはできたけれど、
現実が変わるはずもない。わかっていた。
来ている女性たちが年齢以上に老けていたし、オーラが輝いていなかったからだ。
努力すべきことが違っている。でも、どうしたらいいのか分からない。
毎月、毎週、毎日の占いから目が離せない。
朝テレビでやっている星占いまでも気にするようになる。
「そうか。赤色のものを付けたらいいことがあるかも?」などと真剣に信じるようになる。
滑稽なくらい無責任な情報に翻弄され、お金も随分使った。自分磨きをするならまだいい。
エステや美容院に行くとか、お洒落な服や靴を買うとか。
あるいは、高い会費の婚活パーティーに行った方が成果が出たかもしれない。
ただ、待っていた。誰かが自分を好きになってくれることを。
誰かが自分をこんな状況から救ってくれることを。具体的なイメージもない。
どうなりたいかという理想もない。成り行き任せで他人に運命を依存し、ただ日々を過ごしていた。
いや、少し年齢のいっている男性や、風采の上がらない男性から言い寄られたことはある。
その都度、自分の価値が下がったことを嘆き、プライドだけは高く、
周囲とのコミュニケーションも辛くなって引きこもってしまった。
一緒にご飯を食べてくれる人もいない。
孤独のまま、半額シールを貼られたお弁当を温めて食べていたら泣けてきた。




