24/36
第23章 東京で取り戻す自分らしさ
東京は7年ぶりなのに、自分の街だと感じる。
ほっと溜息をして、家柄や親のことを考えないで自分らしく生きることができる。
誰も私のことを知らない。悪口も言わない。このまま独身だって許される街だ。
大学を卒業して新卒で入った商社と比べたら、
お給料も少ないし、派遣なのでいつ契約が切られるか分からない。
安定はしていないが、前の会社のようなハラスメントはない。
私が若くないせいもあるが。同じような女性がたくさんいるので安心する。
もう男は愛せないのだから、諦めて、たくさん取った資格を生かして何かを始めるのも自由。
婚活パーティーから異業種交流の会に参加し、ビジネスチャンスを狙うのもなかなか楽しい。
結婚ゴールの出逢いより、刺激的で世界が広がる。
何かやりたいことがあれば資金援助は父がしてくれると言っていたし。
西荻窪の少し贅沢なマンションに住み、いろいろな会社で派遣として働き、
5時になったらベンチャー企業の集まりや経営者の勉強会に参加する。
次第に結婚よりもビジネスに興味が出て、自分が稼業を継いでも良いのではないかと考え始めた。
女性としては終焉かもしれないけれど、ビジネスを始めるにはまだ若い。
経営者の中には同じ大学の先輩や後輩もいた。
跡取りの多い大学だったので、どこに行ってもコネクションがあって助けられた。




