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プロローグ


悲しい時には遠くの空を見る。

一生懸命やっても報われない。どれだけ尽くしても愛されない。

永遠の愛を誓った仲でも、心は浮雲のように移りゆく。

たった一度の恋に固執するのはおかしいと、わかっている。

突然の別れ。耐えがたい現実。

いずれ、そんな傷は癒えるのだろうか。忘れ去ることは

できるのだろうか。子供を産み育てるという生物的な

ミッションが女にはある。

結婚、出産のできる年齢へのカウントダウンが始まる。

親や周囲の人にせき立てられ、何人もの男を紹介されても、

心が受け付けない。


あの日から止まったままの人生の行方は――。

過去を見てばかりいないで、顔を上げて遠くの空を眺めてみよう。

昨日と同じようで、少し違う。時間によって様相を変える空が

、何事もなかったかのようにそこにあった。

考えても仕方のないこと。あの時、この時、こうすれば良かったと

後悔しても、現状が変わるわけではない。別れもあれば、出会いもある。

前の彼氏・悠に裏切られなければ、今の彼と付き合うことはなかった。

尽くして尽くして、稼いだお金も全て使われ、自分のためには

何一つ自由にできなかった。あの頃に戻りたいとは思わなかった。

でも、つい尽くしてしまう。

好きになると、相手のために自分を犠牲にしてしまう。

そうすると、男はどんどんわがままになる。まるで子犬のように、

逃げると追いかけて来るのに、追いかけると逃げていく。

そこで私は、男を好きにならないことを決めた。

一人暮らしは寂しいから、そんなに好きでもない人と付き合った。

ずっと一緒にいたいと思わないからこその共同生活。

友人と自由に遊んだり、勝手に海外旅行へ行ってみたり。

結婚って、このくらいの距離があった方がうまくいくのかもしれない。

そう思っていた。いや、そう思おうとしていた。



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