第1章 悲しすぎる突然の別れ
悠は好きすぎて、いつもどこかが触れていないと不安で仕方なかった。
会えない時間が辛くて、寂しくて、涙が止まらなかった。
いつも胸がドキドキして、苦しくて仕方なかった。
抱かれても、幸せ以上に寂寞の思いが積もるばかりだった。
恋がこんなに苦しいなら、いっそ終わらせてしまいたいと思うくらい、
感情の起伏に翻弄され、正常な判断などできなくなっていた。
私の世界には悠しかいなかったし、他の人は目に入らなかった。
二十二歳の春。
誕生日に、悠は来なかった。
約束をしていたのに、連絡もつかなかった。
私はお腹を空かせたまま、マスカラでぴんと巻き上げたまつげを濡らし、
黒い涙を醜いと思いながらも止めることができなかった。
付き合って三年目の浮気。
いや、飽きられたのだと思った。
悠と付き合っている時の私は、借りてきた猫のように大人しかった。
嫌われたくなくて、言いたいことも言わない。
欲しいものも、やりたいことも我慢していた。
彼といたいばかりに、友人との約束も付き合いも二の次。
気がつけば、失恋の痛手を相談できる友人もいなくなっていた。
ある日突然、連絡も取れなくなり、居場所もわからなくなった。
ただ、貯めていた貯金通帳はなくなっていた。
郵便局に紛失届を出したが、とっくに残金はゼロ。
被害届も一応出したが、内縁の夫のような存在だと言われ、
あまり相手にされなかった。
そして私は、二度と男を信じない、愛さないと誓った。




